本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート380」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
子路(しろ)曰く、「回(かい)! その時、俺はお前に怨まれることをしたのか?」
顔回(がんかい)曰く、「先輩!違いますよ。 今でも感謝しても感謝しきれない御恩を感じています。 ・・・私は、その当時の先輩の思いやりの気持ちが嬉しいんです。 それが、私の他の人を思う時の恕の心のものさしになっているんです。」
子路曰く、「そういえば・・・お前、痩せこけて小さい割によく食う奴だったなぁ~。 俺はその位の事しか覚えてないよ。」
顔回曰く、「私は今でもその当時と変わらず貧しい暮しですが、無一文で、食いに行こうと言われても、病院代も払えませんので、返事も出来ずにいました・・・。 そんな私の事を察したのか、先輩は『おい、新入り、金の心配はするな! この子路様が、お前に腹いっぱい食わせてやる。 すぐ出かけるからさっさと起きろ!』と言ってくれました。 私は、人様からこんなに優しい言葉をかけてもらった事が無かったので、思わずベットの布団をかぶって泣いてしまいました。」
子路曰く、「おい、急に湿っぽくなってきたなぁ~。」
顔回涙にむせびながら曰く、「私は、布団から顔を出して、『先輩! まだ先生の講義中じゃないですか。 帰らなくては先生に叱られますよ!』と言いました。すると先輩は、『どうせそんな体で講義を受けても身に入らなきゃ力も出せないだろうよ! 講義は、またの機会もある。 今、飯を食わなきゃ講義どころじゃないぜ。 いいから俺に任せてついて来い!』 ・・・それで、バーミヤンに行ったんです。」
神北曰く、「先輩と回さんとの間には、そんな泣かせる過去があったんですか!」
子路曰く、「神北! そんな美談じゃないぜ! ・・・こいつが、腹が減り過ぎて倒れたものだから、先生が『医者に連れて行け!』と言うので、しょうがねぇ、仕方なく俺が連れて行ったんだ。 ・・・その時先生から、『これで病院代を払ってくれ』と金を渡された。 ・・・俺はその時『どうしようもない新入りが来たなぁ』と思ったが、先生が俺に『子路!顔回は、腹が減っているようだ。 病院の帰りに食事に連れて行き、腹いっぱい食べさせてやりなさい! お金が足りなければ子路が立て替えて、後で私の所へ取りに来てくれ。』と言われたんだ。 その時の先生とのやり取りはよく覚えている。」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
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