本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)~論語創作ものがたり パート46」だ。
諸君、一昨日の続きだね。
顔回(がんかい―回かい)が近くに来ると、蜘蛛の子(くものこ)を散らしたようにその場から立ち去って行く塾生が増えていった。
中には、先輩の顔回の顔を見て睨み返して去っていく門人もあった。
さすがの穏やかな顔回も、身に覚えのない陰湿な態度に憤りと疑念を抱いていたが、孔子先生には、そんな様子は一切見せなかった。
そんな最中、帰宅の途中で、後ろから呼び止める声がする。
孔子先生の御用で留守にしていた子貢(しこう)であった。
子貢曰く、「回さん、ご苦労さまです! お帰りですか?・・・ 回さんどうしたんですか? 元気がないじゃないですか? 体の具合でも悪いんですか?」
回曰く、「子貢君、君は私と口をきいてもいいのかい?」
「はぁ~? 何をバカなことを言っているんですか? 同門の子貢ですよ! 回さんとてもお疲れのようですね! 私の留守中に何かあったんですか?」
「私にもよくわからないんだ!」
「わからないって、どういうことですか?」
「突然、子路(しろ)先輩や神北(かんぺき)君が口をきかなくなったんだ。 私が挨拶や声をかけると、すぐその場を立ち去るんだ。 君の留守中から他の門下生も同じ態度をとるようになったんだ。 先生のいらっしゃるところではさすがにそれはないが、先生が立ち去るとすぐに私を無視しだすんだよ。 気にとめないようにしているんだがね! さすがにまいっているんだ。」
「そうですか。 回さん、何か心当たりはありますか?」
「私は普段通りで、思い当たるところがないんだよ。」
「回さん、これから私は孔子先生のところにご報告にあがるところです。 もし、お急ぎでなければ、留守中に私の当番を回さんに代わっていただきました。 お礼に一献(いっこん)差し上げたいが、いかがでしょうか?」
「子貢君、これについては先生には話さないでくれたまえ。」
「承知しました。 回さん、久しぶりに飲みながら、お互い忌憚(きたん)のない話をしませんか?」
「子貢君、ありがとう! では、君のご厚意に甘えて、そうさせて頂くことにするよ。」
「それでは、回さん、居酒屋『ざ・論民』をご存知ですね! そこの2階でPM7:00に待ち合わせしませんか? もし私が遅れるようでしたら、先に飲んでいてかまいませんから! 勘定は私に任せて下さい! 時間に間に合うように急いで行きますから、待っていて下さいな!」
「いや、子貢君、君が来るまで待たせてもらうよ!」
「回さん、あいかわらず律儀ですね。 では、後ほど・・・」
この物語の続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
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