本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート271』だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
子貢(しこう)は、主人留守中ではあるが、衛の実家に用向きがあってこちらへ来たこと、そして、当主の友人で突然ではあるが、奥方にぜひご挨拶をしたい旨を書状にしたため、家人に取り次ぐよう申し入れた。
しばらくして、家人の者より口上が述べられ、特別お目通りが許されて正門が開かれた。
ハンサムな神北(かんぺき)だけに子貢は奥方はどんな美人かとイメージをふくらませていたが、実のところ奥方はしもぶくれのおたふく顔で小太りの女性であった。
しかし、今の美人感と異なり、その当時では、このような女性が見目(みめ)麗(うるわ)しい美人として持てはやされていたのだ。
子貢の好みは、目鼻立ちがはっきりした、スレンダーな女性が好みであったので、子貢の勝手な期待を裏切られることになったが、一たび対座して話をすると、かなりの弁舌家で話術も巧みな才女であった。
奥方は子貢の真意を探るようであったが、孔子の門弟の一人であることを包み隠さず潔く伝えたため、奥方も子貢の誠実さに心打たれて事情を話してくれた。
神北は、奥方だけには、どこで何をしているのか伝えていたのである。
祝鮀(しゅくだ)は娘婿に「弟子となって孔子塾に潜入せよ! 孔子を祝鮀の政治顧問となるようつなぎをつけよ! また、弟子の中で、これはという逸材を見出し渡りをつけよ!・・・等々」であった。
そして、衛の霊公が重い病にかかっており、今にも命が危ういという情報を得た。
祝鮀は、霊公が亡くなれば、衛は家督争いで、国が乱れることを恐れ、その対処方法を孔子に相談したかったのである。
それを食い止めるためにも、孔子のコンサルティングが不可欠との祝鮀の判断とのことであった。
子貢は、奥方に対面して、神北(かんぺき)と祝歓迎は間違いなく同一人物であることが明らかになった。
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
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