本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)~論語創作ものがたり パート55」だ。
子貢(しこう)、仁をなさんことを問う。 子曰く、「工そのことをよくせんと欲せば、必ずまずその器を利にす。 この邦(くに)に居るや、その大夫の賢者に事(つか)え、その仁者を友とす。」とある。
「子貢(しこう)よ、うでの良い大工はいい仕事をするために、大工道具の手入れに余念がない。 決して使いっぱなしにして、粗末にはしないものだ。 まずノミやカンナを砥ぎ、いつでも自らの手のごとく使えるようにすることだ。 腕の良い大工と手入れの良い大工道具の例えのごとく人間の身と言い、心と称するものは、真我の命が現象の世界に活きゆくための一切方便を行なわんがための命の要具なんだよ。 ただこれを巧みに調整行使して、ひたすらその性能の完全なる発現を促進するぞと決心することだ。 そして、どこに行ってもこれはと思う良師に学び、仁徳のある志士を友人に選びなさい。」
子貢曰く、「はい、至らぬ私ですが、精一杯努力いたします。」
諸君、ところは変わって、居酒屋「ざ・論民」であります。
顔回(がんかい)曰く、「これ、亭主、連れももうすぐ来る。 二階で待たせてもらいたい!」
「はぁ、二階は、履物(はきもの)を脱いでもらいますが!」
「それはかまわぬ、他の客と顔を合わせぬ部屋はないのか?」
「へえ、パーテーションで間仕切りした小部屋がありますが、そこでよろしいでしょうか?」
「ああ、そこにしてくれ!」
「へぇ~い、かしこかしこまりました。 では、お二階へどうぞ!」
「お気に入りのナンバーの下駄箱に入れて下足ふだをお持ち下さい。」
顔回、「“こ”の一番」の下駄箱に入れ、下足ふだを取り、そそくさと二階のパーテーションで間仕切られた小部屋に入った。
掘りごたつ式になったテーブル座敷に座り、ため息ひとつ大きくついた。
その後は身じろぎもせず、なにやら物思いにふけっているかのようだ。
そしてブツブツと一人ごとをはいた。
「僕も先輩のおごりなら喜んで一杯飲みたいし、おいしいもの食べたいんだ。 何故、子路先輩は、僕だけ宴会に呼んでくれなかったんだろうか?」
この物語の続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
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