2010年12月18日土曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート329

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート329」だ。

諸君、昨日の引き続きであります。

子曰く、「官職の名前を点検して、職名と役割を正しい名前にし、権限と責任をきちんと文章化することかな」と話してやったんだよ。

子貢(しこう)曰く、「それで、子路(しろ)先輩は理解されたんですか?」

子曰く、「子路は、私に『そんなことを最初になさるんですか? 先生のなさることは、まどろっこしくて、即効性がない! 遠回りだと政治家から言われちゃうでんすよ。 役職名などどうだっていいじゃないですか!』というから、言ってやったんだ。 『お前は相変わらずの野蛮人だね。 いいか、子路! 文化人は自分が知らない事に関しては口を噤(つぐ)んでいるものだよ。 官職の名前や責任と権限がきちんとしていなければ、組織としての命令がきちんと伝わらないじゃないか。 命令がきちんと伝わらなければ、社会秩序は生まれない。 社会秩序が生まれなければ、国民が共有する社会規範が育ちはしない。 社会規範が育たなければ、公正な裁判が行えないじゃないか。 公正な裁判が行なえないなら、国民はのんびり手足を伸ばしてくつろぐことすらできやしないだろう。 子路、お前が裁判所の判事ならば、何をよりどころにして判決を下すのかね。 だから、道理の分かった政治家は、まずは名称を正しくする。 次に道義規範にのっとり、命令を発して施行する。 そうすれば、出しっぱなしで終わるような法律も無くなるんだよ。 子路よ、政治家と言うものは、言葉を決して軽々しく扱ってはならないもんだぞ。』と話してあげたんだよ。」

子路曰く、衛の君、子を待ちて政を為さば、子将に奚(なに)をか先にせんとする。 子曰く、必ずや名を正さんか。 子路曰く、是れ有るかな、子の迂なるや。 奚(なん)ぞ其れ正さん。 
子曰く、野(や)なるかな、由(ゆう)や。 君子は其の知らざる所に於いては、蓋闕如(かつけつじょ)たり。 名正しからざれば則ち言順(げんしたが)わず、言順わざれば則ち事成らず、事成らざれば則ち礼楽(がく)興(お)こらず、礼楽興こらざれば則ち刑罰中(あた)らず、刑罰中らざれば則ち民(たみ)手足を措(お)く所なし。 故に君子はこれに名づくれば必ず言うべきなり。 これを言えば必ず行なうべきなり。 君子、其の言に於いて、苟(いやし)くもする所なきのみ。

神北(かんぺき)曰く、「先生、文章化するとは、国家を運営する上での組織作りということですか?」

子曰く、「そうだ! 国家と言っても社会と言っても一言で言えば、人の集まりだよ。 決まりごとがないと人は銘々自分の都合がいいように解釈して、身勝手な行ないをするものだよ!」

子貢曰く、「職名の明文化、つまり役割と権限と責任範囲を明確にすることが大切ですね!」

子曰く、「そうだ! 職務を文章に明確に書き表すことだよ!」 

この続きは明日また・・・。 
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風

2010年12月17日金曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート328

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート328」だ。

諸君、昨日の引き続きであります。

子曰く、「確かそんな話をしたね! 神北君、同時期に霊公夫人の南子(なんし)と会見したことがあるんだ。 私のお供に子路(しろ)がいて、そばで耳打ちするんだよ。 『先生、夫人は不倫で有名な方です。 先生の名に疵(きず)がつくことは困ります。』と苦瓜と渋柿を合わせて食べたような顔をして言うから、その時、子路に言ったんだ、『私は子路に誓うよ! 私は疚(やま)しいことはこれっばかりもしてないよ。 もしも過(あやま)ちを犯したなら天が私を罰するだろうよ。 他ならぬ天がね。』と言ったことがある。」

子、南子を見る。 子路説(よろこ)ばず。 夫子(ふうし)これに矢(ちか)って曰く、予(わ)が否(すまじ)き所の者は、天これを厭(た)たん。 天これを厭(た)たん。

神北曰く、「そんなことがあったんですか。」

子曰く、「霊公は、もういけませんか!」

神北曰く、「はい、義父は、この二、三日が山だと言ってきました。 霊公亡き後の家督争いを非常に心配しております。 跡目をめぐってどちらの側につくかの派閥争いも起こっています。 ちょっとしたことで内乱がおこりかねません。 霊公亡き後の事を内内の政治顧問として御相談にのってい欲しいとのことです。」

子曰く、「祝鮀(しゅくだ)殿の御事情ならび御心痛は痛いほどわかりますよ。 神北君、ひと昔前に、子路(しろ)とこんなやり取りをしたことがあるんだ。 子路が私に『もし衛の君主に招かれて政治を任せられたなら、先生は何から始めますか?』とこんなことを問われたんだよ。」

神北曰く、「それで、先生は、子路先輩に何とお答えになったんですか?」

子曰く、「神北君、せっかくの料理だ、食べながらでかまわんからね! 遠慮しないでくれたまえ!」

神北曰く、「はい、そうさせて頂きます。」

この続きは明日また・・・。 
今日一日、真我とともにあらんことを


天意天風

2010年12月16日木曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート327

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート327」だ。

諸君、昨日の引き続きであります。

子曰く、「子貢(しこう)よ、言葉を慎みなさい! 神北(かんぺき)君、子貢の非礼を許して欲しい。 子貢は人の心を逆なでするとこがある。 しかし、これを良き持ち味として使いどころを弁(わきま)れば、人を生かす才能に変わると思うのだがね!」

神北曰く、「はい、イライラしていたもので、つい言葉を荒げてしまいました。 お許し下さい。」

子曰く、「話を戻すが、神北君、義父の祝鮀(しゅくだ)は、私に用向きがあるのではないのか?」

神北曰く、「はい、そうです。」

子曰く、「その用とは何かね?」

神北曰く、「はい、先生が、衛国の君主の霊公様に愛想を尽かされ、魯国へ帰ってしまわれたことを義父は、私に、『衛から、人財と言う宝を失った。 非常に残念でならぬ!』と言っておられました。 義父は私に、『孔子の弟子となり潜入せよ! 先生と接触して、内密に政治顧問をお願せよ!』との命です。 もう一つの命は、孔子先生の許可を得て門弟の中でこれはと言う人物を見つけて私の所へ連れて来るように託されました。」

子曰く、「そうであったか! 神北君、私が衛国を去ったのは、こんな理由からです。 それは、霊公様は、私に軍隊の陣立てについて質問ばかりするので、『私は、神や先祖を祀(まつ)る儀礼については、いささか学んでおりますが、軍事については学んでおりません。』と返事をして、霊公があまりにもものわかりが悪いもので、嫌気がさした。 それで翌日衛国をさよならしたんだよ。」

衛の霊公、陳(じん)を孔子に問う。 孔子対(こた)えて曰く、俎豆(そとう)の事は則ち嘗(かつ)てこれを聞けり。 軍旅(ぐんりょ)の事は未だこれを学ばざるなり。明日(めいじつ)遂(つい)に行く。

神北曰く、「そうでしたか。 そう言えば、霊公様の南子夫人の振舞いにも困ったものだと義父におっしゃったそうですね。」

この続きは明日また・・・。 
今日一日、真我とともにあらんことを


天意天風

2010年12月15日水曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート326

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート326」だ。

諸君、昨日の引き続きであります。

子貢(しこう)曰く、「神北(かんぺき)君、まず、あなたの名前だけでも先に教えてくれませんか?」

神北曰く、「はい、わかりました。 私は、衛の国の生まれで、名字は祝(しゅく)、名は歓迎(かんげい)です。」

子貢曰く、「祝歓迎君! これ以降は、何と呼んだらいいですかねぇ?」

神北曰く、「先生に決めて頂ければ・・・」

子曰く、「神北君にも知られたくない事情もあるだろうから、このことを知っているのはわれわれ三人だけだ。 今まで通り、神北で通すことだね!」

子貢曰く、「先生の言われる通りですね! それでは、今まで通り、神北君と呼びます。」

神北曰く、「先生、御察し下さりありがとうございます。 私は、衛の内務大臣の祝鮀(しゅくだ)の命を受けてここに、魯国の先生の所に来たのです。」

子曰く、「祝鮀の命とは?」

神北曰く、「衛の霊公が重い病にかかっております。 今こうしている時も命が危ない状態です。 私の妻の父親が祝鮀で、義父になります。」

子曰く、「神北君は、祝鮀の娘婿ということですか!」

神北曰く、「はいそうです。 ただし、私は婿養子ではありません。 もともと同じ『祝』姓です。」

子曰く、「これは私事だが、昔、女房で失敗して苦労したものでねぇ・・・ それ以来、人の相を見ることも勉強し、それなりに研鑽をつんできたのだが、実に奥方は福相をしておられる。」

神北曰く、「おそれいります。」

子貢曰く、「ここだけの話、神北君は奥方の尻にひかれているのかい?」

神北曰く、「子貢さん、それは私に対して失礼ですよ! ただ、私は祝鮀の娘をもらっただけで、親戚からも歓迎が養子にいったと勘違いされています。 未だに『内務大臣祝鮀の養子婿の歓迎君です』と紹介されているんですよ! ・・・正直、『俺は婿養子じゃないぞ!』と言い返してやりたいのですがね・・・ 大人気ないことですからね。」

子貢曰く、「そうか、それは失礼した。 君も意外に苦労しているんだ。」

神北曰く、「子貢さん、お言葉を返すようですが、『君も意外に』とは失礼じゃないですか!」

この続きは明日また・・・。 
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風

2010年12月14日火曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート325

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート325」だ。

諸君、昨日の引き続きであります。

子貢(しこう)曰く、「先生!神北(かんぺき)、いや祝歓迎(しゅくかんげい)、そうとう参ってますね!」

子曰く、「子貢、本人もいささか動揺しているようだ。 もうここらへんで勘弁してやったらどうだ!」

子貢曰く、「先生、私もそうしたいんですが・・・ やはり、先生に正直に『実はこうこうこうで、このような事情で、先生に近づくため門人になりました。』と本人の口から言わせたいんです。」

子曰く、「それもそうだが、せっかくの料理も美味しく食べられないだろう。」

子貢曰く、「先生、本人が先生に詫びれば、私はそれで十分です。 詫びさえしてくれれば仇ではありませんから、孔家門人として、またお互いに良き友人として付き合っていきたいと思っています。」

子曰く、「確かに子貢の言う通りだな。 私とて祝鮀(しゅくだ)の命令で潜入してきた神北をこのままにしておく訳にはいかんからな。 本人の口から正直なところを聞きたい!」

子貢曰く、「とにかく私から神北に素性はばれているからありていに正直に話して先生に詫びるように説得します。」

子曰く、「それがいいな! 子貢よそうしてくれるか!」

そこへ、トイレから神北が戻って来た。

神北曰く、「遅くなりました。 お食事中に席を立ってすみません。」

子曰く、「せっかくの料理が冷めてしまうぞ。 さあ、食べてくれたまえ。」

神北曰く、「先生、私はこのままではせっかくの心づくしの料理が美味しく食べられません。」

子曰く、「神北君、思いつめた様子だが、何かあったのかね?」

神北曰く、「先生に隠していた事を今この場で話をさせて頂きたいのです。」

子曰く、「そうかい! 神北君の胸につかえているものがあるのなら話してごらんなさい!」

神北曰く、「実は、私は神北ではありません。 この名前は、子路(しろ)先輩に初めて居酒屋で会った時に、飲んでいる話の折に名を付けてもらったんです。」

子曰く、「何ぃ! 子路が名を付けたと・・・」

神北曰く、「はい。」

子曰く、「またどうして子路がそんな真似をしたんだ。」

神北曰く、「それには、先生もすでにわかっておられると思いますが、この際、私の素性も含めて洗いざらい話させて頂きます。」

この続きは明日また・・・。 
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風

2010年12月13日月曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート324

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート324」だ。

諸君、昨日の引き続きであります。

子貢(しこう)曰く、「先生、この方が奥様です。」

子曰く、「どれどれ・・・ ほうほう・・・ ぽっちゃりして、鼻が低くて、耳が大きくて福耳だね。 笑顔がいいねぇ~。 私の好みの女性だ!」

子貢曰く、「そうですよね! おかめ顔で、いかにも福相ですよね! 神北(かんぺき)君、めったにない美人ですから見て下さいよ!」

神北曰く、「・・・ この方ですか? 私もどこかでお会いしたような気がしますが・・・なかなかのおかめ顔・・・いえ、かわいい方ですね!」

子貢曰く、「神北君! 実はね、奥方から御主人が、今、魯国のどこに出張されておられるか聞いて来たんですよ!」

神北曰く、「そうですか。 さすがに手際がいいですね。」

子曰く、「神北君! 顔色が優れんようだが?」

神北曰く、「そうですか? 鏡が無いのでわかりませんが・・・ちょっと席を外させて頂いてトイレをお借りします。」

子曰く、「料理が冷めないうちに戻って来ておくれ!」

神北曰く、「はい、すぐ用を足してきます。」

席を立った神北は、動揺を抑えながらもトイレに向かった。

神北心の中で呟いて曰く、「何と言うことだ! あの写真を見せられちゃこれ以上隠し通す訳にはいかんな。 ・・・しかし、あの子貢と言う奴は、嫌な奴だ。 俺の心を読んでいるのか、やっぱり・・・ 言葉巧みに、この歓迎様をここまで追い詰めるとは・・・ しかし、的に回したら比奴(こやつ)は恐いな。 ・・・しかし、子貢の奴にトイレに追い込まれるとは実に悔しい! これが本当の雪隠詰(せっちんづ)めだ。 なんちゃって・・・ もうこの期に及んで白(しら)を切る訳にはいかんからな。 出すもの出したら全てを洗いざらい先生に話すとしよう。」

この続きは明日また・・・。 
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風

2010年12月12日日曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート323

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート323」だ。

諸君、昨日の引き続きであります。

子貢(しこう)曰く、「先生、それでマヨネーズの『一気吸い』は成功したんですか?」

子曰く、「さきほど自慢じゃないと言っただろう!」

子貢曰く、「成功したんですね!」

子曰く、「もちろんだ。 ・・・その当時は、今みたいにローカロリーのマヨネーズは無くってね! 結構脂っこくて口に残るんだ。 それでも見事成功してね・・・ それが私の自慢でね。」

下男がメインディッシュとパンを運んできた。

下男曰く、「本日のメインディッシュ、オマール海老の香草ホイル焼きです。 パンのおかわりがありましたらお申し付け下さい!」

子曰く、「ありがとう!」

子貢曰く、「神北(かんぺき)君、メインディッシュが来たことですから、先ほどの話の続きに戻しますが・・・ 神北君も機会があったら私と一緒に魯国に出張中の御主人に会いませんか?」

神北曰く、「ええ・・・私は構いませんよ!」

子貢曰く、「先生もその時は一緒に会いませんか?」

子曰く、「そうだね・・・ ぜひ、私の家へご招待して、ディナーを食べながら話をお聞きしたいものだね!」

子貢曰く、「先生が招待して頂ければ、喜んで来られますね! 何と言っても先生は著名人ですからね! ・・・神北君、先生の提案はどうでか?」

神北曰く、「はい、できれば同席したいですね!」

子貢曰く、「神北君! 私ね、その奥様に頼んで、想い出の一つにしたいから二人だけの写真を撮らせてもらいたいとお願いしたらね、『いいですよ!』と快く受けてくれたんです。」

神北曰く、「それは良かったですね!」

子曰く、「子貢よ! その記念写真はあるのかね?」

子貢曰く、「はい、先生。 私、先生にお見せしようと思いましてね、持参して来ているんです。」

子曰く、「ほう、それは是非見せてもらいたいね!」

子貢曰く、「神北君もぜひ見て下さいよ!」

神北曰く、「・・・無言」

この続きは明日また・・・。 
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風