本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく) パート15」だ。
諸君、「論語」に
「己に克って礼に復(かえ)るを仁となす。一日己に克ち礼に復(かえ)れば天下仁に帰す。仁をなすは己に由(よ)りて人に由(よ)らんや」とある。
ここで言う「己」とは、天風の言うところの本来の自己、自我の本質ではない。
「自心という己の心」のことである。
「己に克つ」とは、つまり「克己心(こっきしん)」のことである。
「仁の心」は、自分がしようとしてできるもので、決して他人の力に頼ったり依存するものではない。
「天は自ら助くるものを助く」という諺がある。
本来の克己心とは、この言葉の裏がえしでもある。
「天は自らの心に克つものを助く」とも換言できうる。
両方の言葉からも、人生他力のみをあてにしては断然だめであるということを、合点せしめてくれていると言わねばならない。
渋沢哲学いわく、
「己が物我の己であるとすれば、克己心とは自分だけの主観に勝つ心である。 物我の己を制して常に本然の性-正常な客観の立場に立ち返らせるのである。 こうしてみると克己に最も必要なものは強固な意志の力であり、この力を善用すれば、常に克己は出来る。」
言うに及ばず、これについては何の異論もない。
天風哲学でいうと、克己心とは、
「正心誠意を以って、為されざる事柄というものは、たとえそれがいかに立派そうに見えても、断然人の世のためになるという尊い結果を作為しない。 況(いわん)や、人々の共同幸福のために努力しようとするには、崇高なる克己心というもの・・・すなわち自己に打ち克つ心が、これもまた何より必要である。」
この話の続きは明日また・・・では。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
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