2011年1月29日土曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート371

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート371」だ。

諸君、昨日の引き続きであります。

子路(しろ)曰く、「そうかい! それがどうしたんだ。」

神北(かんぺき)曰く、「はい! 私は、衛の国の内務大臣である祝鮀(しゅくだ)の命を受けて、孔子先生に近づきました。 その目的は、内々で先生に祝鮀の政治顧問になって頂く事です。 そして、孔子塾の弟子の中でこれはという人物をピックアップして、まず一人、内務大臣の側近として送りこんで頂くことが祝鮀の希望です。 その命を仰せつかり、孔子塾の弟子の中で最も実力と影響力のある子路先輩に近づいたのです。 この店で最初に出合った時に先輩と私の利害と思惑が一致して、私は運良く子路先輩の口利きで、弟子になり、塾に潜入することができました。 先生と面識を得ることができましたが、神北は先輩に付けて頂いた名前ですが、先生やお弟子の方々が素晴らしい方なので、このまま騙し続けることに良心の呵責(かしゃく)を感じていました。 この場で先輩を騙していたことを謝りたいのです。」

子路曰く、「おい、神北! いや、祝! 俺を見くびるなよ。 俺は、貴様の素性はとうに知っていたぜ! ・・・貴様を先生に紹介した日に、お前は、カッコつけて宮中で仕える者の衣装を身につけてきたことはおぼえているよな!」

神北曰く、「はい、おぼえています!」

子路曰く、「あんなド派手な格好しやがって・・・ 普通の者なら、あんな真似はしやしないぞ! ・・・『神北、うさんくさい奴だ。 よし、お前の正体を暴いてやろう』と思って、次の日、俺はお前と二人でここで飲んだ後、お前の後をつけたんだよ! ・・・お前はある商家の裏口から入って行ったの見て、次の日に、その商家の主(あるじ)に会いに行ったんだ。 ・・・『孔子塾の門人で子路というものだ。』と名を名乗ったら、主人は俺のことは、噂で知っているらしく、快く応接してくれた。 そして、主人と二人で世間話も含めて、お前のことを聞いたら、他言無用ということで話してくれたぜ! お前、祝鮀の娘婿だってな。 周りの者から大臣の娘の婿養子に間違われることが、ことの他嫌がっているそうじゃないか。 その話が出ると急に顔色が変わって不機嫌になると主人が話してくれたぜ!」

この続きは明日また・・・。 
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風

2011年1月28日金曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート370

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート370」だ。

諸君、昨日の引き続きであります。

子貢(しこう)が人形の後ろにあるスイッチを入れる・・・オルゴールの音で曲がゆっくり流れる・・・

神北(かんぺき)曰く、「これ、どこか懐かしい感じがしますね! ・・・懐メロですか?」

子貢(しこう)曰く、「先輩これ、男性歌手の・・・『ひろみ郷』ですか?」

子路(しろ)曰く、「・・・無言。」

子曰く、「これはね・・・『空に太陽があるかぎり』という曲名で、浜口庫之助が作詞作曲してものです。 かれこれ40年も前に『にしきのあきら』が歌って大ヒットした曲だね。 私も20代で、居酒屋の帰り道、この歌をよく口ずさんだものです。」

神北曰く、「へぇ~、ずいぶんおくわしいですね!」

子曰く、「最近はカラオケ店に行ってはいないがね! 私のカラオケのレパートリーの一つで、私の中ではこの曲は、昭和の歌謡史に残る名曲の一つにあげている。 『スターあきらにしきの』になりきって歌ったものですよ!」

顔回(がんかい)曰く、「子貢君! 神北君! せっかくだから先生と先輩で一緒に歌ってもらいましょうよ!」

子路急に赤い顔になって曰く、「・・・無言。」

子貢曰く、「まだ先輩も我々も飲みが足りませんから、先輩の調子が出てきましたら後で歌を御披露してもらいましょうよ!」

神北曰く、「そうですね! もう少し飲めば先輩もいつもの調子に戻りますよ!」

子貢曰く、「そうそう! ・・・神北君、先輩に話があるんでしょう? この際ここでカミングアウトして下さいよ! ・・・回さんも聞いていないでしょうから・・・」

神北曰く、「はい・・・それでは、告白します。 ・・・私は、神北ではありません。 ・・・本名は、歓迎(かんげい)、名字は祝(しゅく)です。 衛(えい)の国から来ました。 どうぞよろしく!」

この続きは明日また・・・。 
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風

2011年1月27日木曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート369

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート369」だ。

諸君、昨日の引き続きであります。

顔回(がんかい)曰く、「先輩! 『“こ”の一番』はただの下足札です。 私が預かっただけで、先輩の靴が入っている下足札ですから、渡しただけです。 『“こ”の一番』の札に何のいみもありません。」

子貢(しこう)曰く、「・・・それでは先生、プレゼントを開けて下さいませんか・・・私も早く見てみたいです。」

子曰く、「そうだな! ・・・では、開けることにしよう!」

先生は、プレゼント用のリボンのひもをほどき、四越の包み紙を破らないように丁寧に開けた。
中の箱をテーブルに置いた。

続けて子曰く、「では、あけますぞ! 心の準備はよろしいか・・・ スリー、トゥ、ワン、オープン!」

顔回どんぐりまなこを大きく開いて曰く、「これは・・・新型ガンダムですか?」

子貢曰く、「回さん! これは男性の人形ですよ! しかもオルゴールが付いています。」

子、人形を箱から取り出してテーブルに置いて曰く、「子路(しろ)、プレゼントをありがとう! この人形は、若い頃の私の顔に似ているようだ。」

子路曰く、「・・・無言。」

神北(かんぺき)曰く、「この人形は、かなりイケメンにできてます! 先生も若い頃はイケメンでカッコよかったんですね!」

子曰く、「自慢じゃないが、かなりイケてたと思うよ!」

子貢曰く、「先生、人形に何か書いてありますよ!」

子曰く、「私は老眼だ。 ・・・子貢、ここへ来て読んでくれないか。」

子貢曰く、「はい・・・不肖子貢代表して読ませて頂きます。 ・・・ンン(咳払いの音)・・・それでは・・・愛してる(愛してる)、とっても(とっても)・・・愛してる(愛してる)、本当に(本当に)・・・愛してる(愛してる)、いつまでも・・・空に太陽がある限り・・・君と僕は、君と僕は二人で一人・・・愛してる(愛してる)、愛してる(愛してる)、空に太陽があるかぎり・・・以上です。」

この続きは明日また・・・。 
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風

2011年1月26日水曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート368

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート368」だ。

諸君、昨日の引き続きであります。

顔回(がんかい)ポケットに入れた「『こ』の一番」の下足札を子路(しろ)の前に差し出して曰く、「子路先輩! 先輩の言われる通りです! 私は、自分の未熟さを感じました。 先生の跡目になったというだけで、内心浮かれていました。 この下足札は先輩のものです。 『孔子塾一の門弟』を名乗れるのは子路先輩です。 先輩、今後ともご指導宜しくお願い致します。」

子路曰く、「回! 気持ち悪いぜ! 俺は年甲斐もなくお前に嫉妬していた男だぜ! ・・・『男の中の男』と自負する子路が、初めて男を腐らせてしまったんだ。 そんな情ない奴の御指導なんか仰ぐな! お前は先生のめがねにかなった孔子塾ナンバーワンの門弟だ。 『“こ”の一番』は、お前が一番相応しい。」

子貢(しこう)心の中で呟いて曰く、「えっ・・・ KYの回さん、いきなりまとも以上になっちゃってどうしたんですか? ・・・おいしいとこ全部持って行っちゃって・・・ しかし、これが素の回さんなんですかね! ・・・俺には真似が出来ませんよ! 私はすぐ打算を考えてしまう。 ・・・反省せねばなりませんね!」

神北(かんぺき)心の中で呟いて曰く、「この人たちは一体何ものですか? ・・・すごい人たちだ。 ・・・俺もこの中にいるということは、偶然なのか必然なのか・・・ とにかく、『凄い!』に尽きるひとの仲間入りしたことに間違いない! ラッキー!」

子曰く、「諸君、いいかい! ・・・『“こ”の一番』『“こ”の二番』『“こ”の三番』などと決めつけるのはナンセンスだよ! 君たちのように本当の能力に優れているものは、むやみに門人同志、または他人と競争したりしないものだ。 競(きそ)うとしたら、弓を射る時くらいかね。 それにしたって礼に始まり礼に終わり、その後は和やかに互いに酒を酌(く)み交わすだろう。 君子の競い合いは、争(あらそ)いではなく友好だよ。 さぁ、諸君! なんであれ、今宵は楽しく飲んでおくれ。」

 
子曰く、君子は争う所なし。 必らずや射(しゃ)か。 揖譲(ゆうじょう)して升(のぼ)り下り、而して飲ましむ。 其の争いや君子なり。

この続きは明日また・・・。 
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風

2011年1月25日火曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート367

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート367」だ。

諸君、昨日の引き続きであります。

子曰く、「回(かい)の強い要望に応えてプレゼントを開けるとしようか・・・ しかし、子路(しろ)よ、これは本当は寮母のためにわざわざ誂えたものではないのか? そうであれば、私がそれを受け取る訳にはいかないよ! ましてや、子路は寮母に会いにここに来たのがそもそもの動機だ・・・ それを知っていて私のために特別に用意したプレゼントでは嘘になる。」

子路曰く、「先生、おっしゃる通りですが、俺はここに来て目が覚めました。 寮母は、俺のことを何とも思っていないということです。 俺のスケベ根性が為せる早合点、早とちりでした。 たしかに、中華橋の四越百貨店で面白いものを見つけたので、寮母に気に入ってもらうために購入しました。 ・・・しかし、よく考えたら若い頃はどうしよもなく手がつけられない悪たれ者の俺がこうしてやってこれたのも、先生と出会ってからです。 今夜の宴は、俺の永年の慰労も兼ねての回の襲名祝いですが、本来なら、弟子の私が先生の永年の努力と俺たちを導いてくれた感謝の宴を持つのがいの一番で、ものの道理だと思ったんですよ! ・・・ここまで年長の先生に慰労してもうらうのは、何かスジではないと思うのですが・・・ 先生、俺の言ってる事、おかしいですか?」

子曰く、「子路よ、ありがとうよ! 子路がそう思って暮れることは、非常に嬉しい! 最初に会った子路は、世をすねて私の言うことに反発ばかりしていたからね・・・ しかし、そんな子路は、私のそばに寄り添うようにいてくれた。 常に私を守ってくれたね・・・ 子路と私は、どこかに互いに人間としての腐れ縁があるんだろうね。」

子路曰く、「先生! 俺は理屈抜きに先生のことが好きなんです! 先生が君子でなくとも、仁者でなくとも、聖人でなくともいいんです! 今の俺は、そんなことどうでもいいんです。 先生の言うことなら、とにかく素直に聞いて、一つでもいいからやってみようと思えるようになった! そんな俺にしてくれた先生で十分なんだ。 俺は、後は何も要りませんよ・・・先生を命がけで守りたい理由など、俺にとってはそれで十分です!」

この続きは明日また・・・。 
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風

2011年1月24日月曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート366

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート366」だ。

諸君、昨日の引き続きであります。

子曰く、「それでは、皆、グラスを手に取ってくれたまえ・・・ 子路(しろ)、長い間、私を公私ともに支えてくれてありがとう! 子貢(しこう)の言う通り、子路がいなかったら私も孔子塾もこれまでにはなっていないだろう。 私は子路のことを門弟ではあるが、忌憚(きたん)なく話が出来る真の友人と思っている。 これからも力になって欲しい・・・ 回(かい)よ! これからは、私に代わって門弟を取りまとめていかねばならぬ! ここに集った子路や子貢、神北(かんぺき)は、私の目から見てもかなり優秀な者たちだよ! 必ず回の力になってくれる! 回同様、私の可愛い愛弟子だ! 他の門弟ともよく話し合って力になってもらいなさい。 回よ、いいかい!・・・ お年寄りには安心され、友人からは信頼され、年少者からは慕(した)われるような者になれば、私の跡目を立派にやっていける。 私の亡き後の孔子塾を頼むぞ!・・・では、諸君! 諸君の健康とこれからの益々の活躍を楽しみにしています。 では・・・乾杯!」

一同曰く、「乾杯!」

顔回曰く、「先生、ありがとうございます。 先生のお言葉を心に刻みつけて、努力精進致します。」

子路曰く、「先生、俺! 俺! 先生のためなら・・・ワァー‼ ワァー‼ ワァー‼・・・」

子貢曰く、「先輩は、ホント涙もろいですね! ・・・すぐ泣くんですから・・・しかし、さっきまでの緊迫感は何だったんでしょうか・・・」

神北曰く、「空気が読めない回さんにここは感謝ですね!」

子貢曰く、「そうだな! 空気が読めないおかげで、深刻にならずに済んだからね! まぁ~そいうところが、常人でははかれない回さんの魅力と徳があるんだろう!」

顔回曰く、「皆さん! いよいよ先生がプレゼントを開けます! 心の準備をお願いします!」

子貢曰く、「こりゃ、だめだわぁ~! 人の話を聞いていないね・・・ KYの回! ここまでくると国宝ものだわぁ・・・ ハハハハ~」

この続きは明日また・・・。 
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風

2011年1月23日日曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート365

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート365」だ。

諸君、昨日の引き続きであります。

顔回(がんかい)寮母の声色を真似て曰く、「子路(しろ)ちゃん、そんなつまんないことより、先生のプレゼントは何かしら・・・とても気になっちゃうの。 先生にプレゼントを開けてもらったらいかがかしら?」

子路曰く、「それはだめだ! 先生の自宅で開けてもらいたい!」

顔回寮母の声色を真似て曰く、「寮母! 先生へのプレゼント見てみた~い!」

子貢(しこう)曰く、「私も見てみたいです!」

子曰く、「それでは、とりあえず全員揃ったところで、乾杯をして、その後プレゼントを開けることにする! 子路いいかね!」

子路曰く、「・・・無言。」

子曰く、「では、子貢、お酒と料理をたのむ!」

子貢曰く、「はい、すぐに!」

子曰く、「神北! 子路に話しておかねばならぬことがあるんじゃないのか・・・」

神北曰く、「はい、実は、先輩に隠していたことがあるんです! 聞いて頂いた上で、謝りたいんです。」

子路曰く、「何だよ。 改まって、気持ち悪いぜ。 『実は、私、子路先輩のことをず~っとお慕い申し上げておりました♡』なんてこと言うなよ! 今さらそんなこと言われても俺はそっちの趣味はないからな!」

神北曰く、「先輩、カミングアウトじゃありませんよ・・・ 実は、私の本当の素性を先輩に明かしたいんです。 それから先輩に折り入ってお願いがあります。」

子路曰く、「今さらお前の素性がわかったからってどうということはないぜ! 話したかったら勝手にしろ!」

子貢曰く、「ビールが来ましたので、とりあえず乾杯しませんか? 今夜は、先輩の慰労会でもありますから、一杯飲んで一息入れていただけませんか。」

子曰く、「そうだな、今夜は私が開いた宴であるから、私が乾杯の音頭をとらせてもらうよ。皆も異存は無いね!」

子路、回(かい)、子貢、神北、同時にうなづく。

この続きは明日また・・・。 
今日一日、真我とともにあらんことを


天意天風