諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)~論語創作ものがたり パート14」だ。
諸君、子路(しろ)、顔回(がんかい)、子貢(しこう)の共通点は、本気で君子たる者になろうと真剣に目指していた。
君子とは、学識、人格ともに優れ、徳行の備わった人物を指して言う。
諸君は、そんな君子になんかなれっこないと、はなからあきらめてそう思われるでしょうかな?
孔門の門人は君子を目指しているからこそ、その日常の行いが活き活きとした人間の向上欲求とともに学ぶべき人間の教訓ドラマになっているんだね。
子路、大先生になりきって曰く、
「『君子たるものであるならえこひいきはよろしくないね。 門人に対して示しがつかなくなる。 子貢、おまえの言う通り、回のやつも先生が可愛がることをよいことに先輩を差し置いていい気になっていやがる。』 この際ここらへんで孔子門人を代表して回に百を聞いて一を知るように気づかしてやろうと思ってね。 これも後輩に対する子路大先輩の愛のムチってやつだな。」
「ほぉ~、そうでやんすか。 子路先生となるとさすがに御心労が多いですね。」
「あったぼうよ。 大勢の門人諸君をまとめていかにゃならん立場だからな。 そこでだ、貴様、名前は何といったかな?」
「えっ? 私のことですか?」
「名前は何というと聞いておる。」
「はぁ~、何でもいいんですが・・・」
「何でもという訳にはいかんから、子路大先生が君に名前をつけてあげよう。 神田の北京ダックで略して『神北(かんぺき)』ってのはどうだい?」
「子路先生、『神北』っていい名ですねぇ。」
「そうかい、では、姓は京(きん)、名は田(でん)、字(あざな)は神北(かんぺき)にする。 いいな。 よく覚えておけよ。」
「へぇ、あっしはのみこみが早いほうで。 姓は京、名は田、字は神北。 よござんす。 覚えました。」
「俺も、自慢じゃないが孔門の子路様だ。 後輩門人連中に直接こんな話できないから、神北君、門人連中にまぎれこんでこの話を完璧に流してくれないか。 それとな、門人連中に顔回と口をきいてはいけない、完璧に無視するように必ず伝えるんだぞ。 いいな、神北。 引き受けてくれたら、また「ざ・論民(ろんたみ)」でご馳走するぜ。 お小遣いもあげちゃおうかな?」
「神北、一飲一飯の恩義、喜んでやらせてもらいます。 子路大先生様。」
この物語の続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)~論語創作ものがたり パート13」だ。
諸君、どうやら子路(しろ)は軽率なところもあるが、なかなか政治的な人事のかけひきに優れていたところがあったようだね。
子路、居酒屋「ざ・論民(ろんたみ)」で曰く、
「実はなあ、孔子先生の門人の中でも一番二番を争うえらく頭のいい俺の後輩二人がいるんだがな。 俺様より格下で有名人じゃないがな! おまえも名前ぐらい聞いたことがあるだろう、孔子様の高弟として有名な二人なんだ。」
「へぇ~、そりゃそりゃすごい方々ですねぇ。」
「ま~そうなんだがなぁ。 この一人の子貢(しこう)というのが頭は切れて話もうまいやつだが、女の腐ったような男でな、愚痴が多いやつなんだ。 まあ先輩思いのいいところもあるんだがな。」
「ほぉ~それで?」
「孔子先生がもう一人の俺の後輩の顔回(がんかい)ばかり可愛がるもんだから子貢がひねくれちゃって顔回に嫉妬しているんだよ。 まぁ、男の焼きもちってやつだな。」
「ほぉ~それで?」
「子貢のやつが、『子路大先輩、折り入ってご相談があるんです。』と訊ねてきたんだよ。 その相談ってのが『先生は顔回先輩ばかり可愛がってこれみよがしに身贔屓するんですよ。 確かに一つ年上の先輩ではありますが、先生の身贔屓は他の門人から見ても露骨すぎると思うんですが、門人にも顔回先輩と同じ境遇の貧乏暮らしの者がいるのに・・・。 回先輩は、三度の食事は盛りきり飯に汁一杯。 住居はっていうと路地裏のあばら家。 並みの人間なら音(ね)を上げそうな超貧乏暮らしのくせに、心情は心は錦、微動だもしない。 〈まったくもって偉い男だ。 回は偉い。 回は偉い。〉 すでに昔のことであるにも関わらず先生は口癖のように私に言うんですよ。 これは明らかに、回への身贔屓、えこひいきですよ。 同門の門人塾生でありながら、不平等ですよ。 君子たるもののとる態度でありましょうか?』と子貢が俺にぐちる!ぐちる! 本音は先生に回より上だと認められたい子貢の嫉妬なんだがね。 他ならぬ尊敬する子路大先輩に『相談にのってくれ』とお願いに来た訳なんだ。」
「ほぉ~それで、子路大先生は、何とお答えなすったんですか?」
この物語の続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)~論語創作ものがたり 番外編―論語と鬼」だ。
諸君、本日は立春であります。
日に日に日が伸び、春の訪れは陽気とともに暖かく心地よく感じられる。
昨日の節分は2月1日よりの3回目、鬼(おに)について話をしてきた。
諸君、論語の中にも鬼が出てくるのを御存知であろうか?
知っている人は知っているであろうが、知らない人のためにせっかくの機会であるから話をしよう。
樊遲(はんち)、知(ち)を問う。
子曰く、「民(たみ)の義(ぎ)を務(つと)め、鬼神を敬してこれを遠ざく。 知と謂(い)うべし。」
仁(じん)を問う。
曰く、「仁者(じんしゃ)は難(むずかし)きを先にして獲(う)ることを後にす。 仁と謂うべし。」
樊遲が「知」とは何かと孔子にたずねた。
「われわれは、ややもすれば万物の霊長たる人間を超えた存在に頼る気持ちをおこしがちだ。 しかし、まず万物の霊長たる人間としてやらねばならぬことは何なのかと考えること、それが本来の『知』だ。」
樊遲はさらに、「仁」についてたずねた。
「万物の霊長たる人間として正しいことは、たとえ労多くして功少なしと知っていても、あえて挑戦し実践する態度、それが仁なのだ。」
孔子先生が二千五百年前よりその当時から鬼神と述べている通り、それ以前から中国にも鬼という存在があったんだね。
また、こんな論語の論語たる有名な成句もある。
子曰く、「その鬼(き)にあらずしてこれを祭るは諂(へつら)うなり、義を見てせざるは、勇なきなり。」
祭る理由のない神々(神霊)を祭るのは、万物の霊長たる人間本来の天より与えられた主体性の尊厳の放棄である。
勇気をもって万物の霊長たる人として行うべきを断固として行うべきなのだ。
また鬼は論語以外にも出てくるんだ。
「断じて行えば、鬼神もこれを避(さ)く」史記李斯伝(しきりしでん)に出てくる有名な一節である。
この意味は強く決心して、そして断行すれば、立ちふさがって通せんぼしている鬼神も道を避け、意志どおりになることを言っている。
万物の霊長たる人間の意志の力のすごさをよく表している言葉ですな。
真理から論断してもまったくこの通りですな。
本日はこれまで。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「鬼さんの誤解をとく、鬼の目にも涙のいい訳 パート3」だ。
諸君、本日は立春の前日イブにあたる節分であります。
鬼さんの誤解を解く「鬼さんの誤解をとく、鬼の目にも涙のいい訳」ラストですね。
鬼神と言って荒々しい神は人の目に見えず超人的な力を持つ存在のことであるそうな。
日本古来より人間と鬼とは深く関係しているんですよ。
鬼に関する言葉が多いのもその証です。
幽界四次元とその系統系列に鬼霊界があり、数珠つなぎで、その上層に鬼神神霊界なるものが存在しているんですよ。
そして鬼を眷属(けんぞく)として束ねて司っているんだ。
特に仏教的な影響を受けた日本は古来の神道と融合して、日本各地に鬼の伝説や鬼の地名、鬼の祭りとして残っている。
江戸時代には特に大名などの大家では棟の先端に取り付ける一対の鬼瓦(おにがわら)を専属の鬼師に作らせていたんだよ。
見たことあるかな?
鬼の厳(いか)めしい形相がいかにも怖くも感じ、はたまた、建物全体から見れば鬼瓦があることでどっしりとした重厚感も感じるね。
例えば、そんな大家に雇われている専属の住み込みの鬼の一家があるとする。
今時で言う、「セコムしてますか」の警備保障会社と契約をしているようなものだ。
それが目に見えない鬼警備保障会社なんだがね。
特にその会社は鬼門と裏鬼門を警護する仕事なんだ。
おもな仕事はっていうと、悪霊、怨霊のたぐいから百鬼夜行といって妖怪、魑魅魍魎(ちみもうりょう)、幽霊と夜中に徘徊してくる者たちを鬼門や裏鬼門から勝手な侵入を防いだり、阻止して護ることが職務であり任務であるんだ。
侵入を防ぐために鬼瓦を高い所に据えてあるのは、どこから見ても分かりやすく、「すでにこの大家には専属の鬼の番人が常駐してますよ」ということを鬼等の関係各位に事前に知らしめるための目印(めじるし)であるんだ。
つまり、「セコム鬼看板」みたいなもんですな。
諸君、鬼に金棒という成句は、ご存知でしょうよ。
ただでさえ強い鬼に、金棒を持たせると、強い者がさらに恐ろしく強くなるという意味だね。
日本の警察官も警備員も腰に警棒を携帯しているね。
あれのもっと強力な金棒を持って、門に立っていられたら、正直恐いよな!
だが、反対にこんな強く怖い鬼さんが警備員として立ちはだかって護ってくれたら安心というものだね。
別の鬼さんが鬼門から侵入しようとしても、互いに鬼同士であるから
「ここは俺が雇われている大家だから、ここに侵入するのはやめてくれ!」と言えるよね。
「ここはプロの鬼警備保障のオニセコムに加入しているから、鬼警察と〈つうかあ〉何だぜ。 すぐにおまえ、捕まっちまうぜ。 オニセコムのステッカーの貼ってない家に行ってくれや。」
「そうか、赤鬼、お前はそこの会社に就職していたのか? よかったな!」
「そうだよ、よかったよ。 家族を養っていかにゃならんからな。 おまえはどうしてるんだよ?」
「俺か? この不景気で、ハローワークに行っても就職がないんだよ! アルバイトもないんだよ。 できたら俺もおまえの会社に入れてれないかな? 俺んちの鬼嫁がうるさいんだよ。 『あんた、生活どうするの? うちは鬼子が3人いるんだから、さっさと仕事見つけてきなさいよ!』 恐ろしく怖い嫁、もらっちまったぜ。」
「そうかい。 あんたもいろいろと大変なんだな。 ここで会ったよしみだ。 俺の直の上司の青鬼の中村さんに聞いてみるよ。 中村さん、仕事のオニで厳しい人だが、涙もろい慈悲の心のある鬼部長さんなんだよ。 携帯電話と住所だけ書いていってくれや。 必ず連絡するから。」
「恩にきるぜ。 よろしく頼むな。」
鬼と鬼の関係でも、人と人の関係でも同じでね、お互いにわかっていたら無用な争い事は避けたいものですよ。
まぁ~鬼様も諸君同様に鬼としての役目と役割とその職務を全うして働いているんですよ。
人間と同様に鬼一族の全員が悪いことをするということではないことを言っておきたい。
善良な鬼様も大勢いらっしゃいますよ。
せっかくの丑から寅への節分のこの機会でありますから、鬼の誤解を解くとともに、節分のこの日に知っておいて下さいな!
では、この回はこれまでに。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
諸君、関東はめずらしく大雪だったね。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「鬼さんの誤解をとく、鬼の目にも涙のいい訳 パート2」だ。
鬼とは醜悪(しゅうあく)な形相と恐るべき怪力をもち、人畜に害をもたらす、想像上の妖怪とされている。
牛の角を生やし、寅の皮のふんどしをつけた姿で表されている。
今時なら,ふんどしじゃわからない人がいるだろうから、寅の皮のパンツだね!
陰陽道(おんみょうどう)で丑寅(うしとら)(北東)の隅を「鬼門」と言って、鬼の集まる所と考えられたためということになっている。
昨年が丑(うし)年で、今年は寅年であるから、艮(うしとら)で鬼が大いに活躍する年となるということですかな?
こんな年回りは、恵方巻きを食べるより、鬼になりきってトラがらのパンツをはいたほうがさまになるんじゃないかな?
方位除けトラ柄トランクス、ユニクロで販売したら、買う人けっこういたりしてな。
まぁ~、これも冗談ですがね!
子供の頃、「鬼ごっこ」という遊びをしたことないですかい?
また子供のことを「餓鬼」とも、「くそ餓鬼」とも言って悪態をつきませんかい?
その親分を「餓鬼大将」ともいうよな!
鬼は子供の頃より、日常的に登場する、本当は親しみある愛すべき存在と思うがね!
秋田県男鹿半島などで、小正月に来訪神を迎える行事は知っているかな?
正月の十五日に数人の青年が大きな鬼の面をかぶり、蓑(みの)をつけ、木製の刃物、御幣(ごへい)、桶などを持って家々を訪れて祝福の言葉を述べ、酒食の饗応を受ける年中行事であり、風習だね。
子供にとっては、恐ろしく迷惑な行事であろうが、この鬼の面をかぶった「生剥(なまは)げ」は、家々を守る土着の神霊に他ならないだろうよ。
感謝こそすれ、「生剥げ」の目に豆をぶつけることはしないはずだよ!
風習が変わると鬼に対するとらえ方がずいぶんと変わるね!
鬼(おに)が云(い)うと書いて「魂(たましい)」と読むね!
ここでも鬼が出てくるんだね!
また親に似ぬ子は鬼子(おにご)というそうな!
諸君は親に似ていますかな?
この話の続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「鬼さんの誤解をとく、鬼の目にも涙のいい訳 パート1」だ。
「月日は百代の過客にして、行きかふ年も又旅人也」
諸君、早いもので今日から2月です。
本日の1日から3日の節分まで、「論語創作ものがたり」は、ちょっとお休みします。
小休止です。
時節柄、テーマは「鬼さんの誤解をとく、鬼の目にも涙のいい訳」と題して、人間の自分勝手な誤解において風習化された、豆ぶつけられっぱなしの悪者役、嫌われ者役の鬼様の一部誤解をとくことにする。
節分には柊(ひいらぎ)の小枝に鰯の頭を刺して戸口にさし、炒った豆を悪疫退散、招福の行事を行う風習が昔からあったんだね。
そのことからも、「鰯(いわし)の頭(あたま)も信心から」と申しますな。
「鰯の頭のように取るに足らないものでも、信ずる気持があれば尊いものに見える。」という意味でしょうか。
まあ、昔はその時期、寒さのせいもあって、風邪やインフルエンザなどの感冒にかかりやすく、また広がりやすかったんでありましょう。
鰯じゃなくて、サンマや鯖の頭じゃだめなのかねぇ。
鰯より頭の大きいカツオやマグロならもっと効果がありそうだがね!
ま~これは、冗談です。
どちらにしても戸口に刺したんじゃ魚臭くって、人間様の方が退散してしまうんじゃないかな?
最近、巷では、太巻き寿司一本をまるごと今年の良い方位に向けて、一気食いすると今年一年恵みを得られるという「恵方巻き」なる太巻き寿司をスーパーでもコンビニでも宣伝しているとか・・・
商売とはいえ、いろいろとあの手この手と考えますなぁ・・・
数年前までは関東にそんな習慣はありませんでしたね。
ところで、鬼様は、いつから人間に嫌われるようになったんでしょうかね?
鬼様は人間に豆ぶつけられるようなどんな憎まれることをしたんでしょうかね?
「鬼」イコール「ワル」。
「鬼」イコール「退治するもの」。
そうすると、渡る世間は鬼ばかりだそうな!
諸君も、渡る世間の鬼の仲間かもしれませんぞ!
渡る世間の鬼は、誰が退治するのかねぇ?
桃太郎か、桃太郎侍でしょうかね?
この話の続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)~論語創作ものがたり パート12」だ。
居酒屋「ざ・論民(ろんたみ)」で子路(しろ)曰く「おい!おい! おまえ、だれだったっけ? 見たことのない顔だな? 孔子先生の弟子はたいがい俺のとこにも挨拶にくるから顔は見知っておぼえてるんだがなぁ~。 どうもお前の顔、見覚えがないな。 おまえいつから、先生の弟子になったんだい?」
「へへへへへ、おそれいります。 実は今日からです!」
「何ぃ! 今日からか、そうか、先生から聞いていないが今日からか、そうか! ほやほやの新入りだな!」
「へ~、そうなんです。 それもちょっと前の夕方からです!」
「何~ぃ? 夕方からか?」
「へ~、さようで。」
「おかしいなぁ君は、孔子先生に門人の許しを得たのか?」
「いいえ!」
「何ぃ! 門人になりすましたのか? 事と次第によってはただではおかぬぞ!!」
「ちょっと、ちょっと、待って下さい! 子路先生!!」
「先生だぁ? 貴様に先生などと言われる筋合いはないわ!」
「いえいえ、ちょっと、聞いて下さいよ、子路大先生様!」
「大先生? 俺がかい?」
「そうですよ、子路大先生様ですよ!」
「う~ん、悪くないね もう一度言えよ!」
「はい、何度でも、子路大先生様!」
「それでどうして貴様がここにいるんだ? 訳を言え!」
「はい、ちょうどPM5:00にここの店先を通りかかりましたら、人だかりがありましたもので、何の人だかりかと思いましてね、近寄って聞いてみましたら、孔子様の第一の門弟(もんてい)の子路様が門人を集めて慰労会ということで、飲み食いタダのご招待と聞きまして、私もぜひ、今宵だけ門人の仲間にさせてもらえないかと思いまして積極的に加わった次第でございますよ!!」
「貴様、門人でもないのに、ずうずうしいやつだな! たかるつもりであったのか?」
「いえいえ、そうではございません。 子路大先生様、先生のお噂は、かねがねお聞きしております。 一度、子路大先生にお会いしたくて!」
「それは本当か?」
「へえ、本当です!」
「そうかい、そうかい。 貴様もまんざら悪い奴ではなさそうだな。 よし、わかった。 ま~、今宵かぎりの門人ということで、この子路先生が特別に許してやる。 それで、おまえ、どこの生まれだい?」
「はい、私は、出身は、北京なんですよ。」
「おお~そりゃすごいな、大都会だな。」
「はいそうなんです。」
「それで、北京のどこだい?」
「はい、北京の神田の生まれなんですよ!」
「何い、北京の神田かぁ、それじゃ、生粋の北京神田っ子じゃないか!」
「はい、実は親子三代北京の神田っ子なんですよ!」
「四代目の私がちょっと離れちゃったんですがね!」
「そうかいそうかい、貴様にもいろいろ事情があったんだな。 遠慮しねえで、食いねえ食いねえ、寿司食いねえ。 フカヒレも、北京ダックもあるでよ!」
「ありがとうございます! 遠慮なくごちになります。」
「おまえも、タダ飲みタダ食いしちまったからには一飲一飯(いっぱん)の恩を感じるよなぁ?」
「はい、そりゃもう、ありがてえっす、子路大先生!!」
「まあ、飲みねえ~。 ここで会ったよしみだ。 そのよしみでおまえに頼みがあるんだが・・・」
「何でしょう、子路大先生!!」
この物語の続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風