2010年4月24日土曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート91

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)~論語創作ものがたり パート91」だ。

諸君、昨日の引き続き居酒屋「ざ・論民」、「先進(せんしん)の間」であります。

子路(しろ)小声で曰く、「おい、神北(かんぺき)ちゃんよ、そんなことするならトイレに行くふりをして、『飲み過ぎちゃいましてねぇ! ウイッ! トイレと間違えました。 ウイッ! 失礼しました。 ウイッ! トイレはどこでしょうか?』とたずねながら隣のやつの顔をのぞいてくればいいんだ!」

神北小声で曰く、「それもそうですが、私、俳優志望じゃないので先輩やって下さいよ!」

子路小声で曰く、「何で大先輩の子路様がやらにゃならないのかよ。 当然、神北、やるのは若輩の貴様だ!」

神北小声で曰く、「先輩、ビール代を出したくないでしょ。 それなら、その分は私が持ちますからとりあえずここはおねえさんに頼みましょうよ!」

子路小声で曰く、「お前の好きにろ!」

神北小声で曰く、「では、おねえさん、待たせたね。 隣に生ビール2ツ持って行っておくれ。」

女子店員曰く、「はい、かしこまりました。 必ず挨拶して下さるように念を押しておきますからね。」

神北小声で曰く、「済まんがよろしく頼む! ところで先輩、俺少し飲み過ぎたようです。ホント冗談じゃなく催してきましたよ。 トイレに行ってきます。」

子路小声で曰く、「大か?小か?」

神北小声で曰く、「両方かも・・・」

子路小声で曰く、「『出物(でもの)腫物(はれもの)所(ところ)嫌(きら)わず』だ、早く済ませてこいよ!」

神北小声で曰く、「では失礼して用を足してきます!」

この物語の続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風

2010年4月23日金曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート90

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)~論語創作ものがたり パート90」だ。

諸君、昨日の引き続き居酒屋「ざ・論民」、「先進(せんしん)の間」であります。

神北(かんぺき)小声で曰く、「おねえさん折り入ってたずねたいことはね、隣の間の客なんだがね、こんなうすいパーテーションのしきりなのに、やけに静かなんだが、本当にいるのかね?」

女子店員小声で曰く、「はい、もちろんイケメンのお客様がお二人様いらっしゃいますよ!」

神北小声で曰く、「話声が聞こえないんだが、どこの御家中の方だい?」

女子店員小声で曰く、「さぁ? どなた様か知りません。 今日初めてのご新規さんですからね。」

神北小声で曰く、「おねえさん、さっきチップあげたじゃないか。 教えてくれよ!」

女子店員無言で右の手のひらを上にして差し出す!

神北小声で曰く、「何だよこの手は。 またチップくれと言うのか! 冗談じゃないよ!」

女子店員小声で曰く、「ケチ。 いけず。」

神北小声で曰く、「おいおい、どっちがケチだい。 もういいよ!」

女子店員小声で曰く、「神北さん、それより頭働かせたらどうですか?」

神北小声で曰く、「頭を働かせる? どういうことだい?」

女子店員小声で曰く、「隣のお客様はチンタオプレミアム生ビール(大)ジョッキを飲んでいますから、隣同士のよしみになったということでプレゼントしたらどうかしら?」

神北小声で曰く、「なるほど、そうすればゴチになった挨拶にむこうから来るということか。」

女子店員小声で曰く、「『隣のお客様にこちらのお客様からプレゼントですよ。 挨拶して下さいね。』と念を押しておきますから・・・」

神北小声で曰く、「おねえさん、賢いね!」

女子店員小声で曰く、「それほどでも・・・」

神北小声で曰く、「子路(しろ)先輩、隣に生ビール持って行かせますが、よろしいですか?」

この物語の続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風

2010年4月22日木曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート89

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)~論語創作ものがたり パート89」だ。

諸君、日本では白い犬は「シロ」と呼んで、名前につけることがあるね。
クレヨンしんちゃんのアニメでお馴染みの野原家の愛犬もそう言われれば「シロ」だったね!
クレヨンしんちゃんに出てくるシロは、賢くて我慢強いワンちゃんだね。
かたや「論語」に登場する子路(しろ)は、勇気はとびぬけているが、無鉄砲で、荒っぽい気質で、かたくななところがあるように表現されている。
孔子先生は、「君子たるものは」と言う判断基準で人物を評価されるので、極めてハードルが高かかったんだ。
子路は何かと反面教師としての見本のようにとられがちだが、子路は元来弱い者を助け、強い者をくじき、義のためには命を惜しまないという任侠の徒であったんだね。
何と言っても孔門の十哲の一人です。
今時は死語になった「侠気(おとこぎ)」ですよ。
そんな子路の義侠心にあつい一面がこんなところに出ているんです。
子路は、孔子が愛弟子(まなでし)を引き連れての旅の途中の陳国で食糧が尽き、飢えと病に倒れる門人が続出した。
見るに見かねた子路は、憤(いきどお)りのあまり孔子先生に食ってかかったんだね。

陳に在りて糧(かて)を絶つ。 従者病みてよく興(た)つことなし。 子路慍(いか)って見(まみ)えて曰く、「君子もまた窮(きゅう)することあるか。」 子曰く、「君子もとより窮す。 小人窮すればここに濫(らん)す。」

子路怒って先生を睨(にら)みつけて曰く、「先生、君子ですよね? 君子でも困窮することがあるんですか?」

子、蹶然(けつぜん)として曰く、「当然のことだ。 君子も腹もへれば、糞小便もたれる。 無論、君子も困窮することがある。 だが君子はいついかなる時、所でも中村天風師がいつも言っている通り『人間の健康も運命も心一つのおきどころ』だ。 たとえ身に病があろうとも心まで病まさないのだ。 たとえ運命が悪かろうとも心まで悩まさないのだ。 君子はいついかなる出来事が起ころうと常に心が積極的方向に動くのだ。 だが困窮して取り乱すのは消極的な小人ばかりだ。」

この物語の続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風

2010年4月21日水曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート88

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)~論語創作ものがたり パート88」だ。

諸君、昨日の引き続き居酒屋「ざ・論民」、子路(しろ)、神北(かんぺき)のいる「先進(せんしん)の間」であります。

女子店員、「先進の間」にビールを運んで曰く、「子路様、神北様、お待たせしました。 チンタオプレミアム生ビール中ジョッキ2ツお持ちしました。」

神北小声で曰く、「おねえさん、シー シー シーずかに!」

女子店員小声で曰く、「どうされたんですか?」

子路小声で曰く、「きれいとかわいいが一体となったイチゴ大福のおねえさんよ! 小鳥がさえずる声で話してくれないかい。」

女子店員小声で曰く、「子路様、体のお加減が悪いんですか?」

子路小声で曰く、「おいおい、急に子路様ってのはどういうことなんだい。 気持ち悪いじゃないか! 隣の客に何か言われたのかい?」

女子店員小声で曰く、「子路様も急に優しくなっちゃって、何か変ですよ!」

子路小声で曰く、「おねえさんも急に変だぜ!」

女子店員小声で曰く、「私は神北様にチップをいただきましたから、『様』ぐらいサービスさせていただきますよ!」

神北小声で曰く、「おねえさん、『様』はいいから、『カンペキ』って呼んでくれよ。」

女子店員小声で曰く、「神北様も急に変ですよ!」

子路小声で曰く、「変じゃない! 変じゃない! おねえさん、これから俺のことも『子路おにいさん』と呼んでいいからさぁ! お互いフレンドリーでいこうぜ!」

女子店員小声で曰く、「二人とも急に変ですよ! 何か訳でもあるんですか?」

神北小声で曰く、「実はイチゴ大福のおねえさんに折り入ってたずねたいことがことがあるんだがね。」

女子店員小声で曰く、「はい、改まって神北さん、何ですか? 実は、私を口説くつもりですか?」

子路小声で曰く、「ない、ない。 絶対ない!」

女子店員小声で曰く、「シロ! おだまり! シロには聞いていません!」

子路小声で曰く、「俺は犬じゃないんだよ。 はい、黙ってます!」

神北小声で曰く、「いやいや、おねえさん、それはないよ!」

女子店員小声で曰く、「あらまぁ! 神北さま、それは残念ですね。 お互いにご縁がなかったということですね!」

この物語の続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風

2010年4月20日火曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート87

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)~論語創作ものがたり パート87」だ。

諸君、子貢(しこう)君は、弁舌は上手で得意であることはもう知っておられるね。
それに関連して、今どきのテレビに出てくる評論家やコメンテーターのごとく人物評論の弁論大会が大好きなんだ。

子貢、人を方(たくら)ぶ。 子曰く、「賜(し)や賢なるかな。 それわれはすなわち暇(いとま)あらず。」

子貢が門弟と人物評に熱中していると、それを聞いていた孔子先生の皮肉交じりの君子たるものの観点よりの教訓をたれる。

「おまえは『誰は上で、誰それは下だ。』と人物の評を語るほど偉いんだね! 上も下も中ほども結局は子貢の目線から下に見て評価している観点だからね。 それを語れるお前はずいぶんと偉くなったものだねぇ! 私は自己を陶冶する、つまり自己の霊性を磨くことに精一杯で人の評価ランキングをつけるだけの気持ちに余裕はないよ。」

ま~子貢よ、おごったお前の人物評論は「愚者(ぐしゃ)賢者をはかりあたわず」と同じだと皮肉ったのでしょうな。

昨日の引き続き居酒屋「ざ・論民」、「学而(がくじ)の間」であります。

子貢小声で曰く、「回(かい)さん、トレビアン! あなたの孔子先生の人物評は素晴らしい~です! 完璧です。 パーフェクトです。 さすが一を聞いて十を知る方だ。」

回小声で曰く、「子貢君に高い評価を受けても、何故か素直に喜べませんね! どうしてでしょうか? それよりピッチャービールと枝豆2ツ、早くオーダーして下さいよ!」

子貢小声で曰く、「はい、わかりましたよ。 トイレに行くついでにたのんできますから待ってて下さいな。」

回小声で曰く、「子貢君、イチゴ大福ねえさんに、隣の様子を聞き忘れないようにたのみますよ。 ああそれと、先ほどの枝豆の盛りが少なかったと口添えして下さい! これは、この店の評判を落とさないために、私からのアドバイスです。」

子貢小声で曰く、「それも恕(じょ)の心ですか? 御親切に。 いたみいります。」

この物語の続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風

2010年4月19日月曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート86 

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)~論語創作ものがたり パート86」だ。

諸君、昨日の引き続き居酒屋「ざ・論民」、「学而(がくじ)の間」であります。

顔淵(がんえん)、喟然(きぜん)として歎じて曰く、これを仰げばいよいよ高く、これを鑽(き)ればいよいよ堅し。 これを瞻(み)れば前に在(あ)り、忽焉(こつえん)として後(うし)ろに在り。 夫子、循循然(じゅんじゅんぜん)として善く人を誘(いざな)う。 われを博(ひろ)むるに文をもってし、われを約するに礼をもってす。 罷(や)まんと欲すれども能(あた)わず、すでにわが才を竭(つ)くせり。 立つところありて卓爾(たくじ)たるがごとし。 これに従わんと欲すといえども、由(よし)なきのみ。

回(かい)、感嘆のため息をついて曰く、「孔子先生の霊性の徳性、つまり霊魂に備わった固有性能は、仰げば仰ぐほど高く尊く、霊性の徳性に精魂こめて切り込もうとすればするほど堅く強く感じるんだ。 
先進のために、行く道を指し示すかのように前に立っておられる。 
と、思えば、いつの間にか後進を後押しをするかのように後ろに立っておられる。 
それでいて先生は順序良く人を導いてくださる。 
私に先達に学ぶ為に書籍を読ませて見聞きを広めさせ、礼を実践しながら知識を集約して下さったのだ。
まるで生前の中村天風先生のようだ。
私は何度も学問を辞めてしまおうと思ったが、結局辞めることができなかった。
作家の宇野千代が「おはん」を書いた後の「書けない症候群」のスランプ状態の時のように自分の才能は枯渇しきったのだと感じて意気消沈する時があったが、さて先生は、と見ると、泰山(たいざん)のように、遥かな高みで毅然としてそびえ立っておられる。
先生に従って、積極的精神でついていきたいと思うのだが、時には雑念・妄念の雲が本当の自分を覆い隠してしまい、悲観し自己否定している消極的精神状態の心になっている自分があるのだ。
先生は絶対積極的の、私には達し難い高さにおられるのだ。

この物語の続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風

2010年4月18日日曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート85

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)~論語創作ものがたり パート85」だ。

諸君、昨日の引き続き居酒屋「ざ・論民」、「学而(がくじ)の間」であります。

回(かい)小声で曰く、「子貢(しこう)君、それより隣がやけにそうぞうしくないですか?」

子貢小声で曰く、「そうですね。 イチゴ大福のおねえさんのカナキリ声がしますね!」

回小声で曰く、「とにかくビールの追加オーダーのついでにおねえさんにそれとなく隣の様子をうかがってくれませんか。」

子貢小声で曰く、「そうですねチップも渡しましたからね。 聞いてみます。」

回小声で曰く、「子貢君、その時生ビールはピッチャーで持って来るようにぜひお願いしたい。」

子貢小声で曰く、「はぁ~? 大ジョッキでなくて、ピッチャーでですか?」

回小声で曰く、「はいそうです。 イチゴ大福ねえさんに何度も足を運ばせてはすまんことです。」

子貢小声で曰く、「回さん、生ビールがまずくなりませんか? それにおねえさんの職務で仕事で気を使う必要はないでしょう。」

回小声で曰く、「これが私流の思いやりの在り方、つまり恕(じょ)の心の表現です。」

子貢小声で曰く、「へぇ~、恕の心とはそんなものですかねぇ~? とにかく回さん、もったいつけずに孔子先生の人物評をお話下さいな。」

回小声で曰く、「それでは、子貢君の「是非に!」と言うしつこいリクエストにおこたえをしましょう。」

子貢小声で曰く、「回さん、生ビール、ピッチャーでたのみますから、もったいをつけずにさっさとお願いしますよ。」

回小声で曰く、「子貢君お気づかいいたみいる。 気づかいのついでに私の好物の枝豆を2ツたのみます。」

子貢小声で曰く、「はい、はい。 ついでじゃなくて、一緒にたのみますよ。」

この物語の続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風