2010年11月26日金曜日

論語と算盤と天風哲学と電卓~論語創作ものがたり パート307

諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート307」だ。

諸君、昨日の引き続きであります。

子曰く、「子貢(しこう)、お前は、私が回(かい)だけ可愛がって、身贔屓(びいき)していると思っているのかい?」

子貢曰く、「はい、子路(しろ)先輩も、先生が『回よ、回よ』と言って回ばかり可愛がる! そんな回さんに嫉妬していたんです。 少なからず、私も嫉妬していました。」

子曰く、「ほう、子貢も回に嫉妬していたのかね! それは私も気付かなかった。 共に高めあう誠に良きライバルで、二人を見ていて頼もしく感じているんだ。 私亡き後の塾をしょって立つ人物は、回と子貢の二人に間違いないと思っている。」

子貢曰く、「先生のお気持ちも知らずに勝手なことを申し上げてすみません。 私は、率直に言って、無口で愚鈍な回さんばかり可愛がる先生の気持ちがわかりません。 総合講義中もずっと考えていました。 何故、後継者に回さんが選ばれたのか? やはり、先生は、回さんがただただ可愛いだけなんだと・・・ 正直なところ、先生にがっかりしたんです。」

子曰く、「それは、それは、がっかりさせて申し訳なかった。 では、何故回に決めたのか。 その理由を話すとしよう。 それは、子貢の今言った、無口で愚鈍なところだよ! それが、回に決めた理由だ。」

子貢曰く、「え~、それは本当ですか?」

子曰く、「そうだ。 以前に回と一日中一緒に居て、喋るのはこっちばかりで、彼は、無口で全く反論してこないし、こいつバカじゃないかと思いたくなることがあったんだよ。」

子貢曰く、「へぇ~。」

子曰く、「ところが、一旦引きさがってからの彼の行動を見ていると、私がハッと気付かされるようなことが何度もあったんだ。 回は、バカどころじゃないさ。 人間の賢愚や優劣の尺度は弁舌の才なんかではないんだよ。 あきれるほどの愚直な一途さなんだよ。」

子曰く、吾れ回と言うこと終日、違(たが)わざること愚(ぐ)なるが如し。 退きて其の私(し)を省(み)れば、亦た以って発するに足れり。 回や愚ならず。

この続きは明日また・・・。 
今日一日、真我とともにあらんことを

天意天風

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