2010年9月18日土曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート238

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート238』だ。

諸君、昨日のひきつづきであります。

子貢(しこう)曰く、「これにて一件落着! では、お開きといたしましょう!」

顔回(がんかい)曰く、「神北(かんぺき)君、そちらはそちらでお会計してくれたまえ。 こちらは子貢君がおあいそをすることに決まっているから!」

神北曰く、「はい、記念撮影もありますので・・・。 では京華(きょうか)さんに『おあいそ』お願いしますと伝えてきます!」

子貢曰く、「神北君! あっ、ちょっと、僕の支払いは『いつもニコニコカード払い』でお願いしてます。 この店は、カード払いOKか聞いてきて下さい!」

神北曰く、「あっ、論民はチェーン店で、私は以前、他店の論民でカード払いしましたから大丈夫と思いますよ。」

子貢曰く、「そうですか。 私は明日・・・、あっ、いやぁ~もう深夜の2時ですよ! 今日孔子先生に報告をする約束をしていますので、皆さん、さっさと帰る準備をしましょう。」

神北戻って来て曰く、「子貢さん、カード払いOKです。 1Fでカメラのセッティングはできているそうです。 いつでもどうぞと言うことです。」

子路(しろ)曰く、「では、引き上げるとするか! (顔回の下足札を見て)何ぃ! 俺専用の『“こ”の一番』の下足札じゃないか!」

顔回曰く、「『“こ”の一番』のこの下足札がどうかしましたか?」

子路曰く、「俺は『“こ”の一番』は子路様専用の下駄箱なんだ。 この店の主人に『長嶋茂雄の背番号 “3” と同じく永久欠番にしろ! 俺以外の者に使わせるな!』ときつく言ってあるんだぜ!」

顔回曰く、「先輩、『“こ”の一番』にこだわる理由でもあるんですか?」

この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風

2010年9月17日金曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート237

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート237」だ。

諸君、聖人君子でないかぎり、諸君も「気咎(とが)め」を感じたことは今までに一度や二度や三度はあるじゃないですかい?

子路(しろ)曰く、「神北(かんぺき)、お前をかえって苦しませてしまった。 すまんことをした。 許せ! ただし聞き捨てならぬことを言ったな! 神北よ、改めて聴く、この居酒屋で初めて会ったのも偶然じゃなくして、孔家門人の子路様だと承知のうえで近づいたのか?」

子貢(しこう)曰く、「まあまあ、先輩、神北君も正直に詫びているんですから、その話は後日にしましょうよ! ここは、お互いに同門の弟子として、変わらぬ友情を誓いあって乾杯してお開きにひましょうよ! 子路先輩、回さん、神北君、いかがですか?」

子路曰く、「もちろん異存はない! おれも気咎めを感じていた。 それが今は『八面玲瓏(はちめんれいろう)、磨(みが)ける鏡のごとき』という心境だぜ。」

顔回曰く、「私も同感です。」

神北曰く、「不肖神北、皆様方のお仲間に入れていただき、光栄です。 私、神北は、変わらぬ友情を誓います。」

子貢曰く、「それでは、芽台酒(マオタイジュウ)で、変わらぬ友情を誓ってシメの乾杯といたしましょう! 乾杯の音頭は、子路先輩お願いします。」

子路曰く、「よっしゃ! では、孔子先生ならび諸君らの健康と我ら四人の変わらぬ友情を誓って乾杯!」

顔回、子貢、神北そろって曰く、「かんぱい!」

この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを


天意天風

2010年9月16日木曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート236

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート236」だ。

諸君、昨日のひきつづきであります。
以前にもふれたことがあるが、孔子先生は、仁者、君子と人間をより分けるのではなく、万人共通の人間の本性としてすでに持ち来らしている人間真理として捉えていたのっではないかと推論する。

「論語」「里仁(りじん)篇」の中にこう述べている。

子曰く、「参(しん)や、わが道は一をもってこれを貫く」。 曽子(そうし・参)曰く、「唯(い)」。 子出(い)ず。
門人問いて曰く、「なんの謂(いい)ぞや」。
曽子曰く、「夫子の道は、忠恕のみ」。

この対話の意味は、
「参(しん・曽子)よ、私という人間はただ一つのプリンシプル(原理、原則)だけで貫かれているのだ。」
この孔子の言葉に、曽子(参)はただ「ハイ」と返事をし、うなずいただけであった。
孔子先生がその場を立ち去ると、居合わせた門人が曽子にたずねた。
「参さん! 孔子先生は何をおっしゃりたかったのか私にはその意味がさっぱりわかりませんでした。 参さんは、うなずいておられましたが、何のことを言っておられたのでしょうか?」
「それはね、先生は、良心を偽らぬこと『忠』と、他人への思いやり『恕』とが人倫の根本であり、人間真理であるとおっしゃったのだよ。」

私で言えば「積極一貫」ですな。
諸君等も、どういう場合に直面した時でも、本心良心に悖(もと)らないようにすることです。
自分の言葉や行ないは常に本心良心そのままという気持ちを心がけの第一とされたのであります。
よく「誠心誠意」といいますが、この誠心誠意というのは、本心良心がその大根大本(おおねおおもと)となって、本心良心に悖りさえしなかったら、自分の仕事に対して情熱の炎が焔々(えんえん)として燃えるであろうし、そして常にその気持ちにむらというものがないことになります。
むらのない心から働きだされる事柄にどんな結果がくるか、これはもう考えなくてもおわかりのことと思います。

この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風

2010年9月15日水曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート235

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート235」だ。

諸君、神北(かんぺき)ではないが、人間、何か道に外れた事を言ったり、あるいは不道理なことを行う場合、また行なった場合にも、何とはなしに気の重い後ろめたさを感じるものだね!
これが「気咎(きどが)め」というやつですよ。
何とも、言うに言われない嫌な気持ちを感じるものでありますよ!
どんな人間にも本心良心がある証拠には、悪いことをする人間も公然と悪いことはしません。
本心良心の咎めがあるからですよ。

「論語」「顔淵(がんえん)篇」の中にこう述べている。

司馬牛(しばぎゅう)、君子を問う。 子曰く、「君子は憂(うれ)えず懼(おそ)れず」。 曰く、「憂えず懼れず、すなわちこれを君子というか」。 子曰く、「内に省(かえり)みて疾(やま)しからずんば、それを何をか憂え何かを懼れん」。

この対話の意味は、
君子たる者の資格について司馬牛から質問された時、孔子はこう答えた。
「心に心配や恐れがないのが君子だぜ。」
「それだけで君子と言えるのでしょうか?」
「良心に照らして恥じるところがある。 また後ろめたさを感じるのであれば、良心に対しての気咎めで、心配や恐れから自らの心が解放されないのだぞ。」

ですから、現在も永久にも、自分がやましい気持ちを感じないというものこそ、本心良心のあらわれなんですぜ。

この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風

2010年9月14日火曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート234

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート234」だ。

諸君、昨日のひきつづきであります。

子貢(しこう)曰く、「先輩、回(かい)さんによく謝ってくれました。 先輩の弟弟子、不肖子貢、心よりお礼申し上げます。」

子路(しろ)曰く、「子貢よ、貴様は天性の司会典礼役だな。 この度のことはお前にも迷惑をかけ、骨を折らせたな・・・ 礼を言うよ。 ありがとう!」

子貢曰く、「いえいえ、どういたしまして・・・ さてさて先輩!  先ほど私が神北(かんぺき)君に事の次第の説明を求めた時、神北君は沈黙を守って先輩の指図について何も語りませんでした。 先輩の回さんへの個人的嫉妬が理由でその腹いせのためにお先棒を担がされた神北君ですが、神北君にも非があります。 それは問い詰めません。 神北君も先輩への義理立てがあるでしょうから、ここは先輩から何か言ってあげて下さい。」

顔回(がんかい)曰く、「新参者の神北君としては、先輩の命令は断れないですよ! それはパワーハラスメントですよ! 神北君も気の毒です。」

子路曰く、「神北! まだ入門したばかりのお前に、俺の不平不満の感情を満たすために利用したことを深く詫びる!(子路、神北に向かって土下座する。) これこのとおりだ。 申し訳なかった。 あいすまぬ!」

神北曰く、「先輩、面(おもて)を上げて下さい! 私も回先輩に何の怨みも遺恨もありません。 ただ指図されたままに動いたのは本当のことです! 実は私は孔門の弟子の一人になりたくって計画的に子路先輩に近づいたのも本当のことです。 先輩だけが悪いんじゃないです。 ただ回さんは立派な方です。 回さんの勤勉家で実直な振る舞いを見ていて、自分が万物の霊長たる人間として恥ずべきことをしていると心苦しくて気咎めを感じていたんです。」

この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風

2010年9月13日月曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート233

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート233」だ。

諸君、昨日のひきつづきであります。
子路(しろ)、子貢(しこう)の諫言(かんげん)にうなずくも無言。

子貢曰く、「孔子先生は後輩弟子の宰我(さいが)君に厳しく戒(いまし)めておられながらも『既往(きおう)は咎(とが)めず。』と言っておられました。 子路先輩もご存知のはずです。 過去の出来ごとについてあれこれと重箱の隅を突っつくように咎めだてするより、深く反省し、今を改め、同じ事を二度と繰り返さないよう心と身を慎むことが大切であると言っておられます。 私も回さんも先輩や神北君を決して咎めだてしているのではありません。 これからもずっと同門の敬愛する先輩に何ら変わりはないのですから・・・ 回さんもそう思いませんか?」

顔回(がんかい)曰く、「もちろんです。 先輩に対する敬愛の気持ちに対しては、いささかも変わりはありませぬ!」

子路たまりかねて曰く、「回! すまぬ! すまなかった。 孔門の弟子として恥ずべきことをした。」

子路は回の前に居住まいを正して座り、いきなり土下座をした。

子路土下座をして曰く、「これこの通りだ。 俺のした振る舞いを許してくれ!」


顔回曰く、「先輩、面(おもて)を上げて下さい! 許すも許さぬもありませんよ。 年は離れていますが、いつも変わらぬ実の兄弟のような弟思いの兄貴でいて下さいませんか?」

子路曰く、「おうよ! お前らは、この勇気凛凛の子路様がが守ってくれるわ!」

顔回曰く、「あっ、いつもの先輩にもどりましたね。」

この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風

2010年9月12日日曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート232

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート232」だ。

諸君、話を戻すことにする。
子貢(しこう)の「一つはっきりさせなきゃならない事がある!」の続きであります。

顔回(がんかい)曰く、「子貢君! 急に真剣な顔してどうしたんですか?」

子貢曰く、「回(かい)さん、ここへ来た第一の動機ですよ! ここで四人で会ったことで、はっきりさせたいことがあるんじゃないですか?」

顔回曰く、「はい、そうでした。 子路少年の林間学校の話に夢中になって、肝心なことを忘れてました。」

子貢曰く、「回さん、ここで子路(しろ)先輩と神北(かんぺき)君を前にして、言った言わないはお互い無しにしてはっきりさせましょうよ!」

顔回曰く、「はい!」

子貢曰く、「先輩! 神北君! いちいち改めて私の方から事のいきさつを説明するまでもないでしょう! 先生に用を言いつけられて留守をしている間に、回さんに対するお二人の振る舞いです! 回さんが挨拶しても他の門下生も挨拶せず無視するありさま! これは先輩の差し金で、『顔回を無視するように』と神北君が門人に言いふらしていたそうですね! 何のことかご存じのはずです。 ご自身の胸に手を当てて良心に問うてみればすぐわかることです。」

子路曰く、「俺は神北にそこまでせよ!とは指図していない。」

神北曰く、うなだれて沈黙。

子貢曰く、「先輩、お互い孔子先生の弟子です! 良心の呵責(かしゃく)を感じていたんでしょう? 『回よ! 俺が仕組んだことだ! すまない! 許してくれ!』と正直に回さんに謝ってまた兄弟弟子として仲睦まじくしましょうよ。 兄貴ぃ~! ゲロすれば楽になりますよ!」

この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風