本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート329」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
子曰く、「官職の名前を点検して、職名と役割を正しい名前にし、権限と責任をきちんと文章化することかな」と話してやったんだよ。
子貢(しこう)曰く、「それで、子路(しろ)先輩は理解されたんですか?」
子曰く、「子路は、私に『そんなことを最初になさるんですか? 先生のなさることは、まどろっこしくて、即効性がない! 遠回りだと政治家から言われちゃうでんすよ。 役職名などどうだっていいじゃないですか!』というから、言ってやったんだ。 『お前は相変わらずの野蛮人だね。 いいか、子路! 文化人は自分が知らない事に関しては口を噤(つぐ)んでいるものだよ。 官職の名前や責任と権限がきちんとしていなければ、組織としての命令がきちんと伝わらないじゃないか。 命令がきちんと伝わらなければ、社会秩序は生まれない。 社会秩序が生まれなければ、国民が共有する社会規範が育ちはしない。 社会規範が育たなければ、公正な裁判が行えないじゃないか。 公正な裁判が行なえないなら、国民はのんびり手足を伸ばしてくつろぐことすらできやしないだろう。 子路、お前が裁判所の判事ならば、何をよりどころにして判決を下すのかね。 だから、道理の分かった政治家は、まずは名称を正しくする。 次に道義規範にのっとり、命令を発して施行する。 そうすれば、出しっぱなしで終わるような法律も無くなるんだよ。 子路よ、政治家と言うものは、言葉を決して軽々しく扱ってはならないもんだぞ。』と話してあげたんだよ。」
子路曰く、衛の君、子を待ちて政を為さば、子将に奚(なに)をか先にせんとする。 子曰く、必ずや名を正さんか。 子路曰く、是れ有るかな、子の迂なるや。 奚(なん)ぞ其れ正さん。
子曰く、野(や)なるかな、由(ゆう)や。 君子は其の知らざる所に於いては、蓋闕如(かつけつじょ)たり。 名正しからざれば則ち言順(げんしたが)わず、言順わざれば則ち事成らず、事成らざれば則ち礼楽(がく)興(お)こらず、礼楽興こらざれば則ち刑罰中(あた)らず、刑罰中らざれば則ち民(たみ)手足を措(お)く所なし。 故に君子はこれに名づくれば必ず言うべきなり。 これを言えば必ず行なうべきなり。 君子、其の言に於いて、苟(いやし)くもする所なきのみ。
神北(かんぺき)曰く、「先生、文章化するとは、国家を運営する上での組織作りということですか?」
子曰く、「そうだ! 国家と言っても社会と言っても一言で言えば、人の集まりだよ。 決まりごとがないと人は銘々自分の都合がいいように解釈して、身勝手な行ないをするものだよ!」
子貢曰く、「職名の明文化、つまり役割と権限と責任範囲を明確にすることが大切ですね!」
子曰く、「そうだ! 職務を文章に明確に書き表すことだよ!」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
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