諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート308」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
子貢(しこう)曰く、「先生! それが決め手なんですか?」
子曰く、「そうだ! 私亡き後の孔子一門を引っ張っていける一番の資質を回(かい)のそれに見出したんだよ。」
子貢曰く、「先生、それを知っていて何故、私ども愛弟子に話してくれなかったんですか?私は先生から話を聞いていれば、回さんの跡目襲名を心から祝えたのですが・・・」
子曰く、「それは、私の勝手な一存だ。 でもいいんだよ。 私のことを理解してくれなくてもいいのだ。 天が知っておられれば・・・」
子貢曰く、「どうしてですか。 大勢の弟子が先生の人となりを知っていますよ。 それに先生は有名人じゃないですか。」
子曰く、「子貢よ! 名が知られていることと、私のことを心から理解してくれていることとは別だ。 天を恨まず、人を咎めず、コツコツ精進して学問を究めてきた私の努力を理解して下さるのは天だけだろう。」
子曰く、我を知ること莫(な)きかな。 子貢曰く、何為(なんす)れぞ其れ子を知ること莫(な)からん。 子曰く、天を怨みず、人を尤(とが)めず、下学(かがく)して上達す。 我れを知る者は其れ天か。
子貢曰く、「先生、回さん、子路(しろ)先輩を理解するよう努めます。 今は、回さんに嫉妬したことを恥じております。 先生、お許し下さい!」
子曰く、「許すも許さぬもない! 子貢よ、これからも力になってくれ。 よろしく頼む。」
子貢曰く、「こちらこそよろしく御指導下さい!」
子曰く、「それで、用向きの報告のことだが・・・ 神北(かんぺき)の素性がわかったかね?」
子貢曰く、「はい、わかりました。」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート307」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
子曰く、「子貢(しこう)、お前は、私が回(かい)だけ可愛がって、身贔屓(びいき)していると思っているのかい?」
子貢曰く、「はい、子路(しろ)先輩も、先生が『回よ、回よ』と言って回ばかり可愛がる! そんな回さんに嫉妬していたんです。 少なからず、私も嫉妬していました。」
子曰く、「ほう、子貢も回に嫉妬していたのかね! それは私も気付かなかった。 共に高めあう誠に良きライバルで、二人を見ていて頼もしく感じているんだ。 私亡き後の塾をしょって立つ人物は、回と子貢の二人に間違いないと思っている。」
子貢曰く、「先生のお気持ちも知らずに勝手なことを申し上げてすみません。 私は、率直に言って、無口で愚鈍な回さんばかり可愛がる先生の気持ちがわかりません。 総合講義中もずっと考えていました。 何故、後継者に回さんが選ばれたのか? やはり、先生は、回さんがただただ可愛いだけなんだと・・・ 正直なところ、先生にがっかりしたんです。」
子曰く、「それは、それは、がっかりさせて申し訳なかった。 では、何故回に決めたのか。 その理由を話すとしよう。 それは、子貢の今言った、無口で愚鈍なところだよ! それが、回に決めた理由だ。」
子貢曰く、「え~、それは本当ですか?」
子曰く、「そうだ。 以前に回と一日中一緒に居て、喋るのはこっちばかりで、彼は、無口で全く反論してこないし、こいつバカじゃないかと思いたくなることがあったんだよ。」
子貢曰く、「へぇ~。」
子曰く、「ところが、一旦引きさがってからの彼の行動を見ていると、私がハッと気付かされるようなことが何度もあったんだ。 回は、バカどころじゃないさ。 人間の賢愚や優劣の尺度は弁舌の才なんかではないんだよ。 あきれるほどの愚直な一途さなんだよ。」
子曰く、吾れ回と言うこと終日、違(たが)わざること愚(ぐ)なるが如し。 退きて其の私(し)を省(み)れば、亦た以って発するに足れり。 回や愚ならず。
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート306」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
子貢(しこう)曰く、「はい、先生の洞察力とご配慮、恐れ入りました。」
子曰く、「子貢よ、それは意味の取り違えだ。 私は愛弟子に対しては、真心で接しているつもりだ。 かけ引きなどしようとは思っていない。 回(かい)や子貢に対しても同じだ。」
子貢曰く、「失礼なことを申し上げました。」
子曰く、「いやいや、気にすることは無い。」
子貢曰く、「昨日、回さんと飲んでいたんですが、今日の跡目相続の話は知りませんでした。回さんも驚いた様子でしたが、何故、回さんや愛弟子に内緒にしておかれたんですか?」
子曰く、「内緒にして隠すつもりはまったくなかったんだ。 まず、子路(しろ)に話をして、了解すれば、愛弟子を集めて、私の跡目を回に引き継いでもらおうと思っていたんだ。 しかし、話をしようにも子路が講義にも出てこない。 私のところにも顔を出さないので、やむにやまれずの、きょうの突然の発表となった次第だ。」
子貢曰く、「そうでしたか。 それで、回さんにお決めになったのは何故ですか?」
子曰く、「生きていれば、息子の鯉(り)が継ぐべきところだろうが、私は、はなっから身内を後継者にしようとは考えていなかったんだよ。 身内をのぞいた弟子の中からこれはという人物に引き継いでもらおうと決めていたんだよ。」
子貢曰く、「それで、何故回さんに?」
子曰く、「回は、私と苦楽を共にしてきた先進の一人だが、回に決めたのはそういう理由ではない。」
子貢曰く、「では、私でもチャンスがあったということですか?」
子曰く、「もちろんだ。 それは愛弟子全員に言えることだよ。」
子貢曰く、「そうですか。 で・・・回さんに決めた訳とは? 率直に話して頂けませんでしょうか。」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート305」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
30分ほどして先生が、書院の間に入ってこられた。
子曰く、「子貢(しこう)、待たせたね!」
子貢曰く、「いいえ、先生もお疲れのところ、わざわざ私の為にねこ屋の栗ようかんを買いに行かれたと家人の方よりうかがいました。 お気遣い申し訳ありません。」
子曰く、「いやいや、今朝がたはバタバタしてしまって、うっかり家人に言いつけるのを忘れたまでだ。 特別気遣いなどはしておらんよ!」
子貢曰く、「今日の総合講義の中で、子路(しろ)先輩が私に気遣いをされていると言っておられ、先生も『そうだ。』と答えられました。 私は、先生に気を遣わせてしまう何かがあるのでしょうか?」
子曰く、「私は、子貢に気遣いをしている訳ではない! もちろん、親しき仲にも礼儀というものはある。 しかし、愛弟子に対しては私流の『恕の心』を表したまでだ。」
子貢曰く、「先生流の『恕の心』ですか。」
子曰く、「そうだよ! 私流の思いやりだ。 私がそうしたくて、しているだけだよ。 それは気遣いじゃない!」
子貢曰く、「では、何故先生は、子路先輩に『気を遣っちゃった』と言われたんですか?」
子曰く、「それは子路の気質をよく知った上でのことだよ。」
子貢曰く、「先輩の気質を知った上で・・・」
子曰く、「子路は、ああ見えて、後輩思いの優しいところがある。 子貢もわかっているだろうが、自分一番じゃなければすまないお山の大将だ。 そんな性格から、彼には、心を割って素直に話が出来る友人が一人もいないんだよ。 私は立場上では、師と弟子の関係であるが、子路とは、心を割って話せる一番の友人でありたい。 私より、九つ下で、実の弟ぐらいの年だ。 身内にもできないほど、命がけで私を守ろうとしてくれる奴だ。 私はその心に、私流の『恕の心』で子路に報いたいのだ! 彼に報いるとは真の友人として言いたいことを言える遠慮のない間柄でいることなんだよ。 何をしでかすかわからない奴だが、守らなきゃならない大切なものがある時、彼は分別を弁(わきま)えながらも必死で守ろうとする。 その時の子路は、士たりえているんだよ。 私はそんな子路が大好きなんだ。 子貢よ、わかってもらえるだろうか?」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート304」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
しばらくして、下男が戻って来て曰く、「子貢(しこう)さん、先生は只今着替えてられておいります。 先生から『待たせてすまんが、着替えが済み次第すぐ行く。』とのことです。 もうしばらくお待ちください。」
子貢曰く、「はい、お待ちしております。 使い立てをして申し訳ありませんが、待たせている私の下男に2時間ほどかかるので、食事に行って来るように伝えて下さいませんか。」
家人下男曰く、「はい、わかりました。 お伝えしますが、お付きの方のお食事はこちらでご用意させて頂きますので、ご心配なさらないで下さい!」
そこに家人の下女がお茶を持って入って来た。
家人下女曰く、「お茶をお持ちしました。」
家人下男曰く、「さあさあ、お茶が来ました。 もうしばらくくつろいでお待ち下さい。」
子貢曰く、「あっこれ! 私の大好物です!」
家人下男曰く、「はい、子貢さんが来られうから、講義の後、寄り道されて、ねこ屋の栗ようかんを買って来られたそうです。 それで遅くなってしまったと言っておられました。」
子貢曰く、「え~、私の為にわざわざ買いに行かれたんですか?」
家人下男曰く、「はい、先生らしいですよ!」
子貢曰く、「先生は、私に気を遣っておられるのですね。」
家人下男曰く、「いえいえ、気を遣っておられるというより、先生はそういう方なんですよ。」
子貢曰く、「はい、そうですよね!」
家人下男曰く、「それでは、私はこれで失礼します。 ごゆっくりどうぞ。」
子貢呟いて曰く、「先生は私をそんなに気遣っておられたのか・・・」
先生のさり気ない気遣いに熱いものがこみ上げてくる子貢であった。
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート303」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
子貢(しこう)曰く、「大変とは、何かあったんですか?」
家人下男曰く、「子路(しろ)さんのお部屋にカギがかかっていて、ドアを叩いても起きないんですよ! それで、先生自ら寮に来て、私がバールでドアをこじ開けて入ったんですよ。」
子貢曰く、「どうして、そんな無茶なことをしたんですか?」
家人下男曰く、「先生の御命令なんです。 中に入ると、押し入れの中で子路さんが高いびきで寝ていたんです。 ずいぶんとお酒を召し上がったようで、部屋の外まで酒臭くてたまりませんでした。」
子貢心の中で呟いて曰く、「さもあらん。 論民でずいぶん飲んだからな!」
子貢曰く、「それで、先生、どうされたんですか?」
家人下男曰く、「呼んでも起きないものですから、業を煮やした先生は、私にバケツに水を汲んで来るように言われまして、そのバケツをとって、子路さんの口に流し込んだんですよ! それで殺されると子路さんが飛び起きたんです。 先生はすかさず、耳元でバケツを叩いて追い打ちをかけんたんですよ。」
子貢曰く、「ひどいことをしますね! 先生がしたこととは、到底思えません! それって本当のことですか?」
家人下男曰く、「はい、御止したんですが、『かまわん!』と言われて・・・」
子貢曰く、「そうですか。 そうまでして子路先輩に話したかったことは?」
家人下男曰く、「はい、跡目相続を回さんにするための承諾です。」
子貢曰く、「そうですか。 先生は、回さん贔屓(びいき)ですからね!」
家人下男曰く、「いえいえ、先生の肩をおもみしている時に、『回と子貢は良きライバルだ! 私亡き後は、この二人が孔子塾を引っ張っていってくれる。 私は良き弟子を持った。』と嬉しそうに話してくれましたよ。」
子貢曰く、「え~、先生はそんなこと言ってたんですか!」
家人下男曰く、「はい!」
正門の外で馬の嘶(いなな)く声が響いた。
家人下男曰く、「先生の御帰りです! 子貢さんが来られていることを伝えてまいります。 では、失礼します。」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート302」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
総合講義で子路(しろ)に槍玉(やりだま)に挙げられた子貢(しこう)であったが、実は孔子先生の言葉に傷つき、心の中の孔子先生に反面していた。
子貢心の中で反面して呟いて曰く、「『いつもは回(かい)にライバル心むき出しの負けず嫌いの子貢にしては、バカにしおらしい返事だったからね。 私も気を遣っちゃってね! “子貢よ、そうだろうな。 お前ばかりか、私だって回には及ばないもんなぁ”と慰めてやったそうだ。 そうですよね、先生!』・・・『そうだ! そのように子貢に話をしたよ。』・・・先生は俺に気を遣われていたんだ。 子路先輩も子路先輩だ。 何も大勢の弟子の前で恥をかかせなくったっていいじゃないか! 俺は先生に嫌われているんだろうか?」
得心がいかない憤りと、先生のためならという気概が崩れ落ちそうになっていた。
しかし、神北(かんぺき)の素性についての報告の義務を果たすべく孔子の自宅へ向う子貢であった。
孔子先生は、従者を伴っての帰宅の途中であった。
子貢の大好物のねこ屋の栗ようかんを従者に買いにいかせたため、帰宅がおくれたのであった。
一足早く着いた子貢は、家人に書院の間に通された。
子貢曰く、「先生は、まだお戻りになられていないのですか?」
家人下男曰く、「はい、まだお帰りになられていません。 先生も朝から寮にお出かけになったので、疲れてどこぞで休んでおられるのでしょう。 子貢さん、お茶をお持ちしますから、しばらくここでお待ち下さい!」
子貢曰く、「え~、先生、何か寮に用があたんですか?」
家人下男曰く、「はい、子路さんが、この頃自宅にも顔を見せないもので、私が呼びにやらされたんですよ。 それからが大変だったんですよ!」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート301」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
子路(しろ)曰く、「諸君、ここには孔子一門の主だった者が集まっている。 跡目は顔回(がんかい)に決まった。 しかし、門弟の中で『俺が跡目をとるにふさわしい』と思ってる奴もいるんじゃないか? 不服のある奴は今すぐ出て来い! ・・・子貢(しこう)、宰我(さいが)、閔子騫 (びんしけん)、伯牛(はくぎゅう)、仲弓(ちゅうきゅう)、冉有(ぜんゆう)、子游(しゆう)、子夏(しか)、お前ら本音はどうなんだ? 子貢、お前はどうだ?」
子貢曰く、「私は、回(かい)さんで異存ありません!」
子路曰く、「まちがいないな! ファイナルアンサー」
子貢曰く、「ファイナルアンサー! 回さんで異存ありません!」
子貢を除いた7名揃って曰く、「回さんで異存ありません!」
子路曰く、「先生、これで後顧(こうこ)の憂(うれい)が無(な)くなりました。」
子曰く、「子路よ、手数をかけたありがとう!」
宰我曰く、「それでは、子路寮長、花束をお二人にどうぞ!」
子路曰く、「回よ、おめでとう! 何かあっても無くても、この子路様に相談に来いよ!」
顔回曰く、「はい! では早速、あの水着の美女はどなたですか?」
子路曰く、「ああ、あの二人はコンパニオン! お前のために頼んだんだ! ありがたく思え。」
顔回小声で曰く、「先輩、電話番号聞いといて下さいよ。 今後ともご指導のほど宜しくお願い致します。」
宰我曰く、「それでは今一度、盛大な拍手をお願いします。」
会場に拍手の音が響き渡る。
宰我曰く、「これにて、孔子塾塾生総合講義、終わらせて頂きます。」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート300」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
子路(しろ)引き続き曰く、「神北(かんぺき)、お前、俺の話が済むまで、そこで会場に向いて立ってろ! では、話の続きだ。 先生がおっしゃるには、『いつもは回(かい)にライバル心むき出しの負けず嫌いの子貢(しこう)にしてはバカにしおらしい返事だったからね、私も気使っちゃってね!“子貢よ、そうだろうな。 お前ばかりか、私だって回には及ばないもんなぁ”』と慰めてやったそうだ。 そうですよね、先生!」
子曰く、「そうだ! そのように子貢に話をしたよ。」
子貢うつむいたまま曰く、「無言!」
子路曰く、「塾生諸君! 先生は弟子の君たちには、お気づかいをされているんだぞ! ありがたく思いなさい! ・・・ところが、俺については『同類』なんだ。 諸君! 『同類』と言う意味は、君たちと俺とは、扱いが違うということだ。 今朝、先生が俺にいきなりひどいことをするもんで、俺もカッときて、『先生は顔回(がんかい)と子貢には優しいですね! 俺にすることとは、ずいぶんと違うじゃないですか? 仁者たるもの、基本的人権を侵害してもいいんですかいね!』と言ったんだ。 諸君! 先生は、何と言われたと思うかね! ・・・先生は、やさしい眼差しでこう言われたんだ。 『それは子路の偏見というものだ。 私は子路だから遠慮がいらないのだよ!』 ・・・よく聞いたか? 俺に対しては、遠慮がいらないんだぞ! 君たちと俺との違いは、歴然としただろう。 俺は更に先生に念を押したんだ。 『それ、先生の本心ですか?』 先生は間髪いれずに、『 Yes I do. 』 と答えたんだぜ。 君たちにはお気づかいをされているんだ。 先生と俺は遠慮がいらない、人間孔子と人間子路の間柄ってこと、このやり取りでわかってもらえたと思う。」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート299」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
子路(しろ)続けて曰く、「会場の諸君! 子貢(しこう)はこう答えたんだ。 『私なんかとても彼とは比べものになりません。 彼は一を聴いて十を知りますが、私は二まで知るのがせいぜいです。』と答えたんだ。 子貢、そう答えたんだよな!」
子貢曰く、「はい、そう答えました。 先輩、ここは裁判所で私は被告人ですか?」
子路曰く、「そうだ! 被告人子貢君、俺はここでは寮長じゃないぞ。 検事長だ!」
子貢曰く、「無言!」
子路曰く、「子貢、返事はどうした。 口がきけなくなったのか?」
子貢曰く、「無言!」
子路曰く、「黙秘権かよ! 小利口なやつは嫌だね! おい、子貢、自分には嘘はつけないぞ!」
子貢曰く、「無言!」
子路続けて曰く、「そうだ、会場の俺の話を聞いている神北(かんぺき)! 隠れてないで、俺の前に出てこいや!」
神北ドキッとしてつぶやいて曰く、「いいかげんにしろや! 俺が何で隠れにゃいかんのだ!」
子路続けて曰く、「神北! 手を上げて返事をしろ!」
神北手を上げて曰く、「はい、子路大先輩! 神北はここにいます!」
子路続けて曰く、「小股の切れ上がったいい男! 早くこっちに出て来いよ!」
神北、会場の注目を浴びながら、演壇の手前に来て、孔子先生、顔回に一礼して、子路の所に向かった。
子路続けて曰く、「会場の諸君! こいつが神北です! とても気が利くいい奴です。 俺の弟分だ。 可愛がってやってね!」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート298」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
会場の後ろで子路(しろ)のスピーチを聞いていた神北(かんぺき)に、周りの者の視線が集まった。
神北、居たたまれずに下を向いてつぶやいて曰く、「先輩、先生の前で暴露しちゃって・・・ 俺はどうしたらいいんですか! 勘弁して下さいよ!」
子路続けて曰く、「『弟子は皆可愛いんだよ!』と言うから、この俺も弟子の一人だ。 『俺はどうなんですか?』と聞いたんだ。 そうしたら、先生は、『子路よ! 私とお前は同類だ!』と言われたんだ。 俺が期待していたことは、『もちろんお前も可愛いに決まっている。』とこう言ってほしかったんだ。 俺はすかさず、『何が同類なんですか?』と聞き返したんだ。」
司会進行役宰我(さいが)曰く、「子路寮長、花束贈呈式なんですが・・・ 孔子先生、顔回先生がお立ちのままなので、スピーチは手短にお願いします!」
子路曰く、「うるせ~宰我! ここからがいいところなんだ。 黙って聞いてろ!」
子曰く、「宰我、ここは、子路の思いのたけをきこうじゃないか。」
宰我曰く、「はい。 先生と顔回補佐がよろしければ、かまいませんが・・・」
顔回、両手の拳(こぶし)をにぎりしめて、孔子先生の申し入れに同意してうなずいた。
宰我曰く、「それでは、子路寮長、お話の腰を折ってすみません。 続きをどうぞ・・・」
子路続けて曰く、「先生が、子貢(しこう)に『お前と一歳年上の顔回とはどっちが優秀かね?』と問うたんだ。 おい、子貢。 お前、先生にそう問われたんだろう。」
子貢うなずきながら曰く、「はい、先輩、そうです!」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート297」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
司会進行役宰我(さいが)曰く、「会場の皆様、子路(しろ)寮長による花束贈呈であります。 孔子先生、顔回(がんかい)先生、壇上中央にお越し下さい。」
孔子、顔回、起立して魯国の国旗に一礼し、演壇に向かう。
子路が大きな花束を持たせた、何故か水着姿の美女二人を伴ってやって来た。
スタンドマイクのマイクをはずして、子路会場の塾生に向かって曰く、「会場に御集りの諸君! 私が子路です。」
会場から割れんばかりの拍手が起こる。
子路続けて曰く、「昨日飲み過ぎたので手短に話をする。 顔回は俺より二十一年(とし)が離れた兄弟弟子だ。 塾生諸君も俺から言わせれば、全員弟弟子だ。 俺は昨日まで、顔回のことを面白くなく思っていた。 先生は、顔回ばかりをひいきして、可愛がるもんで、年甲斐もなく顔回に焼きもちをやいていたんだ。 何かと先生の前で、いい子ぶりっ子する顔回が鼻もちならなかったんだ。 口達者な子貢(しこう)がしばらく留守をするというので、これ物怪(もっけ)の幸(さいわ)いで、新入りの神北(かんぺき)を使って、『顔回を無視せよ!』と諸君に命令したのはこの俺だ。 諸君も知っている通りだ。 俺も先生が寮に来られた今朝まで、顔回が先生の跡目を継ぐことになることなど、まったく知らなかった。 しかし、先生の話を伺うと、もっともなことだと思ったんだ。 先生も今年に入って長男の鯉(り)を亡くされた。 先生御自身の亡き後の孔子塾の行く末や、塾生のお前らのことをいたく心配されておられる。 今朝、先生が俺に『孔子一門を顔回に任せて引退しようと思う。 それについて、俺に力になって欲しい。』と頼まれたんだ。 俺は、『先生は、顔回が一番可愛いんですね。』と聞いたら、『そうかもしれんが、私を信じて慕ってくれる弟子達は皆可愛いんだよ!』と言ってくれた。 お前ら、この後が肝心なところだからよく聞けよ!」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート296」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
子曰く、「塾生諸君! 真理にのっとった正義の実現を目指し、道徳を身につけ、慈愛の心を持ち、学問やスポーツを楽しむ。 万物の霊長たる人間としてせっかく生まれたからには、そんな日常を過ごしてもらいたいものです。
子曰く、道に志 (こころざ)し、徳に依(よ)り、仁に依り、芸に游(あそ)ぶ。
続けて子曰く、「ともかく、人生を善く生きるには、愚直なくらい真っ直ぐに生きるのが一番だよ。 悪知恵を働かせて羽振りを利(き)かせている者を見ると、羨(うらや)ましくなるかもしれないが、そんな者を羨ましむことなんか、これっぽっちも持つ必要はないんだよ! そういう連中は、いまのところマグレ当りで禍(わざわい)を免(まぬが)れているに過ぎないんです。 必ず天の法則にしたがって作用と反作用があるんです。 諸君なら理解できるはずです。 『善く生きる』の話は、これで終わります。」
司会進行役宰我(さいが)曰く、「孔子先生、ありがとうございます。 会場の皆様、今一度盛大な拍手をお願いします。」
会場中に割れんばかりの拍手の音が響く。
宰我曰く、「それでは、本日の総合講義、これにて終了します。」
子路(しろ)心の中でつぶやいて曰く、「お、おい! ちょっと待ってくれよ! 花束贈呈式はないのかよ!」
子曰く、「宰我! ちょっと待ってくれたまえ!」
宰我曰く、「はい、先生! 何でしょうか?」
子曰く、「子路が、顔回(がんかい)と私にお祝いの花束を贈呈してくれるのだ。」
宰我曰く、「はい、わかりました。 会場の皆様、子路寮長より、孔子先生、顔回先生にお祝いの花束を贈呈したいとのことです。 御席を立たないで、今しばらくお待ち下さい! 子路寮長! 御準備出来ましたら合図をお願いします。」
子路曰く、「宰我、俺にも一言お祝いのスピーチをさせてくれ!」
宰我曰く、「はい、わかりました。 すぐスタンドマイクを用意します。」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート295」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
子路(しろ)心の中でつぶやいて曰く、「まったく先生は、いつも俺を出しにして、自分ばっか上目線でいながら遜(へりくだ)ってカッコつけるからなぁ~。 おとなしく黙って聞いてりゃぁ~、え~何だって、『私はお年寄りには安心され・・・』 自分がもう十分年寄りの仲間に入っていることわかんねえのかなぁ~。 人前だから若いふりしちゃって、今朝がた『子路も私もお互い歳をとったなぁ。』と言っていたじゃないか! まぁ~先生には、いつまでも元気でいて欲しいが・・・ しかし、顔回(がんかい)って奴は、万人受けする出来過ぎ君の返答だ! あいつ、先生の前ではいい子ぶりっ子しやがって、もっと本音をぶつけりゃいいのに。 昨日のビールピッチャー一気飲みの回(かい)が俺は好きだね! 人前じゃあ、毒にも薬にもならない奴だぜ!」
子曰く、「諸君、私は、黙々と過去の偉人、聖人、君子を探究し、気長に学び、学んで得たことを人に教えて飽きない。 よくもまぁ~、倦(う)まず弛(たゆ)まずして飽きずにきた自分を誉め励ましながら、こんな自分を自分の取り柄として、生涯持ち続けていくつもりです。 この頃は、他に何の欲もなくなりました。」
子曰く、黙(もく)してこれを識(しる)し、学びて厭(いと)わず、人を誨(おし)えて倦(う)まず。何か我に有らんや。
子路心の中でつぶやいて曰く、「年とったんだよ!」
続けて子曰く、「私は、道徳心が失われていくこと、精神に有益な学問が廃(すた)れていくこと、正義を知っていながら他人に無関心となり見て見ぬふりをして実行する者がいないこと、悪いと知っていながら誰も改めようとしないこと、社会がそんな状態になっていくのが私の一番の心配ごとです。」
子曰く、徳の脩(おさ)めざる、学の講ぜざる、義を聞きて徙(うつ)る能(あた)わざる、不善の改むる能わざる、是れ吾が憂(うれ)いなり。
孔子先生は、演壇の横に置かれた水差しのグラスを取り、水をゆっくり注いで、喉を潤す程度に一口ふくみ、間を取るようにゆっくりグラスを置いた。
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート294」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
司会進行役宰我(さいが)曰く、「顔回(がんかい)先生、塾頭補佐、並びに孔子塾跡目襲名、誠におめでとうございます!」
顔回、会場の拍手に応え、深々と一礼する。
残念なことに、この襲名式より、3ヵ月後に顔回は、風邪をこじらせ、肺炎がもとで四十一歳の若さでこの世を去ることになる。
孔子の死の三年前である。
宰我曰く、「それでは、孔子先生、本日のテーマ『善く生きる』です。」
子曰く、「え~、本日この壇上にいます子路(しろ)と顔回とでこんな話のやりとりをしたんです。『お前達それぞれに、いますぐなれるとしたら、どんな人物になりたいかね。 私になりたい自分像を聞かせてくれないかい?』と聞きました。 この会場の弟子諸君も子路や顔回のように自分に問うてみて欲しい。 すると先輩の子路は『車馬やブランドの服や毛皮のコートを惜しみなく友人と貸し借りし、ボロボロにされたって少しも気に掛けない、そんな太っ腹な人間になりたいものです。』と胸を張って答えたよ。 顔回は、『善行を自慢せず、苦労を他人に押し付けない。 そういう謙虚な人に成りたいです。』と例によって、手短な模範解答をしたよ。 すると子路が『では、先生は?』と訊くから、『そうだな、私はお年寄りには安心され、友人からは信頼され、年少者からは慕(した)われるような者に成りたいのもだなぁ。』と答えました。 諸君等は、何と答えますかな?」
顔淵(がんえん)・季路(きろ)侍(じ)す。 子曰く、盍(なん)ぞ各々(おのおの)爾(なんじ)の志(こころざし)を言わざる。 子路曰く、願わくは車馬(しゃば)衣裘(いきゅう)、朋友(ほうゆう)と共にし、これを敝(やぶ)るも憾(うら)み無からん。顔淵曰く、願わくは善に伐(ほこ)ること無く、労を施すこと無からん。 子路曰く、願わくは子の志を聞かん。子曰く、老者(ろうしゃ)はこれを安んじ、朋友はこれを信じ、少者はこれを懐(なつ)けん。
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート293」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
司会進行役宰我(さいが)曰く、「皆様、御静粛にお願いします。 司会の私も突然のことで、何も聞かされておりません。 多少動揺しております。 1~2分ほどお時間を下さい。 その間、皆様ここで肩の力を抜いて深呼吸をして頂いて、リラックスしてお待ち下さい!」
宰我、孔子先生の所へ駆け寄る!
宰我曰く、「先生、驚きました・・・ 回(かい)さん、襲名おめでとうございます!」
顔回(がんかい)曰く、「私も会場へ来てわかったことです。 自分が一番驚いています。」
子曰く、「これでいい! これでいい! このサプライズがたまらないんだ。」
宰我曰く、「先生、回さんに襲名の御挨拶をして頂かなくてもよろしいですか?」
子曰く、「それはそうだ! 回よ、晴れの舞台だ、塾生諸君に挨拶してきなさい。」
顔回曰く、「私、こういう場が一番苦手なんです。 他の人に代わってもらえないでしょうか?」
子曰く、「回よ! この期に及んで何を言うか! 腹をくくれ! さあ、挨拶に行って来なさい。」
司会進行役宰我曰く、「それでは、皆様、お待たせいたしました。 孔子塾後継者、塾頭補佐顔回先生の御挨拶です。 会場の皆様、拍手でお迎え下さい! では、顔回先生、どうぞ。」
顔回は震える足を気持ちで押さえながら演壇に向かう!
顔回曰く、「え~、本日は晴天なり! 本日は晴天なり! テスト、テスト! ただいまマイクのテスト中! え~、塾生の皆様、高いところより失礼します。 只今孔子先生より御指名を頂きました顔回です。 私も突然のことでありましたので、大変驚いております。 身に余る光栄ですが、それにもまして責任の重さを、今は痛感しております。 子路(しろ)先輩を差し置いての後継でありますが、子路大先輩の御推挙もありました。 子路先輩、お心遣い、誠にありがとうございます。」
子路、心中で呟いて曰く、「・・・俺は何も推挙なんかしてないぜ! 先生から今朝聞いたばかりだ! 回の奴、意外と調子いいんだからな! ま~、いいか。」
続けて顔回曰く、「塾生の皆様、ふつつか者ですが、いく久しくお引き立てのほど宜しくお願い致します。」
会場から万雷の拍手が起こる。
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート292」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
子曰く、「多少腫れているが、それがどうしたんだ?」
顔回(がんかい)曰く、「芸能人は目が命! 私の取り柄は、この『澄んだクリクリおめめ』なんです!」
子曰く、「回(かい)よ! 大した腫れじゃない。 相変わらず、いい男だぞ!」
顔回曰く、「先生がそうおっしゃって頂けるのなら自信が持てます!」
子曰く、「子路(しろ)もお前が孔子塾の跡目を継ぐことを快く承諾してくれた。 お前の後ろ盾になってくれる! 子路、そうだね!」
子路曰く、「おうよ! 可愛い弟弟子だからな! 俺がついてる! 何も心配するな。 お前の跡目を邪魔するやつは、俺が俺が許さん! 首根っこひっ捕まえてへし折ってくれるわ!」
子曰く、「おいおい、乱暴なことをするんじゃないぞ! では子路よ、回よ頼むぞ。」
子路、顔回揃って曰く、「はい!」
先生は、席を立ち、演壇に向かう。
子、演壇のマイクを取って曰く、「諸君、元気ですか! 孔子であります。 本日は、孔子塾総合講義でありますが、その前に私より重大な発表があります。 私も来年には数え七十の古希(こき)を迎えます。 孔家一門の発展のためにも、儒学精神普及のためにも、そろそろ私の跡継ぎを指名する時機がが訪れました。 諸君には、突然のことですが、私なりに、考えに考えて、心を無にしての結論に至りました。 この場を借りて、後継者を発表します。」
会場から、割れんばかりの大歓声とどよめきがおこる。
司会典礼役宰我(さいが)曰く、「会場の皆様、御静粛にお願いします!」
子、続けて曰く、「それでは発表します。 私の跡目を継ぐ者は・・・」
会場は一瞬静まり返る。
「孔子塾徳行科担当講師、顔回! であります。」
顔回起立して、会場に向かって深々と一礼をする。
会場から、塾生皆起立し、万雷の拍手が起こる。
子、続けて曰く、「今のところは、塾頭補佐として、私の代わりを務めてもらいます。 諸君、まだまだ若い未熟者ですが、塾生諸君の厚いご厚情を頂き、孔子塾発展のために御力を貸して頂きたい! 私からも切に希望するものであります。 以上。」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート291」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
ここは、神農廟大ホールであります。
午後12時半から開場され、始まる1時半頃には満席で、立ち見が出るほどの盛況ぶりであった。
四科十哲の面々もステージに上がり、着席した。
宰我(さいが)曰く、「本日の司会進行役の孔子塾司会典礼役兼弁舌担当講師の宰我です。 どうぞよろしくお願いします。」
会場から盛大な拍手がおこる。
宰我曰く、「では、皆様、御静粛にお願いします。 孔子塾塾生総合講義、演題は『善く知る』です。 孔子先生、お願い致します。
子曰く、「宰我君、講義の前に、10分程度、時間を頂けないかね? 塾生の諸君に重大な発表があります。」
宰我曰く、「はい、わかりました。 会場の皆さん、孔子先生から重大な発表があります。 そのままお待ち下さい!」
会場の後ろに来ている神北(かんぺき)曰く、「今日はどうしたことだ! あの子路(しろ)先輩がフォーマルスーツで壇上にいる。 回(かい)さんも子貢(しこう)君もだ。 昨日、飲んでいる時には、誰も一言も言っていなかったじゃないか。」
ステージ上の席にかけている顔回(がんかい)小声で曰く、「先生! 先生! これはどういうことですか? 私、何も知らされていないのですが・・・」
ステージ上の子曰く、「回よ、何も案ずるな! これは私からの回へのサプライズだ! 今日の総合講義は、回の塾頭補佐の襲名式を兼ねている。」
ステージ上の顔回曰く、「襲名式ですか?」
ステージ上の子曰く、「そうだ! わかりやすく言えば、私の跡目相続式だ。」
ステージ上の顔回曰く、「え~、そうなら、深夜まで飲むんじゃなかった! 先生、私のまぶた、腫れてないですか?」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート290』だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
子曰く、「そうだ! 『ガンガン』と『ニコニコ』だ」
子路(しろ)く、「何ですかこれは? ・・・士がどうして、『ガンガン』と『ニコニコ』なんですか?」
子曰く、「『ガンガン』、『ニコニコ』なら、士と言えるだろう。 友とはガンガンと励まし合い、兄弟とはニコニコ接することだよ。 わかるかな?」
子路く、「わかりかねます!」
子曰く、「それだ。 その態度を改めなさい! 仏頂面(ぶっちょうづら)で言ったのでは、ただでさえ人相が悪いのに、周りの者は恐がってしまうぞ! いいかね子路、普段はいつもニコニコ笑顔でいなさい! お前の一挙手一投足が塾生に良くも悪くも影響を与えているのだぞ。 後輩には、ガンガンと励ましてあげなさい。 ガンガンとは、勢いの盛んな様を言うんだ。 それが子路の士としての態度だよ。」
子路く、「はい。」
子曰く、「子路のそのような態度なら、後輩は信頼してついて来るからな!」
子路く、「ご享受ありがとうございます。」
子路問いて曰く、「如何(いか)なるをか斯(こ)れこれを士と謂うべき」。 子曰く、「切切偲偲怡怡如(せつせつししいいじょ)、士と謂うべし。 朋友子路には切切偲偲、兄弟(けいてい)には怡怡如」。
「トントン トントントン」 スタッフ叩くドアの音。
「ギィー」 ドアの開く音。
スタッフX、半ドア越しで曰く、「先生、そろそろお時間です。 ステージの方へお越し下さい。」
子曰く、「はい、すぐまいりましょう!」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート289」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
神農廟大ホール会場、午後1時であります。
子路(しろ)が司会典礼用のフォーマルスーツを着て大きな花束を2つ抱え、スタッフ通用口から入って曰く、「おい君、そこのスタッフさん、孔子先生の控室はどこかね?」
スタッフ曰く、「孔子先生の関係者の方ですか?」
子路曰く、「そうだ! 孔子先生の一番弟子の子路様だ。」
スタッフ曰く、「ああ、あなたが、かの有名な子路さんですか。」
子路曰く、「おい、お兄さん。 俺ってそんなに有名なのか?」
スタッフ曰く、「はい、巷では、無鉄砲で乱暴者! 怒らせたら何をするかわからない御仁ということで・・・」
子路曰く、「なに~い!」
子路、ここでぐっとこらえて心の中で呟いて曰く、「今日は、回(かい)の記念すべき日だ! 今日一日、決して怒るまいぞ!」
子路曰く、「君は実に正直ものだ!」
スタッフ曰く、「はい、友人からもそう言われています。 子路さんは、噂で聞くのと、会って話してみるのとでは違いますね!実物は渋くてカッコイイです。 孔子先生の控室はステージの真裏の一番奥になります。」
子路曰く、「ああ、そうかね、このステージの裏だね! ありがとう。」
子路、独り言を呟いて曰く、「俺って渋くてカッコいいんだ! 今日、バッチリきめているからなぁ!」
トン トン トン トン
子路曰く、「先生、子路です。」
子曰く、「子路か、入って来なさい!」
子路曰く、「失礼します。」
子曰く、「おいおい、何だその大きな花束は?」
子路曰く、「これですか? これは、先生と顔回に襲名のお祝いの花ですよ! ステージで渡そうと思いましてね。 花屋にとびきりのものをセレクトさせました。」
子曰く、「それはそれはよく気が利くね! 回も喜ぶだろう。 スタッフに渡しておきなさい。 花束贈呈の場を設けよう!」
子路曰く、「先生、とりこんでいるところすみませんが、御伺いしたいことがあります。」
子曰く、「着替えながらで構わないなら言いたまえ!」
子路曰く、「俺は、巷で『無鉄砲で乱暴者! 怒らせたら何をするかわからない御仁』ということで有名だそうです。 自分は常に士たらんとして振舞っているのですが、私を見て先生は正直どう思われますか?」
子曰く、「巷の噂を気にしているかい?」
子路曰く、「まあ・・・ いえ、気にしていません!」
子曰く、「子路よ、以前にも触れたことがあるね! 改めて、士とは、どういう者のことかわかるかね? これがわかると、どんな態度が士としてふさわしいかわかるというものだ。」
子路曰く、「先生、それを伺っているんですが・・・」
子曰く、「よ~く聞けよ! それは『ガンガン』と『ニコニコ』だよ!」
子路く、「『ガンガン』と『ニコニコ』ですか?」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風