2010年12月25日土曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート336

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート336」だ。

諸君、昨日の引き続きであります。

子曰く、「神北(かんぺき)は、承知で子路(しろ)の隣に座ったんだね!」

神北曰く、「はい、この機会を逃がす手はありませんから・・・ それとなく隣に座って話しかけたんです!」

子貢、黙ってうなずく。

子曰く、「神北、先を続けてくれたまえ。」

神北曰く、「子路先輩が私にこんな話をしてきたんです。 その話の内容は、『実はなぁ、孔子先生の門人の中でも一番二番を争うえらく頭のいい後輩が二人いるんだがな、俺様から見ればケツの青いガキなんだがな。 一人は顔回(がんかい)ともう一人は子貢(しこう)と言うんだ。」

子貢曰く、「門人の中でも一番二番を争うえらく頭のいい後輩! やっぱり先輩も俺の事を認めてくれていたんですね!」

子曰く、「神北、先を続けてくれたまえ。」

神北曰く、「子路先輩曰く、『孔子先生がもう一人の後輩の顔回ばかり可愛がるもんだから、もう一人の後輩の子貢って奴が面白くなくてね! はっきり言えば、子貢は、顔回に嫉妬していたんだ! まぁ、男の焼きもちってやつだな。』と言うんですよ。」

子貢曰く、「無言。」

子曰く、「神北、話を続けなさい!」

神北曰く、「子路先輩曰く、『子貢の奴が、“折り入って相談があるんです。”と訪ねてきた。』そうです。」

子貢曰く、「俺は相談なんかに行ってないぞ! これは先輩の作り話です!」

子曰く、「神北、話を続けなさい!」

神北曰く、「その相談と言うのが、子路先輩曰く、『子貢は泣きながら、“先生は、顔回ばかり可愛がって、これ見よがしに身贔屓(みびいき)するんですよ。 先生の身贔屓は他の門人から見ても露骨すぎる。”』と俺に訴えるんだよ。」

子貢曰く、「俺は泣いてなんかいない! 訴えてもいない! そんなことは一言も言ってないぞ! これは何かの陰謀だ!」

子曰く、「神北、話を続けなさい!」

この続きは明日また・・・。 
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風

2010年12月24日金曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート335

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート335」だ。

諸君、昨日の引き続きであります。

神北(かんぺき) 曰く、「私に無いものは何か! それは、心底より尊敬と信頼できる師と心を許せる友人です。」

子曰く、「ほう・・・その師は、私と言うことだね!」

神北曰く、「はい、そうです。」

子貢(しこう)曰く、「君には師も共に語らう友人もいないと言うことですか?」

神北曰く、「はい、皆さんにお会いするまでは、追い落とすか、追い落とされるかの世界に身を置いていましたので、心から尊敬出来る師や真の友人などこの世界にいる訳は無いと決めつけておりました。 そのことについて何の疑問も感じておりませんでした。 しかし、先ほど先生に『私の心を許せる愛弟子とする。』と言っていただけたことが何よりも嬉しくて・・・ そして今、私の中には、先生と共に、生涯お付き合いをお願いしたい友人が三人できました。」

子曰く、「三人とは?」

神北曰く、「はい、子貢さん、顔回(がんかい)さんに子路(しろ)先輩です。」

子曰く、「子貢や回なら歳の頃も同年代だろうから、お互いに話をわかりあえると思うが、親子に近い年のひらきがある子路とは・・・ はてまた、何故だね?」

神北曰く、「私は、孔子先生の弟子になるために、子路先輩に近づきました。 それは、弟子の中で最古参で、最年長です。 先生に一番近く、言いたいことを言えるのは子路先輩の一人くらいなものだと弟子同志の噂話を小耳にはさみました。 それから、先輩の後をつけて、接触の機会を狙ったんです。」

子貢曰く、「それで、子路先輩行きつけの飲み屋で『神北と名乗れ』と名前をつけられたんですね!」

神北曰く、「はい、そうです。 必ず週のうち2~3回は寄っていく、いきつけの飲み屋で、子路先輩が後輩を引き連れて貸し切りの飲み会があることを知って、この時とばかりに、子路さんに近づいたんです。」

子曰く、「ふむふむ・・・ 先を続けてくれたまえ。」

神北曰く、「子路先輩のおごりで、タダ酒が飲めるとばかりに、店に入りきれない門人の方々が集ってこられましたよ。 ところが、当の子路さんの隣には、誰も座らないのです。 どうしてなのかと門弟の方の御一人に伺ったところ、『酒に酔った子路先輩に捕まってからまれたら最後、ひどい目にあわされた門弟が何人もいるんだよ。』と言われまして・・・ 『ひどい目とは、どんな目に会うんですか?』と聞いたんですよ・・・ 『先輩のおごりで飲めるのはありがたいが、近くに寄りたくない! 近くにいたばかりにとばっちりを受けて、手足の骨を折られ、ケガをした者が何人もいるんだぞ! 誰も隣なんかに恐ろしくて寄らないよ! 悪いこと言わないから、身の為と思って近寄らないほうが利口だぜ!』とこういうことなんです。」

この続きは明日また・・・。 
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風

2010年12月23日木曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート334

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート334」だ。

諸君、昨日の引き続きであります。

子貢(しこう)曰く、「神北(かんぺき)君! ずいぶんと話を引っ張ってくれるね・・・ ズバリ誰なんですか?」

神北曰く、「はい、義父に会わせたい人物は・・・この方しかおりません!」

子貢曰く、「もう・・・神北君、くどいよ!」

神北曰く、「その方は、ズバリ! 子貢さんです。」

子貢曰く、「・・・無言。」

神北曰く、「私のめがねに曇りがなければ、子貢さん以外におりません。」

子曰く、「神北、君のめがねは曇っていないな。 的確な人選です。」

神北曰く、「恐れ入ります。」

子曰く、「子貢、神北! 人材を途用する側も、途用される側も立場は異なれど、どちらも人あっての事だ。 出来た人物は、適材適所を心得ながらも、道義にかなった人物を選ぶものだよ。」

子貢曰く、「君は少なからず、『私の事を嫌な奴だ。 やりにくい相手だ。 無礼な奴だ。』と思いやしませんでしたか? 私も君にあえて嫌われることもしました。 神北君! 何故私ですか? 正直に答えてくれたまえ。」

神北曰く、「子貢さん、私正直言って、子貢さんに嫉妬していたんです!」

子貢曰く、「え~なんだって・・・ 私に嫉妬? ウソでしょう? そりゃまたどうしてですか? ・・・確かに、私はイケメンですからね。 はっきり言って女性にもてますから、嫉妬の一つや二つはかっているでしょうよ。」

神北曰く、「子貢さんは、確かに口は達者です。 頭も非常にいいです。 また、ルックスも抜群で、お金持ちです。 これだけで世間の人は、うらやむ存在ですよ! しかし、私は違います。 自慢じゃありませんが、私はお金に不自由していません。 口も立ちます。 頭もそれなりにいいです。 ルックスもそれなりに自信があります。 はっきり言って私は女性にすごくもてます。 子貢さんには負けませんよ! しかし、私にないものがあります。」

子貢曰く、「おい、神北! ずいぶん言いたい事言ってくれるじゃないか!」

子曰く、「まあまあ、子貢よ、そう興奮するな! ここは、神北に思いの丈(たけ)を話してもらいましょう。」

この続きは明日また・・・。 
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風

2010年12月22日水曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート333

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート333」だ。

諸君、昨日の引き続きであります。

そこへ下男がデザートを持って入って来た。

下男曰く、「本日のデザートです。 アマンド・アラベスクです。 アーモンドスライスをケーキの周りにタイルを一枚一枚貼るように丁寧な仕上がりになっております。 甘さは控え目にしてあります。 どうぞお召し上がり下さい!」

子曰く、「ほう、フランスのアルザスロレーヌ地方ではアーモンドがお祝い事に使われているとは知りませんでした。 皆さん、いただきましょうよ!」

子貢(しこう)曰く、「神北(かんぺき)君! 実は、私は、人の口の動きを見て、その動きで何を話しているかを勉強し、実践で体得したんですよ。 もちろん、その人の仕草、手ぶり、身ぶり等よく観察して、人の心理と行為の関連性を研究テーマに選んで、日夜研鑽(けんさん)を積んできたんです。 私は先生のようなスーパー霊感はありませんよ!」

神北曰く、「では、私の心を読んでいた訳ではないんですね!」

子貢曰く、「神北君、例えば、このコーヒーカップを左から右に移すのに、霊感も読心術も必要ないでしょう。 自分の手で移せば、コーヒーカップは、左から、これこの通り、置かれました。 この方が早いですよ! 別に神北君の心を読まなくとも、私は直接聞きますよ! 本人から聞く方が早くて正確です!」

子曰く、「神北君! 何が言いたいかわかるかい? いちいち霊感や読心術を使わなきゃならない状況とは、人を信用出来ない時でしょう! こうして本人がいるのなら、師として、友人として、本心で正直に話したいものですよ!」

神北曰く、「はい、申し訳ありません。 信頼しあえる真の友人として向かい合ってくれているんですね!」

子曰く、「そうですよ! 真の友人になるために、本心から話をしたかったのですよ! それが目的で、神北君と子貢と私の三人だけの、この席をもったんだよ。」

神北曰く、「恐れ入ります。 先生のお心遣いがわからず、申し訳ありません。」

子曰く、「ま~それはよい! 今からこれからだ! これでお互いのわだかまりもとれたと言うものです。 私は決めましたぞ。 今から、神北君を私の心を許せる愛弟子とする。 神北、よいな!」

神北曰く、「はい、先生、光栄です! 今後とも、御指導のほど宜しくお願い致します。」

この続きは明日また・・・。 
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風

2010年12月21日火曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート332

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート332」だ。

諸君、昨日の引き続きであります。

神北(かんぺき)曰く、「いえ、先生ほどの賢者になられると、人の思っていることが、すぐにわかってしまうのではないかと?」

子曰く、「神北君! それは読心ということですか?」

神北曰く、「はい、そうです。 先生は、心眼が開かれておられて、人の心を読むことが出来るのではないかと思いまして・・・ この機会に質問をさせて頂きました。」

子曰く、「人のもの言い、仕草で、その人の心の状態、つまり心理状態は、おしはかることが出来るでしょう。 私でなくとも神北君も子貢(しこう)も、やっていることですよ。」

神北曰く、「はい、ですが、それを越えた先生の霊眼で本人の気付かない事までわかっておられるのでは・・・と思いまして。」

子貢曰く、「神北君の言いたいのは、インスピレーション、つまり霊感というやつですね!」

神北曰く、「はい、人には言えない秘密にしていることも、わかってしまうのかと考えた次第です。 先ほどの眼鏡にかなった門弟の方も私の心を読んでわかっておられるのではないかと聞いてみたかったんです。」

子曰く、「無論、全てがわかるわけではないが、わからない訳でもない! しかし、いちいち人の心を読んでいれば、相手のいらぬ想念のゴミまでいただくことになるんだよ。 また、そんなことばかりしていると、いずれ心が病んでくることになる。 疲れるんだ! それより話が出来る相手なら直接本人に聞くことが一番だ。 神北君に本音を言ってくれることが本人の意思を確認することであり、私も尊重することができるというものだよ!」

神北曰く、「そうですか。 わかりました。 それでは、子貢さんに質問しますよ。 私の心を読んでいませんでしたか?」

この続きは明日また・・・。 
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風

2010年12月20日月曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート331

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート331」だ。

諸君、昨日の引き続きであります。

子曰く、「ほぉ~、今日の今日見つかったとは・・・ また・・・ どういうことかね?」

子貢(しこう)曰く、「今日の今日ですか! それは良かったですね。 神北(かんぺき)君のお眼鏡にかなった人物とは誰でしょうかね? まぁ~、子路(しろ)先輩じゃないことはわかりますがね・・・」

神北曰く、「先生、私の眼鏡にかなった人物を、義父に会わせることに御許可をいただけるのでしょうか?」

子曰く、「神北君! 相手のあることだ。 眼鏡にかなった人物が、是非にと言うことであれば、私も喜んで許可を出そう。」

神北曰く、「先生、ありがとう御座位ます。 その節は宜しくお願い致します。」

子貢曰く、「神北君! せっかく先生も喜んで許可を出そうと言ってくれているんだから、その人物とは、ズバリ誰ですか?」

子曰く、「子貢の言う通りだ。 この場で言ってくれたまえ!」

神北曰く、「はい、では、発表します。 ・・・神北こと、祝歓迎(しゅくかんげい)の眼鏡にかなった人物とは・・・ズバリ・・・ちょっと待って頂けますか。」

子貢曰く、「おいおい、もったいつけないでくれよ!」

神北曰く、「そんなつもりはありません! 先生と子貢さんに発表する前に、御伺いしたいことをふっと思い出したんです。」

子曰く、「何だね! 聞きたいこととは・・・」

神北曰く、「先生も子貢さんも、私のバカバカしい質問に答えてくれますか?」

子貢曰く、「えーい、まどろっこしいな・・・ ごちゃごちゃ言わないで、何が聞きたいんだよ!」

神北曰く、「先生は、霊能者ですよね?」

子曰く、「それは、的を得てないな! 私は現実主義者だ。 ・・・しかし・・・直感のひらめきは大事にしているよ。」

神北曰く、「先生は、私の心は読めますか?」

子曰く、「どうしてそんなことを聞くのかね?」

この続きは明日また・・・。 
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風

2010年12月19日日曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート330

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート330」だ。

諸君、昨日の引き続きであります。

そこへ下男が入って来る。

下男曰く、「そろそろ、デザートをおもちしますか?」

子曰く、「そうだね。 では、よろしく頼みます。」

下男曰く、「本日のデザートは、フランスのアルザスロレーヌ地方のお祝いのケーキですが、皆様、よろしいでしょうか?」

子曰く、「かまいません。 お願いします。」

下男曰く、「御飲み物は、コーヒー、カフェオレ、カプチーノ、紅茶、ウーロン茶、ブラックウーロン茶を御用意しております。 御好みの物をお申し付け下さい。」

子曰く、「私は、カプチーノをお願いします。 神北(かんぺき)君は、何を好まれますかな?」

神北曰く、「私は、紅茶にミルクでお願いします。」

下男曰く、「ミルクティーですか? ロイヤルミルクティーもお出しできますよ!」

神北曰く、「では、ロイヤルミルクティーで、お願いします。」

下男曰く、「子貢(しこう)様は、何を・・・?」

子貢曰く、「私は、アメリカンコーヒーのブラックで、更にお湯割りでお願いします!」

下男曰く、「はい、かしこまりました。 少々お待ち下さいませ。」
子曰く、「神北君、話が横道にそれてしまった。 本題に戻すとしよう!」

神北曰く、「はい。」

子曰く、「神北君、義父の祝鮀(しゅくだ)殿の切迫した事情や、お立場はよくわかる。 しかし、私は、内々であっても、この度の政治顧問の御依頼は、お受けすることは出来ない。 ただし、私を友人として受け入れて頂けるのなら、友人同士としてアドバイスをさせて頂くのは、やぶさかではありませんよ。」

神北曰く、「はい、わかりました。 義父も喜ぶと思います。 早速連絡させて頂きます。」

子曰く、「それと、私の門弟の中でこれという人財を探しておられるんだね!」

神北曰く、「はい、そうです!」

子曰く、「神北君、これという人物が見つかりましたかな?」

神北曰く、「はい! 今日の今日、見つけました。」

この続きは明日また・・・。 
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風