2010年11月20日土曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート301

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート301」だ。

諸君、昨日の引き続きであります。

子路(しろ)曰く、「諸君、ここには孔子一門の主だった者が集まっている。 跡目は顔回(がんかい)に決まった。 しかし、門弟の中で『俺が跡目をとるにふさわしい』と思ってる奴もいるんじゃないか? 不服のある奴は今すぐ出て来い! ・・・子貢(しこう)、宰我(さいが)、閔子騫 (びんしけん)、伯牛(はくぎゅう)、仲弓(ちゅうきゅう)、冉有(ぜんゆう)、子游(しゆう)、子夏(しか)、お前ら本音はどうなんだ? 子貢、お前はどうだ?」

子貢曰く、「私は、回(かい)さんで異存ありません!」

子路曰く、「まちがいないな! ファイナルアンサー」

子貢曰く、「ファイナルアンサー! 回さんで異存ありません!」

子貢を除いた7名揃って曰く、「回さんで異存ありません!」

子路曰く、「先生、これで後顧(こうこ)の憂(うれい)が無(な)くなりました。」

子曰く、「子路よ、手数をかけたありがとう!」

宰我曰く、「それでは、子路寮長、花束をお二人にどうぞ!」

子路曰く、「回よ、おめでとう! 何かあっても無くても、この子路様に相談に来いよ!」

顔回曰く、「はい! では早速、あの水着の美女はどなたですか?」

子路曰く、「ああ、あの二人はコンパニオン! お前のために頼んだんだ! ありがたく思え。」

顔回小声で曰く、「先輩、電話番号聞いといて下さいよ。 今後ともご指導のほど宜しくお願い致します。」

宰我曰く、「それでは今一度、盛大な拍手をお願いします。」

会場に拍手の音が響き渡る。

宰我曰く、「これにて、孔子塾塾生総合講義、終わらせて頂きます。」

この続きは明日また・・・。 
今日一日、真我とともにあらんことを


天意天風

2010年11月19日金曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート300

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート300」だ。

諸君、昨日の引き続きであります。

子路(しろ)引き続き曰く、「神北(かんぺき)、お前、俺の話が済むまで、そこで会場に向いて立ってろ! では、話の続きだ。 先生がおっしゃるには、『いつもは回(かい)にライバル心むき出しの負けず嫌いの子貢(しこう)にしてはバカにしおらしい返事だったからね、私も気使っちゃってね!“子貢よ、そうだろうな。 お前ばかりか、私だって回には及ばないもんなぁ”』と慰めてやったそうだ。 そうですよね、先生!」

子曰く、「そうだ! そのように子貢に話をしたよ。」

子貢うつむいたまま曰く、「無言!」

子路曰く、「塾生諸君! 先生は弟子の君たちには、お気づかいをされているんだぞ! ありがたく思いなさい! ・・・ところが、俺については『同類』なんだ。 諸君! 『同類』と言う意味は、君たちと俺とは、扱いが違うということだ。 今朝、先生が俺にいきなりひどいことをするもんで、俺もカッときて、『先生は顔回(がんかい)と子貢には優しいですね! 俺にすることとは、ずいぶんと違うじゃないですか? 仁者たるもの、基本的人権を侵害してもいいんですかいね!』と言ったんだ。 諸君! 先生は、何と言われたと思うかね! ・・・先生は、やさしい眼差しでこう言われたんだ。 『それは子路の偏見というものだ。 私は子路だから遠慮がいらないのだよ!』 ・・・よく聞いたか? 俺に対しては、遠慮がいらないんだぞ! 君たちと俺との違いは、歴然としただろう。 俺は更に先生に念を押したんだ。 『それ、先生の本心ですか?』 先生は間髪いれずに、『 Yes I do. 』 と答えたんだぜ。 君たちにはお気づかいをされているんだ。 先生と俺は遠慮がいらない、人間孔子と人間子路の間柄ってこと、このやり取りでわかってもらえたと思う。」

この続きは明日また・・・。 
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風

2010年11月18日木曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート299

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート299」だ。

諸君、昨日の引き続きであります。

子路(しろ)続けて曰く、「会場の諸君! 子貢(しこう)はこう答えたんだ。 『私なんかとても彼とは比べものになりません。 彼は一を聴いて十を知りますが、私は二まで知るのがせいぜいです。』と答えたんだ。 子貢、そう答えたんだよな!」

子貢曰く、「はい、そう答えました。 先輩、ここは裁判所で私は被告人ですか?」

子路曰く、「そうだ! 被告人子貢君、俺はここでは寮長じゃないぞ。 検事長だ!」

子貢曰く、「無言!」

子路曰く、「子貢、返事はどうした。 口がきけなくなったのか?」

子貢曰く、「無言!」

子路曰く、「黙秘権かよ! 小利口なやつは嫌だね! おい、子貢、自分には嘘はつけないぞ!」

子貢曰く、「無言!」

子路続けて曰く、「そうだ、会場の俺の話を聞いている神北(かんぺき)! 隠れてないで、俺の前に出てこいや!」

神北ドキッとしてつぶやいて曰く、「いいかげんにしろや! 俺が何で隠れにゃいかんのだ!」

子路続けて曰く、「神北! 手を上げて返事をしろ!」

神北手を上げて曰く、「はい、子路大先輩! 神北はここにいます!」

子路続けて曰く、「小股の切れ上がったいい男! 早くこっちに出て来いよ!」

神北、会場の注目を浴びながら、演壇の手前に来て、孔子先生、顔回に一礼して、子路の所に向かった。

子路続けて曰く、「会場の諸君! こいつが神北です! とても気が利くいい奴です。 俺の弟分だ。 可愛がってやってね!」

この続きは明日また・・・。 
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風

2010年11月17日水曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート298

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート298」だ。

諸君、昨日の引き続きであります。

会場の後ろで子路(しろ)のスピーチを聞いていた神北(かんぺき)に、周りの者の視線が集まった。
神北、居たたまれずに下を向いてつぶやいて曰く、「先輩、先生の前で暴露しちゃって・・・ 俺はどうしたらいいんですか! 勘弁して下さいよ!」

子路続けて曰く、「『弟子は皆可愛いんだよ!』と言うから、この俺も弟子の一人だ。 『俺はどうなんですか?』と聞いたんだ。 そうしたら、先生は、『子路よ! 私とお前は同類だ!』と言われたんだ。 俺が期待していたことは、『もちろんお前も可愛いに決まっている。』とこう言ってほしかったんだ。 俺はすかさず、『何が同類なんですか?』と聞き返したんだ。」

司会進行役宰我(さいが)曰く、「子路寮長、花束贈呈式なんですが・・・ 孔子先生、顔回先生がお立ちのままなので、スピーチは手短にお願いします!」

子路曰く、「うるせ~宰我! ここからがいいところなんだ。 黙って聞いてろ!」

子曰く、「宰我、ここは、子路の思いのたけをきこうじゃないか。」

宰我曰く、「はい。 先生と顔回補佐がよろしければ、かまいませんが・・・」

顔回、両手の拳(こぶし)をにぎりしめて、孔子先生の申し入れに同意してうなずいた。

宰我曰く、「それでは、子路寮長、お話の腰を折ってすみません。 続きをどうぞ・・・」

子路続けて曰く、「先生が、子貢(しこう)に『お前と一歳年上の顔回とはどっちが優秀かね?』と問うたんだ。 おい、子貢。 お前、先生にそう問われたんだろう。」

子貢うなずきながら曰く、「はい、先輩、そうです!」

この続きは明日また・・・。 
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風

2010年11月16日火曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート297

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート297」だ。

諸君、昨日の引き続きであります。

司会進行役宰我(さいが)曰く、「会場の皆様、子路(しろ)寮長による花束贈呈であります。 孔子先生、顔回(がんかい)先生、壇上中央にお越し下さい。」

孔子、顔回、起立して魯国の国旗に一礼し、演壇に向かう。
子路が大きな花束を持たせた、何故か水着姿の
美女二人を伴ってやって来た。

スタンドマイクのマイクをはずして、子路会場の塾生に向かって曰く、「会場に御集りの諸君! 私が子路です。」

会場から割れんばかりの拍手が起こる。

子路続けて曰く、「昨日飲み過ぎたので手短に話をする。 顔回は俺より二十一年(とし)が離れた兄弟弟子だ。 塾生諸君も俺から言わせれば、全員弟弟子だ。 俺は昨日まで、顔回のことを面白くなく思っていた。 先生は、顔回ばかりをひいきして、可愛がるもんで、年甲斐もなく顔回に焼きもちをやいていたんだ。 何かと先生の前で、いい子ぶりっ子する顔回が鼻もちならなかったんだ。 口達者な子貢(しこう)がしばらく留守をするというので、これ物怪(もっけ)の幸(さいわ)いで、新入りの神北(かんぺき)を使って、『顔回を無視せよ!』と諸君に命令したのはこの俺だ。 諸君も知っている通りだ。 俺も先生が寮に来られた今朝まで、顔回が先生の跡目を継ぐことになることなど、まったく知らなかった。 しかし、先生の話を伺うと、もっともなことだと思ったんだ。 先生も今年に入って長男の鯉(り)を亡くされた。 先生御自身の亡き後の孔子塾の行く末や、塾生のお前らのことをいたく心配されておられる。 今朝、先生が俺に『孔子一門を顔回に任せて引退しようと思う。 それについて、俺に力になって欲しい。』と頼まれたんだ。 俺は、『先生は、顔回が一番可愛いんですね。』と聞いたら、『そうかもしれんが、私を信じて慕ってくれる弟子達は皆可愛いんだよ!』と言ってくれた。 お前ら、この後が肝心なところだからよく聞けよ!」

この続きは明日また・・・。 
今日一日、真我とともにあらんことを


天意天風

2010年11月15日月曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート296

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート296」だ。

諸君、昨日の引き続きであります。

子曰く、「塾生諸君! 真理にのっとった正義の実現を目指し、道徳を身につけ、慈愛の心を持ち、学問やスポーツを楽しむ。 万物の霊長たる人間としてせっかく生まれたからには、そんな日常を過ごしてもらいたいものです。

子曰く、道に志 (こころざ)し、徳に依(よ)り、仁に依り、芸に游(あそ)ぶ。

続けて子曰く、「ともかく、人生を善く生きるには、愚直なくらい真っ直ぐに生きるのが一番だよ。 悪知恵を働かせて羽振りを利(き)かせている者を見ると、羨(うらや)ましくなるかもしれないが、そんな者を羨ましむことなんか、これっぽっちも持つ必要はないんだよ!  そういう連中は、いまのところマグレ当りで禍(わざわい)を免(まぬが)れているに過ぎないんです。 必ず天の法則にしたがって作用と反作用があるんです。 諸君なら理解できるはずです。 『善く生きる』の話は、これで終わります。」

司会進行役宰我(さいが)曰く、「孔子先生、ありがとうございます。 会場の皆様、今一度盛大な拍手をお願いします。」

会場中に割れんばかりの拍手の音が響く。

宰我曰く、「それでは、本日の総合講義、これにて終了します。」

子路(しろ)心の中でつぶやいて曰く、「お、おい! ちょっと待ってくれよ! 花束贈呈式はないのかよ!」

子曰く、「宰我! ちょっと待ってくれたまえ!」

宰我曰く、「はい、先生! 何でしょうか?」

子曰く、「子路が、顔回(がんかい)と私にお祝いの花束を贈呈してくれるのだ。」

宰我曰く、「はい、わかりました。 会場の皆様、子路寮長より、孔子先生、顔回先生にお祝いの花束を贈呈したいとのことです。 御席を立たないで、今しばらくお待ち下さい! 子路寮長! 御準備出来ましたら合図をお願いします。」

子路曰く、「宰我、俺にも一言お祝いのスピーチをさせてくれ!」

宰我曰く、「はい、わかりました。 すぐスタンドマイクを用意します。」

この続きは明日また・・・。 
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風

2010年11月14日日曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート295

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート295」だ。

諸君、昨日の引き続きであります。

子路(しろ)心の中でつぶやいて曰く、「まったく先生は、いつも俺を出しにして、自分ばっか上目線でいながら遜(へりくだ)ってカッコつけるからなぁ~。 おとなしく黙って聞いてりゃぁ~、え~何だって、『私はお年寄りには安心され・・・』 自分がもう十分年寄りの仲間に入っていることわかんねえのかなぁ~。 人前だから若いふりしちゃって、今朝がた『子路も私もお互い歳をとったなぁ。』と言っていたじゃないか! まぁ~先生には、いつまでも元気でいて欲しいが・・・ しかし、顔回(がんかい)って奴は、万人受けする出来過ぎ君の返答だ! あいつ、先生の前ではいい子ぶりっ子しやがって、もっと本音をぶつけりゃいいのに。 昨日のビールピッチャー一気飲みの回(かい)が俺は好きだね! 人前じゃあ、毒にも薬にもならない奴だぜ!」

子曰く、「諸君、私は、黙々と過去の偉人、聖人、君子を探究し、気長に学び、学んで得たことを人に教えて飽きない。 よくもまぁ~、倦(う)まず弛(たゆ)まずして飽きずにきた自分を誉め励ましながら、こんな自分を自分の取り柄として、生涯持ち続けていくつもりです。 この頃は、他に何の欲もなくなりました。」

子曰く、黙(もく)してこれを識(しる)し、学びて厭(いと)わず、人を誨(おし)えて倦(う)まず。何か我に有らんや。

子路心の中でつぶやいて曰く、「年とったんだよ!」

続けて子曰く、「私は、道徳心が失われていくこと、精神に有益な学問が廃(すた)れていくこと、正義を知っていながら他人に無関心となり見て見ぬふりをして実行する者がいないこと、悪いと知っていながら誰も改めようとしないこと、社会がそんな状態になっていくのが私の一番の心配ごとです。」

子曰く、徳の脩(おさ)めざる、学の講ぜざる、義を聞きて徙(うつ)る能(あた)わざる、不善の改むる能わざる、是れ吾が憂(うれ)いなり。

孔子先生は、演壇の横に置かれた水差しのグラスを取り、水をゆっくり注いで、喉を潤す程度に一口ふくみ、間を取るようにゆっくりグラスを置いた。

この続きは明日また・・・。 
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風