本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート383」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
子曰く、「道端に倒れていた私を親切な親子が、担ぎあげて自宅に連れて来てくれたんだ。 その家は隙間風の入るあばら家だった。 特に寒い日でありながら、親子は火に当らず、私を火の近くに寝かせてくれたんだよ。 ・・・意識を取り戻した私に、『気がつかれましたね! ・・・お腹がすいているでしょう。 何もないですが・・・。』と優しい言葉をかけてくれた。 私は、アツアツのインスタントの具の入ってないラーメンを御馳走になったんだ。 今でもその味をしっかり覚えている。 このかけラーメンは、間違いなく熱湯をかけてフタしただけの日清のチキンラーメンだ。 この一杯のかけラーメンのお陰で、私は人の情けを知ったのだ。 私は、この親子の思いやりの心を感じて恕の心の大切さが身にしみた。 ・・・私は一晩をその家で過ごさせて頂いた。 その時の私は苦学生で、感謝だけでお礼も出来なかった。 その時受けた御恩を返そうと、社会人になってお金を得るようになってから、その家へ行ってみたのだが、その家は取り壊されて、さら地だけになっていた。 私はその親子の消息を探したが・・・結局のところわからずじまいだ。 私はその時の受けた恩を忘れないために、年の暮になると2~3日何も食べない日をつくっている。 何のためかと言うと、苦学中でひもじかったその時受けた御恩を終生忘れないためだ。 その時出されたかけラーメンを食べている時に、この上ない幸せを感じたんだよ! そう、子路の言う『幸せの味』がしたんだよ! ・・・これが私の一杯のかけラーメンの話だよ!」
子路曰く、「先生! 何度聞いてもいい話ですねぇ~。 思わず泣いちゃいます。 ・・・俺は、先生のこの手の話ならよくわかるんですが・・・ つい、先生になった気になっちゃって・・・先生、ごめんなさ~い~。 ワァー!ワァー!ワァー!」
子曰く、「泣くな! 子路! 知ったかぶりはいかんが、良きものを真似ることは、良くなりたいという欲求の表れだ。 子路のした行為が、人の心に響けば幸いだ。」
子貢曰く、「私は、そんな話があった事を知りませんでした。 今夜はとても冷えますが、この話を先生から伺って心が温まりました。 先生、先輩、回さん、ありがとうございます。」
顔回嗚咽しながら曰く、「先生~! オエ・・・オエ・・・ 子路先ぱ~い! オエ・・・ありが・・・オエ・・・とうございます~・・・オエ。」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
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