本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート316」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
明日の先生との約束を受けたものの、一抹の不安がよぎった。
それは、妻と子貢(しこう)とのツーショット写真である。
神北(かんぺき)曰く、「何故、子貢は俺の素性を知っていたのだろうか? もしかして、俺の素性は先生にバレていたのではないか? 妻の写真といい、先生のランチのお誘いといい、間が良すぎる。 やっぱり何かある。」
一夜明けて、身支度を整えた神北は、居酒屋「論民」での記念写真を持って出かけて行った。
途中、先生に手土産にと四越(よつこし)デパートに寄って、ねこ屋の栗ようかんを買って行った。
約束の30分前についた神北は、家人に控えの間に通された。
家人曰く、「神北さん、よくお越しいただきました。 主(あるじ)は、仕度中です。 お茶をお持ちしますので、今しばらくここでお待ち下さいませ。」
神北曰く、「はい! 失礼ですが、今日の会食は、先生と私だけでしょうか?」
家人曰く、「いいえ、もうお一方お呼びしています。」
神北曰く、「そうですか・・・ 私ともう一人ですか。」
家人曰く、「はい、では、ごゆるりと・・・」
神北曰く、「あっ・・・これ 先生に手土産です。」
家人曰く、「ありがとうございます。 神北さん、お気遣いなさらないで下さい!」
そうこうしているうちに、もう一人の客人が来られたようであった。
控えの間の窓越しから、渡り廊下の方を眺めていた神北の顔色が変わった。
家人に案内されて控えの間に入って来たのは子貢であった。
子貢入って来て曰く、「神北君、おはよう! 元気ですか? 一昨日はずいぶん飲んだね! しかし、思いがけず楽しかったよ。」
神北曰く、「はい、子貢さんとお近づきになれて私も光栄です。」
子貢、神北の肩に手を回して曰く、「お世辞なんか言わなくていいよ! お互い忌憚(きたん)のない話ができたんですよ。 これからは、孔家の門人として力を合わせていきましょうや! よろしく頼みます。」
神北心の中で呟いてい曰く、「肩に手を回して、上位に立とうとするやな奴だぜ!」
子貢曰く、「神北君、何か言いましたか?」
神北曰く、「いえ、何も言ってませんよ。」
子貢曰く、「あっそう。 何か、やな奴だと聞こえたもんでね・・・ まぁ、座って世間話でもしようや。」
神北曰く、「そうですね。」
神北心の中で呟いて曰く、「子貢、こいつ、霊能者か! 俺の心を読んでるな。」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
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