本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート306」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
子貢(しこう)曰く、「はい、先生の洞察力とご配慮、恐れ入りました。」
子曰く、「子貢よ、それは意味の取り違えだ。 私は愛弟子に対しては、真心で接しているつもりだ。 かけ引きなどしようとは思っていない。 回(かい)や子貢に対しても同じだ。」
子貢曰く、「失礼なことを申し上げました。」
子曰く、「いやいや、気にすることは無い。」
子貢曰く、「昨日、回さんと飲んでいたんですが、今日の跡目相続の話は知りませんでした。回さんも驚いた様子でしたが、何故、回さんや愛弟子に内緒にしておかれたんですか?」
子曰く、「内緒にして隠すつもりはまったくなかったんだ。 まず、子路(しろ)に話をして、了解すれば、愛弟子を集めて、私の跡目を回に引き継いでもらおうと思っていたんだ。 しかし、話をしようにも子路が講義にも出てこない。 私のところにも顔を出さないので、やむにやまれずの、きょうの突然の発表となった次第だ。」
子貢曰く、「そうでしたか。 それで、回さんにお決めになったのは何故ですか?」
子曰く、「生きていれば、息子の鯉(り)が継ぐべきところだろうが、私は、はなっから身内を後継者にしようとは考えていなかったんだよ。 身内をのぞいた弟子の中からこれはという人物に引き継いでもらおうと決めていたんだよ。」
子貢曰く、「それで、何故回さんに?」
子曰く、「回は、私と苦楽を共にしてきた先進の一人だが、回に決めたのはそういう理由ではない。」
子貢曰く、「では、私でもチャンスがあったということですか?」
子曰く、「もちろんだ。 それは愛弟子全員に言えることだよ。」
子貢曰く、「そうですか。 で・・・回さんに決めた訳とは? 率直に話して頂けませんでしょうか。」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
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