本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート270』だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
従者曰く、「屋敷の周りを掃除している祝(しゅく)家の下男らしき者に聞いたんですよ! 『ダンナ様いや、御主人様は御在宅ですか?』と」
子貢(しこう)曰く、「ほう、それで。」
従者曰く、「下男が『ダンナ様はお仕事で御留守をされている』と返事が返ってきたんですよ。 そこですかさず、お金をちらっと見せて人相書きを出して『ちょっとこれを見てくれよ』と同時に下男の袖の下にお金を入れたんです。 『いいよ』と言って下男の奴はニヤッと笑っていやがった。 そこで『人相書きの御仁はお前のご主人様か』とたずねたんです。 そうしたら、下男曰く、『良く似てる。 多分うちの旦那様だろう』と言うんですよ。」
子貢曰く、「唐変木! よくやった。 誉めてやるぞ!」
従者曰く、「へえ、どうも。」
子貢曰く、「なんだその手は? 褒美(ほうび)でもくれとでも言いたいのか?」
従者曰く、「旦那様、心付けで結構です。」
子貢曰く、「お前ってやつは抜け目がないな! ギャンブルに使うんじゃないぞ! 女房、子供の土産に使うんだぞ。 ほら、もっていきな!」
従者曰く、「こんなに頂けるんですか! ありがとう存じます。」
子貢曰く、「明日、私が出向いて祝家に届けものをしよう! 今一度、本人かどうか奥方に確認して来るとしよう!」
従者曰く、「旦那様、主(あるじ)は留守ですよ! それに内密の仕事じゃないんですか?」
子貢曰く、「わかっている! とにかく、奥方に会ってくるよ。」
明けて、子貢は正装の身支度をして、従者を引き連れ、実家の店の極上の酒と魯の特産品を持って祝家に赴いたのである。
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
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