2010年1月30日土曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート11

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)~論語創作ものがたり パート11」だ。

諸君、昨日の話に〈女(おんな)の腐ったよう〉と女性をあたかも蔑視しているかのような誤解を受ける不適切な言葉を使った。
すでに死語になりつつある現代であるが、女性差別用語だと言われる方もおられるだろうから、『その当時の世相は』ということで御理解をたまわりたい。
今時の日本では、「草食男子」「肉食女子」とか言われているそうですな。
〈女の腐ったよう〉とは、今時の世相に合わせれば、〈男の腐ったよう〉と改めるべきですかな。
その意味では、ぐずぐず言って男の腐ったような態度のにえきらない、はっきりしない女をののしっていう言葉になるね。
これが今時は正解ですかな?
諸君はどう思われますかな?


さてもさても「子路(しろ)の嫉妬劇」のはじまり、はじまり~!

「門人諸君、大先輩の子路であります。 諸君らにお話がありますから、すぐに中庭に全員集合してくれたまえ。」

門人を中庭に集めて子路曰く、「孔子門人諸君、日頃、諸君らは、孔子先生について寝食を忘れてよくお勉強して頑張っておられるから、今日は子路先輩が、孔子先生にかわり、君たちにごほうびとしてごちそうするから、本日のPM7:00に居酒屋『ざ・論民(ろんたみ)』に集合されたし! 諸君、よろしいか?
それと、 顔回(がんかい―回)と子貢(しこう)は先生のお供で外出しているので、伝えなくていいから。 俺の方から話はしてあるので、余計なことは気をまわさないでくれたまえ! 諸君、よろしいか?」

「イエッサー 子路先輩!」 「はい、子路先輩!」

舞台は変わりまして、居酒屋「ざ・論民(ろんたみ)」。
時間はちょうど定刻のPM7:00。

居酒屋「ざ・論民(ろんたみ)」の店先で子路曰く「なになに『孔門御一行様 貸切御礼』 何だこれ? 水戸の黄門様一行じゃあるまいし、こんなたれ幕、店の前に下げんなよ。」

居酒屋「ざ・論民(ろんたみ)」の店内において子路曰く「おいおい、タダ酒、タダ食いとなるとずいぶん早くから集まるもんだね! 『衣食足りて礼節を知る』とは本当のことだな。」

乾杯を前にして子路曰く「諸君! 本日は、お忙しい中、よく集まってくれました。 ありがとう。 諸君の日頃の労をねぎらうためのものでありますから、先輩後輩の関係はおたがい抜きにして、本日は無礼講です。 孔子先生の門人として、この一時(ひととき)を楽しくやりましょう。 では諸君、孔子先生、諸君のますますの発展とご健勝を祈念しまして乾杯!!」 

「かんぱ~い!!」

この物語の続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを


天意天風

2010年1月29日金曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート10

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)~論語創作ものがたり パート10」だ。

子路(しろ)激怒して曰く・・・
「なに~い、お前と先生とそんな話をしていたのか? 実にけしからん! 実におもしろくない! 実に不愉快である! 顔回(がんかい―回)も子貢(しこう)おまえも、先生も、俺だけのけものにしていたんだな!」

「子路にいさん、それは誤解だよ。」

「うるせ~、6階も7階も8階も地下1階もあるんだ。 おまえなんぞに『にいさん』なんて言われる筋合いはないわい!」

「子路にいさん、それはないよ! ああ~いや、子路大先輩が『血のつながりはないが、これからは、にいさん、おとうとよの間柄でいこうぜ。』って言ったんじゃないですか?」

「俺がかぁ~? いつそんなことを言った。 それこそ誤解ってもんだ。 もし言ったとしたら、今すぐやめだ、やめだ、やめだ~い。」

「子路あにき、また、やきもちですか? それってまちがいなく男の嫉妬ですね!」

「このやろう、それ以上言うとただじゃおかねえぞお!」

「おっと、子路あにき、そうそうにはこの子貢、油断しませんよ! 子路大先輩また嫉妬しているんですかぁ~。 孔子先生に直接真意を伺ってみてはどうですか?」

「うるせ! うるせ! うるせ~い!」

「先輩、それって世間では〈女(おんな)の腐ったよう〉って言うらしいですよ。」

「お前、少しだまっていろ。 今、頭が混乱しているんだ。」

「それはちがうでしょ。 子路先輩のその状態は、怒り心頭に発しているんじゃないですか? ズバリ、嫉妬して腹を立てている。 そしておさまりがつかない。 そうでしょ?」

「そうだよ、そうだよ、そのとおりだよ。 この事は先生にも回にも誰にも言うなよ。 いいな、子貢」

「わかってますよ、先生にも回先輩にも誰にも言いませんよ!」

「きっとだな!」

「きっとですよ!」

「約束だぞ!」

「ええ、約束します!」

…………………

ここから舞台は別の場所に移りますぞ。
ここは子路行きつけの居酒屋「ざ・論民(ろんたみ)」で、うさ晴らしに一人で飲んでいる子路であります…

「え~、いまいましい。 子貢のやろうも俺様をばかにしくさって! 顔回と子貢に俺様をのけものにするとどんなことになるか思い知らせてやるわ! 今に見ておれ…」


諸君、この続きは明日また・・・では。
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風
女(おんな)の腐ったよう―ぐずぐず言って態度のはっきりしない男をののしっていう言葉。

2010年1月28日木曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート9

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)~論語創作ものがたり パート9」だ。

諸君、諸君の中で、「論語」に興味のない方々は、話はおもしろくないですな!
ついていけてないかもしれないが、「論語」というお題目を、決まり切った一視点のみで見るのではなく、上下、左右あらゆる角度視点から取り上げてみると、人の価値観は千差万別(せんさばんべつ)であることがわかる。
そして、自己を写す浄玻璃(じょうはり)の鏡として、自身が、時を超えて、現代の「論語人間ドラマ」を、今時のトレンディードラマの主人公を演じていると決めて、役柄になりきってみると意外と自分の今まで見えなかった、自分の別の一面に気づくかもしれない。
こんな自分もあったんだと、老若男女かかわりなく、個人の素直な感情として新鮮な感慨とともに新しい自分を発見されるだろう。
「不思議新しき自己発見!」
どうでしょう? 楽しみだね!

諸君も御存知のことかもしれないが、孔子先生には次の四つの欠点が無かったと言われている。
①自我の主観だけで憶測すること。
②自分の考えを正当化して無理に押し通すこと。
③一つの判断のみに固執して、融通がきかぬこと。
④自分の立場や都合しか考えぬこと。

これは論語の中の子罕(しかん)偏にある。
「子、四を絶つ。 意なく、必なく、固なく、我なし。」である。
これが、孔子先生の人間としての長所であるんですよ。
これ総合して、何と言うかと言うと、孔子先生、理屈っぽいと受け取る方もいるであろうが、私こと天風と同じく、案外、素直な心の人だということですよ。
この素直さがとても大切だと私は正直に思いますよ。
この素直さの大切さってね。
自己の天命の天分の自分を知る端緒(たんしょ)になるからですよ。
端緒って言うのは、糸口。
つまりきっかけになるんですよ。
ここらへんがわかると、ほんとのこと、正しい霊道が拓かれて、正しい霊感が自ずと受け取れるんですがね・・・

明日は、「論語創作ものがたり」の続きです。
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風

浄玻璃(じょうはり)の鏡
―(仏)地獄の閻魔王庁にあって、亡者の生前のすべてのおこないを残りなく映し出すという鏡。

2010年1月27日水曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート8

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)~論語創作ものがたり パート8」だ。

諸君、子路(しろ)と子貢(しこう)は年の差が21歳離れているんだね。
昔でいえば親子ほど年の離れた義兄弟という関係だね。
孔子先生と子貢は31歳離れているらしいからもう親子だね。
顔回(がんかい―回)とは子貢がわずかに1歳年下なんだね。
子貢にとっては先輩でありながら互いにいい意味でライバル同士というわけだね。

子路曰く、「おいおい、それで孔子先生は何と返答したんだ!」

「先生の意外な返答にとても驚いたんです。 思いもしなかった言葉を聞いたんですよ。 とてもうれしかったんです。」と子貢は答えた。

「おい、子貢よ、一人で悦に入ってんじゃないよ。 もったいぶらないで先生は何と言ったんだよ~。 早く言えよ、言わないと、ただじゃおかねえぞ、このやろう!!」

「子路あに…… 息! 息!ができませんよ。 苦し~い!」

「わるいわるい、ちょっと腹が立ってな、力が入っちまった。」

「子路にいさん! 殺されるかと思いましたよ。 いきなり首をしめるんだから・・・むちゃしないで下さいよ。 兄弟同士じゃなかったんですか?」

「そうだったな、それで先生は何と言ったんだよ。」

「『子貢よ、うん、そのとおりだ。 実は私も、お前同様なのだよ。』 『え~、先生も私と同じでせいぜい一を聞いて二を知る程度だとおっしゃるんですか?』 『そうだ、そのとおりだ。 何も私が先生とはいえ、回(かい)より人間ができているということではないんだよ。』 『先生、そうなんですか。』 『そうだよ、子貢よ、だからこうして一緒に共に学んでいるんじゃないか。』 『先生ぇ~え。 ありがとうございます。』 思わずじ~んときて、うれしくて涙がとめどもなく流れたんですよ。 こらえきれなかったんですよ、子路にいさん!」

諸君、この「論語創作ものがたり」の続きは明日また・・・では。
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風

2010年1月26日火曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート7

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)~論語創作ものがたり パート7」だ。

諸君、孔子先生が子貢(しこう)と〈仁〉について問うた、その後の孔子先生のお話からだったね。
「『子貢よ、そうすることにより相手の考えが自ずと見えてくるんだよ! 見えてくるというのは、相手が何を欲しているのか、また、本音と立前、真心と二心等が見えてくる。 相手を知って、相手の望むものがわかれば、相手にこびへつらうことなく、ことさら迎合する必要はないが、無用の争いを避けることも出来うる。 子貢よ、〈仁〉の道とは、万物の霊長たる人間としての歩むべき誠と愛とその調和の道だ。 時代性の変遷(へんせん)とともに人間の価値観も移り変る。 然(さ)れど人の本質は変らぬ。 〈仁〉の道とは、人格の生長および形成に最も大切な徳行の道でもあるんだよ。 子貢よ、回(かい)はその徳の道に至りつつあり、かなっているんだよ。 私はそう感じている。 子貢よ、お前は、回と自分とを比べてみて、徳の道を行くにおいて、どちらが上だと思うかね。 どうだろうよ?』と孔子先生に問われたんですよ。」

「それでそれで、おとうとよ、おまえ、何と答えたんだよ。」

「『はい、先生、私などは回先輩には、とても及びもつきません。 彼は一を聞いて十を知る人です。』 『そうかい、では、子貢よ、おまえは率直に自己分析して、どの程度だと思っているかい?』 『はい、先生、私は回先輩と比べれば、せいぜい一を聞いて二を知る程度です。』と答えたんですよ。」

諸君、この「論語創作ものがたり」の続きは明日また・・・では。
今日一日、真我とともにあらんことを


天意天風
      
二心(にしん、ふたごころ)-①敵対したり謀反したりする心。 ②疑いの心

2010年1月25日月曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート6

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)~論語創作ものがたり パート6」だ。

「なあ、子貢(しこう)おとうとよ!!」


「なんですか、子路(しろ)にいさん。」

「おとうとよ!! おまえ実のところ孔子先生に何と言われたんだい!! この間、ずいぶんと落ち込んでいたじゃないか?」

「ああ、そのことですか? あれは、顔回(がんかい)先輩のことですよ。」

「顔回のことって何だよ?」

「孔子先生に問われたんですよ。」

「何をだよ? まどろこしいなぁ~、子貢、はっきり言っちまえよ!」

「にいさん、そう、むきにならないで下さいよ! 孔子先生と私、私と先生、二人で世間話をしていたんですよ。 先生が『子貢よ、〈仁〉について子貢の存念を述べてごらんなさい。』と言われたものですから、ここぞとばかりに、私のいつも心に思っている〈仁〉の心の在り方、考えを述べたんですよ。」

「ほ~、それでおとうとよ、おまえ何と言ったんだよ!」

「私、子貢の存念は政事を為す者としての立場からの〈仁〉であります。」

「なるほど、子貢よ、君は、為政者の立場としての立脚点に立ってということでの〈仁〉ということだね!」
「はい、そうです。 『本来の君子を目指しての為政者としての在り方の命題がテーマであります。』と先生に申し上げたんです。」

「それでそれで、おまえ孔子先生に何と言ったんだよ。」

「はい、人民を貧窮から救い、生活を安定させることができたら、どうでしょう、これこそ〈仁〉ではありませんか?」

「それで、先生は何と答えんたんだ?」

「子貢よ、そこまでいけば、それはもう〈仁〉どころではない! 堯(ぎょう)、舜(しゅん)でさえそれを成就できなくて悩んだんだ。 〈仁〉はこの世に生ある人としてなすべき尊い道でもあるんだ。 子貢のいうところの為政者の立場から見たならば、君子は自分の名誉を大切に思うなら、他人の名誉を重んずるべきだ。 天は人間をして創造の自由を本性において与えられているのが人間なんだ。 自分が自由でありたければ、まず他人の自由を重んずる。 こうして自分を常に為政者と限定することなく、本来の万物の霊長たる人間として、他者の立場として客観的において考察し、まず天より与えられた人間本来の自由性を認め、自分が認めてもらいたいのであれば、まず他人の自由性を重んじること。 こうして、自分を常に他人の立場に置いてみること。 子貢よ、それが〈仁〉の道なのだよ。 何故それが〈仁〉の道なのか? そうすることにより相手の考えが自ずと見えてくるんだよ!」

諸君、この「論語創作ものがたり」の続きは明日また・・・では。
今日一日、真我とともにあらんことを


天意天風

為政者(いせいしゃ) ―政治を行う人。

2010年1月24日日曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート5

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)~論語創作ものがたり パート5」だ。

「なあ、子貢(しこう)よ、孔子先生だいたい言っていることがおかしいぜ。 『回(かい)を見習え、回を見習え』って言われても、顔回(がんかい)みたいなやつがこの世の中に何人いるんだよ。 だいたい〈一を聞いて十を知る〉ことができるのは、孔子先生か天風先生か、シャカかキリストか、カリアッパ大聖者か、石塊(いしころ)みたいに、そうそうごろごろころがっているものじゃないぜ。 やつはある意味〈玉(ぎょく)〉、天才だよ。 そんなやつ見習えったってなれるもんじゃないぜ。 いちいち回と比較されるんじゃ、アホらしくてやってられないぜ。 おまえ、孔子先生にこの前なんか言われたんだってな。 子貢よ、おまえなんて言われたんだよ。 俺は口がかたいから安心して正直にはいちまえよ!!」

「子路(しろ)先輩、お言葉ですが、先輩が一番信用できないんですが・・・」

「なにぃ! おまえ、何言ってんだ!! アホヌカセ!! 俺はこう見えても信用第一義が信条なんだ。」

「お言葉をかえすようですが、でも、そう言いながら、孔子先生と顔回に不平不満&嫉妬して、グチっているようでは、私のことを他の塾生にも必ず『子貢はグチってた』って言いふらしますよ。 お~こわい! あぶない!あぶない! くわばら!くわばら!」

「なに~い、俺は〈孔子先生、命!〉なんだ。 おまえ言って良いことと悪いことがあるんだぞ! そんな孔子先生に対して不平不満があるわけないだろうよ。 だいたいだな、俺は〈孔子先生、命!〉だからいいとしても、君子たるもの、塾生に対しては、皆、わけへだてなく平等に扱わなければ君子とは言えないじゃないかい? 子貢さんよ、貴殿はどう思われるかな?」

子貢答えて曰く「多少の矛盾もなくもないですが、そりゃそうだねえ。 子路先輩、たまにはいいこと言うじゃないですか! 見直しましたよ。」

「おいおい、『たまには』はないだろう! じゃあいつもは、バカなこと言ってるみてえじゃないかよ! まぁ~、そんなことはどうでもいいぜ。 おまえと俺との仲だよ、先輩後輩抜きにして、この際『子路にいさん、子貢おとうとよ』でいこうぜ!! どうだい!!」

「なんかピンとこないですが、子路にいさん、今後ともよろしくお願いします。」

「まかしておけ、子貢おとうとよ!!」

諸君、この「
論語創作ものがたり」の続きは明日また・・・では。
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風