新年あけましておめでとう御座位ます。
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート343」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
顔回(がんかい)独り言をつぶやいて曰く、「最初に出されたものは・・・ 何と“かけラーメン”でした。 子路(しろ)先輩もお金がないのに、無理してここへ連れて来てくれたんだと思ったんですが・・・ 『おい、新入り! 何故最初がこの“かけラーメン”かわかるか?』と問われたんですよ。 ・・・私は、『わかりません!』と返しました。 ・・・子路先輩は、『おい、新入り、何故“かけラーメン”なのか教えてやろう! 忘れずに覚えておけよ! お前、“一杯のかけそば”の話を知っているか?』 (顔回)『ハイ先輩、うるおぼえですが、知っております。』 ・・・(子路)『それだよ! 師走の暮れの大晦日の日に三人の親子連れが閉店間際、店に来て一杯のかけそばを注文した。 母親と二人の男の子の三人の親子連れで、一杯のかけそばを互いに分け合って“おいしいね!おいしいね!”とかみしめて食べた話なんだ。 俺は、その味は親子にとって決して忘れることが出来ない幸せの味がしたと思うんだ。 俺は、年の暮れになると二~三日何も食べない日をつくっている。 何のためかと言うと、若い頃に空腹でひもじい思いをした日を忘れないためだ。 新入りよ!俺の一杯のかけラーメンの話を聞いてくれ! 若い頃の年の瀬のある日、寒さと疲労とひもじさで意識が遠のいて気絶してしまった。 道端に倒れた俺を親切な親子が担ぎあげて自宅に連れて来てくれたことがあった。 その家は、すきま風が入る、寒い家だった。 火の近くに寝かせてくれて、俺は意識を取り戻した。 その時に、“何もないですが・・・”と言われて、アツアツのインスタントのかけラーメンを御馳走になったんだよ。 いまでもその味をしっかり覚えている。 このかけラーメンは、間違いなく日清のチキンラーメンだ。 この一杯のかけラーメンで、俺は人の情けを受け、生きる力を得たんだよ。 新入りのお前を見ていると、その頃のことがふっと思い出されてな! 救ってくれた親子に感謝して、せめてもの恩返しの真似事を新入りのお前にしているだけだ。 何故“一杯のかけラーメン”なのかの謎が解けただろう! さあ、遠慮しないで食えよ! 金なら心配いらねえから・・・』」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート342」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
ここはお馴染み「本音で語り合える対話処、居酒屋『ざ・論民』」の正面玄関の前です。
時刻は、定刻の30分前であります。
一番乗りしたのが顔回(がんかい)です。
手に一枚のチケットを握りしめています。
どうやらこのチケットは、生ビールピッチャーの一気飲みに成功した際に頂いた、「飲食50%off」チケットです。
顔回独り言をつぶやいて曰く、「こんなに早くこのチケットを使えるチャンスが来るなんて、私は何て運のいい男だ! この機会を頂いたことを、天にまします神に感謝します! 後2~3日遅れれば、このチケットは、天井の隙間に貼られていたことだろう! いやいや、穴のあいた襖を埋めていただろう! いやいや、私のブロマイド写真と一気飲みに成功したおり頂いた私の汗と涙付チケットといっしょにすれば、いずれは、かなりのプレミアがつくはずだからこのまま額に入れてしまっておいたかもしれない! しかし、今夜はいい気分だ。 先生が私の為に相続祝いの宴を開いてくれる。 支払いは、全部先生持ちだそうだ。 先生と私は親子も同然! これで先生の負担を半分に減らすことが出来る。 これで先生に恩返しが出来る! ・・・実のところ私は、子路(しろ)先輩や子貢君がうらやましかった。 思い出せば、私がまだ弟子になりたての頃に、先生の講義中に気を失って倒れたことがあった。 その時、子路先輩が抱きかかえて近くの病院に連れて行ってくれた。 点滴を受けて寝ているそばに来た先輩は、『お前、飯食ってないんだろう! 腹が減り過ぎて気絶したんじゃないか? 点滴なんかしているより、これから飯でも食いに行かねえか?』 そう言ってくれたんだ。 私は無一文で、返事が出来なかった。 『おい、新入り、金の心配はするな! この子路様が、お前に腹いっぱい食わせてやる。 すぐ出かけるからさっさと起きろ!』 私はひとから、こんな優しい言葉をかけてもらったことがなかった。 思わず涙がこぼれ、頬をつたうままにしていた。 『先輩! まだ先生の講義中じゃないですか。 帰らなくては先生に叱られますよ!』と言ったんだ。 ・・・先輩は、『どうせそんな体で、講義を聞いても身に入らなきゃ力も出ないだろうよ! 講義は、またの機会もある。 今、飯を食わなきゃ講義どころじゃないぜ。 いいから、俺に任せてついて来い!』 ・・・それで近くの中華屋に行ったことを今でもはっきり覚えている。 ・・・バーミヤンという店だった。 ・・・そこへ行くと先輩は、『おい、新入り! 腹が減っていれば味わって食べやしないだろうよ! とりあえず腹の中に押し込むのが先決だからな! 高いもの食わしたって、ものの味がわかりゃしねぇってことだ! 出された物は、皿以外は何でもいいから感謝して全部食えよ! いいな。』 ・・・今でもその光景を思い出すと、胸が熱くなって勝手に涙がこぼれてくるんです。」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート341」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
神北(かんぺき)曰く、「いいえ、先生の門人として御縁を頂けることが出来たのも、子路先輩のお陰です。 お礼を言うのは私の方です。 先生、子貢(しこう)さん、ありがとう御座位ます。」
子曰く、「では、ちょうどキリのいい頃あいだ。 君たちもいろいろ段取りや手配もあるから、これでお開きにしよう! では、子貢、神北、よろしく頼む!」
子貢、神北同時に答えて曰く、「承知しました!」
そんなことになっているとは知る由もないのは、子路(しろ)と顔回(がんかい)であった。
論語・先進篇に孔子が子路に思いやりの気遣いと自己反省をしているところがある。
子曰く、由(ゆう)の瑟(しつ)、奚為(なんす)れぞ丘(きゅう)の門に於てせん。 門人、子路を敬せず。 子曰く、由や堂に升(のぼ)れり。 未(いま)だ室に入らざるなり。
私が以前に、「子路の琴の音は荒っぽくていただけないね」と言ったことがあるんだよ。 そうしたら、後輩の弟子たちが子路を軽く見るような素振りを見せ始めたんだ。 「これはいかん!」と思い、私は言ってやったんだ。
「お前達は、考え違いをしているよ。 子路の腕は一級だよ。 まだ奥義(おうぎ)を究(きわ)めていないだけのことだ。」とね。
教育者や指導者は、弟子たちの前で他の弟子を批判する際には、よくよく気を付けて言葉を選ばないといけないと、つくづく反省した次第だよ。
師の何気ない発言がもとで、子路の嫉妬騒動となった。
教育者や指導者、また上に立つ者の、一挙手一投足も含めて、自らに戒められているのですな!
さて、いよいよ「論語創作ものがたり」の最後の舞台となる居酒屋「論民」に話を移そう!
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート340」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
子曰く、「先ほどの子路(しろ)を真の友人として生涯お付き合いを願いたいとする、神北(かんぺき)の存念を聞いていなかったね。 私もそこはぜひ聞いておきたい!」
神北曰く、「昨日の塾生の総合講義の中で先輩に呼ばれ演台下に立たされた時、私は子路先輩にホトホトあきれかえりました。 その折、自分が指図しておいてバラさなくていいことまで全部バラしてしまい、まったくもって・・・ どういう神経をしている方なのかとあきれかえるやらバカらしくなるやらでしたが・・・ ふっと私の胸に熱いものがこみ上げてきたんです。 ひょっとして、この人は、バカがつく根っからの正直者で、御自身の良心に順って生きているのではないかと・・・ そして・・・苦しくなると・・・自然に良心に従って自分から正直に本心をさらけ出す人だと・・・ 人を駆け引きに使い、利用するか、騙してきた私にはとても理解できない持ち主です。 しかし、子路先輩は、根から人を騙し陥れるような悪(ワル)にはなれない人です。 先生と同じように後輩であろうと真の友人となれば、命をかけて守ろうとしてくる人です。 暴力的で気ちがいじみたところも持ち合わせていますが、真の友人として本当に受け入れてくれたなら、こんな強い味方は得られません。 その代わり、一たび裏切れば、こんな怖い方はいません! 人の理屈で生きている方ではありませんから、常人の理屈や道理は通用しない方です。 私の身を置くところは、『人を信用するな!』が当たり前の事で、子路先輩のように暴露行為をすれば、裏切り者としてすぐに地位を追われ、干されて、下手をすれば命取りにもなりかねません。 はちゃめちゃな子路先輩ですが、命がけで付き合ってみたいと思ったのは、自分を曲げてまで命は欲しくないと覚悟を決めているところです。 そんな子路先輩の心意気に惚れたんです。 それが私の答えです。」
子曰く、「神北! 子路を理解し、受け入れてくれたようだね! 私から子路にその話をさせてまらうよ! 神北! 礼を言わせてもらう。 ありがとう。」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート339」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
神北(かんぺき)曰く、「私は、子路(しろ)先輩に会った日から、姓は京(きん)、名は田(でん)、字(あざな)は神北になりすましたんです。」
子曰く、「子路は、神北に『何をせよ!』と命令したのかね?」
神北曰く、「はい、先輩曰く、『俺も、自慢じゃないが孔門の子路様だ。 後輩に直接子貢(しこう)への嫉妬の話は出来ないから、神北!、門人連中に紛れ込んで、いい気になっている回(かい)へ制裁する。 まずは、手始めに“顔回(がんかい)と口をきいてはならない! 完璧に無視するように。 子路大先輩の命令だ!”と伝えるんだぞ。』と言うことです。」
子曰く、「そうであったか! このごろの子路の様子がおかしかった訳がわかったよ!」
子貢曰く、「様子がおかしいとは・・・?」
子曰く、「いや、毎日私のところへ顔を出していた子路が、私を避けるように塾へも、ここにも来なくなったんだよ。」
子貢曰く、「子路先輩がそんなことをしていたとは・・・」
子曰く、「それで神北は、もくろみ通り、弟子として潜入したと言うことだね!」
神北曰く、「はい、その通りです。」
子曰く、「これでこの度(たび)の事のいきさつがわかりました。 神北、よく話してくれたね。 回に一番嫉妬していたのは、子路ということだ! 神北を使って回に対してパワーハラスメントをしたということだ! まったく、子路とは、単細胞でわかりやすい男だ! しかし、こまったものだね!」
子貢曰く、「先生、私は、先生の事を他の者にとやかく言っておりません。 もしそのような事があれば、直接先生の前で話します!」
子曰く、「言った、言わないと尾ひれが付いて、本人のいない所で嫉妬劇はおきるものだよ! しかし、私に対する弟子同志の嫉妬劇だから私も反省をせねばならぬな! ・・・神北、今宵の子路はどこにいると思うかね?」
神北曰く、「今夜あたりは、いつもの居酒屋「論民」に飲みに行くはずです。 いるとすれば、そこ以外にありません。」
子曰く、「神北、そうであれば、私がそこへ行こう!」
子貢曰く、「先生がわざわざおいでになるんですか?」
子曰く、「そうだ! 神北、子路は何時ぐらいにそこへ行くかね?」
神北曰く、「そうですね~。 いつもですと概(おおむね)、7時~8時の間ですね。」
子曰く、「子貢よ、すまんが今宵の7時から5名の個室の予約を入れてくれたまえ! 料理は子貢に任せる。」
子貢曰く、「はい、かしこまりました。 早速手配しておきます。」
子曰く、「それと、回に7時10分前に『論民』に来るように伝えてくれ! 今夜は、回の襲名祝いと、子路の慰労を兼ねて私が主宰の宴を設けるとする。 子貢、神北の二人は、この宴の幹事を引き受けてくれたまえ!」
子貢、神北同時に答えて曰く、「はい、了解しました。」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート338」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
神北(かんぺき)曰く、「はい、子路(しろ)先輩は、声色(こわいろ)をいきなり変えるんです。孔子先生になりきって、先生の声色を真似て話していたと思います。」
子曰く、「何! 私の声色を真似て話したのか?」
神北曰く、「はい、私はその時には、先生にお目にかかってはいませんでしたから、先生のものまねとはわかりませんでした。 ところが翌日に先生に会って話を聞きながら・・・子路先輩は、先生のものまねをしていたんだとわかりました。」
子曰く、「神北、そんなに私に似ていたのかい?」
神北曰く、「それは上手いものですよ! 先生の話し方、話の間合、所作まで、かなりよく似ていました。」
子曰く、「子路は人前で私のものまねをしているのだね! ま~、今度会ったら、私の物まねを見てみたいものだ。 それはそれとして、子路は何と答えたのだね。」
神北曰く、「『君子たるものであるならえこひいきは、よろしくないね。 門人に対して示しがつかなくなる。 子貢(しこう)、お前の言う通り、回(かい)の奴も先生が可愛がることをよいことに、先輩を差し置いて、いい気になっていやがる。 この際、ここらへんで孔家門人を代表して、回に百を聞いて一を知るように気付かしてやろうと思ってね。 これも後輩に対する子路先輩の愛のムチってやつだな。』と話してくれました。」
子曰く、「神北! 私の声色は真似ても、私はそんな下品な言葉は吐きませんぞ!」
神北曰く、「はい、そうですね!」
子曰く、「その先を話してくれたまえ!」
神北曰く、「先輩曰く、『大勢の門人諸君をまとめていかにゃならん立場だからな。』と言われて、私の名前を聞かれたもので、『何でもいいですが・・・』と答えましたら、『何でもいいと言う訳はいかない。 神北と名乗れ!』と言われたのです。」
子曰く、「神北と名付けたのには、意味があるのかね?」
神北曰く、「私も、名づけの意味までは理解できないのですが、神田の北京ダックで略して『神北』ということになったんです。」子貢曰く、「どうせ先輩のことだ、飲み屋の壁に貼ってある『当店自慢のおすすめメニュー』を見て思いついたんでしょう!」
神北曰く、「そういえば、『神田産のアヒル使用、神田地どりの北京ダック』とありましたね!」
子曰く、「子路らしいな!」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート337」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
神北(かんぺき)曰く、「子路(しろ)先輩曰く、『回(かい)は、三度の食事は盛り切り飯に汁一杯。 住居はって言うと、路地裏のあばら家。 並みの人間なら音(ね)を上げそうな超貧乏暮らしのくせに、心情は、心は錦、微動だにもしない。 “まったくもって偉い男だ。 回は偉い! 回は偉い!” すでに昔の事であるにも関わらず、先生は、口癖のように私(子貢しこう)に言うんですよ。』」
子貢曰く、「言ってないぞ! 俺は断じて言ってない! これは私を貶(おとし)める国家権力の陰謀だ!」
子曰く、「神北、続けなさい!」
神北曰く、「はい、子路先輩曰く、『これは明らかに回への身贔屓(みびいき)えこひいきですよ。』と子貢が言うんだ。」
子貢曰く、「言ってない~よ~! え~ん!え~ん!(これは子貢の泣き声です。)」
子曰く、「神北、続けなさい!」
神北曰く、「子路先輩曰く、『“同門の門人塾生でありながら、不平等ですよ。 君子たるものの取る態度でありましょうか?”と子貢が俺に愚痴る! 愚痴る!』」
子貢曰く、「愚痴ってない! 愚痴ってない! 神様に誓って俺は半分弱ぐらいしか愚痴ってません!」
子曰く、「神北、続けなさい!」
神北曰く、「子路先輩曰く、『内心は、回より俺の方が断然上だと認められたい子貢の嫉妬なんだがね。 “敬愛する子路大先輩以外に話せる人はいないので、相談にのって下さい!”とお願いに来たという訳なんだ。』と私に話したんです。 このいきさつは、子路先輩御本人に聞いて頂いて結構です。」
子貢曰く、「これは、子路先輩のつくり話です。 皆さん信用してはいけません。 この子貢を、この子貢を貶めるための策略です!」
子曰く、「子貢! うるさい! しばらく黙ってなさい!」
子貢曰く、「・・・無言。」
子曰く、「神北、それで、子路は子貢に何と答えたのかね?」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風