諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート321」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
子曰く、「まあまあまあ、子貢(しこう)よ、そう話急ぐな。 前菜が来たぞ。」
そこへ、家人下男と下女が前菜を持って入って来た。
家人下男曰く、「お待たせしました。 航空便でオマール海老と一緒に生ガキと舌平目が届きましたので、御賞味下さいませ。 前菜の生ガキです。 レモンを絞ってカクテルソースでお召し上がり下さい!」
子曰く、「これはこれは、私の好物の一つです。 さあ、子貢(しこう)、神北(かんぺき)君、召し上がって下さい!」
子貢曰く、「最初は何もつけずにそのまま、潮騒の香りにのせて生ガキ本来の味を楽しむのが私は好きです。」
神北曰く、「私もそうです。 素材本来の味を確かめてから、料理の味を楽しみたいので、活きのいいものは生で食べるようにしています。」
子曰く、「ほうほう、それはそれは、二人ともなかなかの食通だね! 私は、そんな理屈より口の中に入れた瞬間、この何とも言えないカキのプリプリ感と海のミルクの独特の風味がたまらないね!」
子貢その言葉じりをとらえて曰く、「先生こそずいぶんと語りますね!」
子笑って曰く、「そうだな! 美味しいものを心おきない者と一緒に食べると、つい思わず語ってしまうんだ。 普段の食事は一人で食べているから、余計なおしゃべりをせずに、静かに食べ物と食べられることへの感謝をしつつ味わって食べていますよ。」
神北曰く、「今日は、せっかくの御馳走ですから、楽しい会話をしながら味わいたいものですね!」
子くつろいで曰く、「さあさあ、お次が来ましたぞ!」
下男が運んで来て曰く、「次は先ほどの舌平目のパイ包みです。 こちらは、ムール貝、たこ、芝海老、イカ等と海藻が入りました海鮮サラダです。 どうぞお好みのドレッシングでお召し上がり下さいませ。 先生は、ノンオイルの梅じそドレッシングでお願いします。」
子曰く、「はい、お気遣いありがとう! わかりましたよ。」
神北曰く、「先生、コレステロールを気にされているんですか?」
子曰く、「神北君、私は、何を隠そう、実はマヨラーなんだよ!」
神北曰く、「マヨラーなんですか!」
子曰く、「若い頃は、何にでもマヨネーズをつけて食べていたんだ。」
神北曰く、「へぇ~」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート320」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
迎賓の間では、円卓のテーブルが用意されていた。
子曰く、「さあ、二人とも座ってくれたまえ。 まずは食前酒で乾杯しよう。」
三人ともグラスを取った。
子曰く、「三人の出合いに、そして、それぞれの御両親に、それぞれの御先祖様に・・・ では、乾杯!」
子貢(しこう) 、神北(かんぺき)揃って曰く、「乾杯!」
子曰く、「神北君、今日の料理はフレンチだが・・・ 君の趣向に合いますかな?」
神北曰く、「はい、大丈夫です。」
子曰く、「今日は、フランスから空輸で極上のオマール海老が入ったとかで、フレンチになったと料理長が言っていたぞ。 メインはオマール海老だが、君の趣向に合いますかな?」
神北曰く、「はい、大丈夫です。」
子貢曰く、「神北君、私は衛の国の実家に帰ってましてね!」
神北曰く、「はい、そうですか。」
子貢曰く、「私の国の実家は、造り酒屋なんですがね。」
神北曰く、「はい、そうですか。」
子貢曰く、「実家に帰ってのんびりしている時に、とある所で、絶世の美女にめぐり会ったんですよ・・・」
神北曰く、「はい、そうですか。 それで・・・」
子貢曰く、「その女性は、気品があって、また気さくでね。 また話上手なんすよ。」
神北曰く、「ああ、そうですか。 それで・・・」
子貢曰く、「その女性は、結婚されているんですがね・・・ 御主人は魯の国に出張中だということで、留守でした。 ぜひ御主人にお会いしたかったんですがね・・・」
神北曰く、「はい、それで・・・」
子貢曰く、「奥様に伺ったところ、この御主人は、イケメンで、武芸全般に長(た)けていて、頭脳明晰で、仕事が出来る。 衛でもその名を知れる切れ者だそうですよ。」
神北曰く、「はい、それで・・・」
子貢曰く、「私は、そんな人物に是非面識を持ちたかったので、今度お帰りになられたおりには、ぜひ一度お会いしたいと、お奥様にお願いしたんでよ。」
神北曰く、「そんな方なら、私もぜひ一度お目にかかりたいものです。」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート319」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
子貢(しこう) 曰く、「そうです。 もう一つの顔は、何を隠そう・・・」
神北(かんぺき)曰く、「それは何ですか? 子貢さん、もったいをつけないで下さいよ。」
子貢曰く、「何を隠そう、先生はスーパー霊能者なんです!」
神北曰く、「スーパー霊能者! どういうことですか?」
子曰く、「おいおい、子貢よ、勝手につくっていはいかんよ。 私はそんなことを言っておらんぞ!」
子貢曰く、「でも先生、まんざら嘘ではないでしょう。」
神北曰く、「先生、この写真は、間違いなく心霊写真ですか?」
子曰く、「間違いない、本物だ。」
神北曰く、「では、この少年は誰ですか?」
子曰く、「私の霊感では、これは少年時代の子路(しろ)であろう。」
神北曰く、「では、この少女は・・・」
子曰く、「この少女は、写真の角度によって、少女にも、大人の女性にも、また、この角度から見ると、老女にも見えてくる。 この少女はおそらく、人間ではあるまい。 なにかの精霊の類(たぐい)であろう。」
子貢曰く、「では、先生、神北君の顔の横のこれは何ですかね?」
子曰く、「これは、 物の怪(もののけ)の類であろう。 多分、少女につき従う眷族(けんぞく)であろうよ。」
子貢曰く、「眷族ですか?」
子曰く、「そうだ。 少女の使い走りってとこかな。」
神北曰く、「先生、写真一枚見て、どうしてわかるんですか?」
子貢曰く、「神北君、先生は先ほどから、『私の霊感では・・・』と言っておられるだろう。」
神北曰く、「霊感ですか? ・・・先生、それはどうやったら得られるんでしょうか?」
子曰く、「まあ、それはともかく今日は、神北君との親睦もかねて、ランチでも食べて雑談でもするとしようぞ。」
そこへ家人の下女が入って来た。
下女曰く、「御主人様、お食事の用意がととのいました。 迎賓の間へお越し下さいませ!」
子曰く、「はい、すぐいきます。 御苦労様。 ・・・では諸君、まいろうか。」
子貢、神北そろって曰く、「はい、御馳走になります。」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート318」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
子曰く、「二人ともずいぶん盛り上がっているようだね。 何か面白いことでもあったのかい?」
子貢(しこう) 曰く、「はい、一昨日、回(かい)さんと私で居酒屋に飲みに行ったおり、偶然隣の部屋に子路(しろ)先輩と神北(かんぺき)君も飲みに来てまして、ひょんなことから合流して四人で飲んだんです。 その折に、閉店間際に四人と店のものとで記念写真を撮ったんです。 神北君が、昨日、講義が終わった後で、写真を取って来てくれたんです。 たまたま写真を今日持って来てくれて、私にも頂いたんです。・・・ その写真が面白いんですよ。」
子曰く、「ほう、そうかね。 面白い写真とは、私も見てみたいね!」
子貢曰く、「先生、よかったら見て下さい! 回さんいい顔して写っていますよ。」
子曰く、「それはそれは、よかった。」
孔子先生は、出された写真を手に取り、顔を前に出し写真をのぞきこんだ。
子曰く、「皆いい顔してるね! ・・・ 子貢よ、子路の横に少年がいるね! ここにも少女がいるね! ・・・どうして子供がいるのかね? 子供はこんなところにいちゃいかんよ! もう寝てる時間だろうが・・・ 男女七歳にして、居酒屋に席を同じゅうせず!」
子貢曰く、「先生、居酒屋に子供はいませんでしたよ! ところが写真に写ってたんですよ。」
子曰く、「子貢、もしかしてこれは心霊写真か!」
神北無言でうなずいた。
子貢曰く、「そうかもしれません。 ・・・先生、ここ見て下さい!」
子曰く、「神北君じゃないか。」
子貢曰く、「神北君の顔の隣に・・・写っているでしょ。」
子曰く、「何だこれは? ・・・ 心霊写真に間違いないな。」
子貢曰く、「神北君、実は先生にはもう一つの顔があるんですよ!」
神北曰く、「もう一つの顔ですか?」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート317」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
神北(かんぺき)曰く、「子貢(しこう)さん、昨日の総合講義の後で居酒屋「論民」に寄って、記念写真を取ってきました。 4枚頂いてきましたので、一枚持って行って下さい。」
子貢曰く、「そうですか。 それはご苦労様です。 では早速見てもいいですか?」
神北曰く、「はい。 どうぞ、どうぞ!」
子貢曰く、「あっ、回(かい)さん、いい顔してますね! あっ、これ何ですか? 子路(しろ)先輩の横に立っている少年は・・・」
神北曰く、「それなんですよ。 ・・・ここも見てくれますか。 ここです!」
子貢曰く、「これは、少女の顔ですね。」
神北曰く、「そう見えますよね! 私の顔の隣にある、黒い毛むくじゃらな足があるでしょう。」
子貢曰く、「神北君、この写真は、一体何ですか? ひょっとしてこれ心霊写真ですか?」
神北曰く、「子貢さん、子路先輩の子供の頃の話は本当のことだったんですよ!」
子貢曰く、「例の林間学校の怪談話ですか。」
神北曰く、「子路先輩が、写真を撮られるのを嫌がっていたのは、これを見ればわかるような気がしますよ!」
子貢曰く、「そうだね。 しかし何故、君の顔の隣に毛むくじゃらな足があるんだろうね。例の親父グモに好かれたのかねぇ・・・」
神北曰く、「冗談よして下さいよ! たまたまですよ!」
子貢大声で叫んで曰く、「神北君! 君の後ろ・・・」
神北曰く、「えっ・・・ 後ろですか・・・」
子貢曰く、「振り向かないほうがいい・・・ 君の後ろに例のものが・・・いる。」
神北曰く、「えっ・・・冗談でしょ! まさか本当に・・・」
子貢曰く、「僕の方を見て、例の少女と親父グモがニコニコ笑ってるよ。」
神北青ざめて曰く、「俺もう子路先輩と絶対一緒に写真撮りませんから!」
子貢曰く、「神北君は、意外と怖がりなんだねぇ~ 何もいやしませんよ。」
神北曰く、「子貢さん、もう脅かさないで下さいよ!」
子貢曰く、「悪い悪い、ついからかってみたくなっただけだよ。」
そこへ、孔子先生が、入ってこられた。
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート316」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
明日の先生との約束を受けたものの、一抹の不安がよぎった。
それは、妻と子貢(しこう)とのツーショット写真である。
神北(かんぺき)曰く、「何故、子貢は俺の素性を知っていたのだろうか? もしかして、俺の素性は先生にバレていたのではないか? 妻の写真といい、先生のランチのお誘いといい、間が良すぎる。 やっぱり何かある。」
一夜明けて、身支度を整えた神北は、居酒屋「論民」での記念写真を持って出かけて行った。
途中、先生に手土産にと四越(よつこし)デパートに寄って、ねこ屋の栗ようかんを買って行った。
約束の30分前についた神北は、家人に控えの間に通された。
家人曰く、「神北さん、よくお越しいただきました。 主(あるじ)は、仕度中です。 お茶をお持ちしますので、今しばらくここでお待ち下さいませ。」
神北曰く、「はい! 失礼ですが、今日の会食は、先生と私だけでしょうか?」
家人曰く、「いいえ、もうお一方お呼びしています。」
神北曰く、「そうですか・・・ 私ともう一人ですか。」
家人曰く、「はい、では、ごゆるりと・・・」
神北曰く、「あっ・・・これ 先生に手土産です。」
家人曰く、「ありがとうございます。 神北さん、お気遣いなさらないで下さい!」
そうこうしているうちに、もう一人の客人が来られたようであった。
控えの間の窓越しから、渡り廊下の方を眺めていた神北の顔色が変わった。
家人に案内されて控えの間に入って来たのは子貢であった。
子貢入って来て曰く、「神北君、おはよう! 元気ですか? 一昨日はずいぶん飲んだね! しかし、思いがけず楽しかったよ。」
神北曰く、「はい、子貢さんとお近づきになれて私も光栄です。」
子貢、神北の肩に手を回して曰く、「お世辞なんか言わなくていいよ! お互い忌憚(きたん)のない話ができたんですよ。 これからは、孔家の門人として力を合わせていきましょうや! よろしく頼みます。」
神北心の中で呟いてい曰く、「肩に手を回して、上位に立とうとするやな奴だぜ!」
子貢曰く、「神北君、何か言いましたか?」
神北曰く、「いえ、何も言ってませんよ。」
子貢曰く、「あっそう。 何か、やな奴だと聞こえたもんでね・・・ まぁ、座って世間話でもしようや。」
神北曰く、「そうですね。」
神北心の中で呟いて曰く、「子貢、こいつ、霊能者か! 俺の心を読んでるな。」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート315」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
神北(かんぺき)非通知の電話を受けて曰く、「おい、もしもし、よく聞けよ! 勝手に電話をかけてきて、非通知はないだろう! え~、マナーってものがあるだろう! ボケ! プープー」
非通知の電話に腹を立てた神北は、一方的に切ってしまった。
神北イライラの極致達して曰く、「まったくもって・・・ 非常識の輩(やから)が多くなったものだ! まったく今日という日は、何なんだ! 明日は、お祓いに行こう!」
神北電話を受けて曰く、「はい、塾生の神北です!・・・」
電話をかけてきたのは、孔子先生であった。
子曰く、「神北さんですか?」
神北曰く、「はい、神北です。」
子曰く、「先ほどは、私から電話をしておいて、非通知電話をかけて申し訳ない!」
神北曰く、「え~、先ほどの非通知の電話は、先生だったんですか?」
子曰く、「そうだよ! 私も携帯を持つようになってから、却って不便を感じているんだよ!」
神北曰く、「それはまた、どうしてですか?」
子曰く、「しいて言えば有名税というものかねぇ~」
神北曰く、「有名税ですか?」
子曰く、「私も、世間では少しは名が知られるようになったと言うことかね! そのため、知人でもない者から電話がかかっくるんだよ! 『孔子せんせいですか? 私は先生の弟子の子路(しろ)さんの友人のまた友人の弟の友達なんですが・・・』というふうにね! かけてくる理由は様々だが、便利なはずの携帯電話にかえって翻弄されて、使われてしまうことになってしまった。 そのため、よほどの者でない限り、携帯の番号は教えない代わりに、こちらも予防策として非通知にしているんだよ。 それでも、どこできいたのか、見ず知らぬ者からの電話がかかってきてね! 持つのをやめようと思っているんだが・・・ 家人が『先生に何かあったら困ります』というので、一応、携帯している。 今はもっぱら直近の弟子にだけ、メールでやり取りしているだけなんだがね! そういうことで神北君、失礼したね!」
神北曰く、「はぁ~、こちらこそ、相手もわからずに、いきなり怒って一方的に電話を切って申し訳ありません・・・失礼をお詫びします。」
子曰く、「それでは、お互い様ということで許してくれ! ・・・それはそうと、これもまたいきなりですまんが明日午前11時半に私の所へ来てランチでも一緒にしないかな?」
神北曰く、「はい、私は構いませんが・・・ 何か私にお話があるんですか?」
子曰く、「いや、特別な用じゃないんだ。 私は神北君とお互いを知って打ち解けたい! 明日ランチい来てくれるかな?」
神北曰く、「いいとも! いえ、はい、喜んでお伺いします。」
子曰く、「では決まりだ。 明日11時半に待っているからね!」
神北曰く、「はい。」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート314」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
子路(しろ)からかかってきた電話に、話の途中で一方的に切られたことでさらにイライラのつのる神北(かんぺき)であった。
神北曰く、「今日、何と言う厄日だ! 先生と多くの塾生の面前で子路の暴露によって恥をかかせられ、記念写真を取りに行けば、毛むくじゃらな足が俺の顔の横にあるわ、女房から妙な写真が送られてくるわ、今日という今日は、天中殺と大殺界が同時に来たようなものだ! ちくしょう!」
そこへいきなり携帯電話の着信呼び出し音が鳴った。
ちなみに神北の着信音は、「イッツ ア スモール ワールド」である。
着信の相手は女房であった。
女房の電話に出ようとしたが、何故か、ワン切りであった。
すぐかけ直したが、何故か、女房は電話に出ない。
神北さらにさらにイライラして曰く、「俺は、何か得体のしれないものにひょっとして憑依されているのかもしれないぞ! お祓いしてもらわないとまずいな!」
そんなこんなで、たわいのないことをブツブツ独り言を言っている時にメールが届いた。
「ユー ガット ア メール・・・・」
神北の女房からのメールであった。
メール文「ダーリン、元気~ぃ? 私、私よ。 あなたのこと大好きなメグちゃんよ! 写真見たみたいね! どう? 驚いた? 一緒に写っているイケメン、あなたの友人の子貢(しこう)ちゃんよ。 ついこの前、私の自宅に来てね、仲良しになっちゃったの・・・ 子貢ちゃんがね、熱い眼差しで私を見つめてね、是非二人きりの写真が欲しいと言うのでOKしちゃったの。 ダーリンごめんね! 子貢ちゃん、プレゼントをいっぱい持って来てくれたので、つい嬉しくなって、あなたのこと全部ばらしちゃったの・・・ ダーリン、怒ってる? ごめんね。 では、お体気をつけて、お仕事がんばってね。 いとしのメグちゃんより。 バイビー」
神北メールを読んで曰く、「何じゃこりゃぁ~ いいかげんにせえよ~ 俺をなめとんのか~ あ~、めまいがする!」
そんな最中に神北の携帯に非通知の電話が入った。
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート313」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
神北(かんぺき)は、写真を見て、その時は動揺したものの、真相がわからないので、妻に電話をかけてみることにした。
「・・・ただ今電話に出ることが出来ません。 もう一度おかけ直しください。 プープー」
妻は電話に出なかった。
神北ちょっとイライラして曰く、「おい、有閑マダムさん、旦那様の電話に出なさいよ!」
神北こと祝歓迎(しゅくかんげい)は、気を取り直してメールすることにした。
メール文「ママお元気ですか? 出張中のあなたを愛しているダーリンです。 今日、郵便が届きました。 写真一枚入っているだけでしたが、これは何でしょうか? お暇らな、私の携帯にすぐお電話下さい! お待ちしております。」
神北ため息をついて曰く、「祝鮀(しゅくだ)の娘婿というだけで、何で俺が女房に気をつかわなきゃならないんだ! ああ~、やだやだ。」
しばらく電話を待っていたが妻からの返事は無かった。
そこへいきなり、子路(しろ)からの電話が入った。
神北は、子路からの電話を受けた。
子路曰く、「神北ちゃん元気! 昨日は遅くまで付き合ってもらってありがとさんよ!」
神北曰く、「いえ、こちらこそ、昨日は先輩と回さん、子貢さんと四人で思いがけなく一緒に飲むことが出来て楽しかったです。」
子路曰く、「おう、そうか! 今日は講義中に呼び出して悪かったな! 今日のことは、今朝からのなりゆきで、暴露してしまうことになっちまった。 神北、許してくれよ!」
神北曰く、「私も先輩の突然の発言に動揺しましたよ! でも、いつまでも隠しておくわけにはいきませんから、結果的には良かったんじゃないでしょうか。」
子路曰く、「おう、そうか! 神北ちゃんがそう言ってくれるなら嬉しいぜ!」
神北曰く、「先輩、それで私に何か用件があっての電話じゃないですか?」
子路曰く、「そうだ! そうだ! 実は先ほど俺の所に先生から電話があってな、『神北の携帯番号を教えてくれ!』と言うから、『本人に断ってからじゃないと教えられない。』と言ったんだ。 それで電話したんだ。」
神北曰く、「そうですか。」
子路曰く、「神北ちゃん! 先生に電話番号を教えてもかまわないか?」
神北曰く、「はい、別にかまいませんが・・・ どうして先生が私の電話番号を聞いてきたのですか? 先輩、理由を知っていたら教えて下さいよ!」
子路曰く、「俺は何も聞いていないから知らない! 先生から電話があったら直接話をしたらいい。 ではな・・・ ピッ」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート312」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
亭主曰く、「神北(かんぺき)はん! 何ぞ心当たりでもあるんですかいな?」
神北曰く、「いや、たいしたことではない。 それでわ写真をいただいて帰ります。 また四人で飲みに来させてもらいます。 京華(きょうか)さんに神北が『昨日は楽しかった。 ありがとう。』とお伝え下さい。」
亭主曰く、「へい、そりゃもう京華はん、喜びます。 伝えときますよ。」
神北曰く、「それでは、急ぎますのでこれで失礼します。」
亭主曰く、「それでは、またのお越しをお待ちしております。」
神北は、居酒屋「論民」を後にして、間借りしている商家の離れへと向かった。
神北ブツブツ独り言を言って曰く、「人の神霊写真は見たことあるが、自分が写っている写真に、それも俺の顔の横に毛むくじゃらの足が出てやがる・・・ 気持ち悪いぜ! どうして俺の隣なんだ?」
商家に着いて、裏口に回ろうとしたところで、店の手代に呼び止められた。
手代曰く、「神北さん、お店の方に手紙が届いております。 取りに来て下さい!」
神北曰く、「ああ、ありがとう! すぐに取りに行くよ。」
手紙を受け取った神北は、差出人を見て曰く、「妻からじゃないか! 何故手紙なんだ? いつもはメールで来るのにどうしたことだ。」
離れに入ると早速手紙の封筒を開けた。
一枚の写真だけがその中に入っていた。
神北独り言を言って曰く、「ゲェッ! なんじゃこりゃ!」
その写真には、あの子貢(しこう)とツーショットでピースまでして笑顔で写っている妻の姿があった。
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことん
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート311」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
総合講義を終えた神北(かんぺき)は、急いで会場を出て行った。
神北の向かった先は、昨日四人で飲んだ居酒屋「論民」である。
神北曰く、「まさか子路(しろ)が総合講義でばらすなんて・・・ まぁ、どうでもいいや~。」
居酒屋「論民」の店の前までやって来た。
玄関に「只今仕度中」の札がぶら下げてあった。
神北は、玄関の戸を開けて入っていった。
神北曰く、「こんにちは~!」
近くにいた店員曰く、「お客様、お店は只今仕込中です。 営業は午後の4時からです。」
神北曰く、「わかっているよ! 昨日、ここで飲んだ者です。 記念写真を頂きにきたんです! できていますか?」
店員曰く、「あっ、はい! ピッチャー一気飲みに見事成功された顔回(がんかい)さんのお連れの方ですね!」
神北曰く、「そうです!」
店員曰く、「少々お待ち下さい! 亭主を呼んでまいります。」
しばらくすると、亭主が茶封筒を持ってやって来た。
亭主曰く、「神北はん、毎度御ひいきにありがとさんでおます。」
神北曰く、「亭主! 写真はできておりますか?」
亭主曰く、「はい、皆様方、なかなかいいお顔で撮れていますよ!」
神北曰く、「そうですか! ちょっと見せてくれますか。」
亭主曰く、「はい、はいどうぞ。」
神北曰く、「亭主、昨日写真を撮った時に、ここに写っているこんな子供はいましたかね~?」
亭主曰く、「そうです! そのことなんですがね・・・ うちに、こんな子供はおりまへん! ここに毛むくじゃらなけったいな足、見えますか? それとここ見ておくんなはれ。」
神北曰く、「どこどこ?」
亭主曰く、「ここですがな。 ぼんやりして、はっきり写っておまへんが、もう一人女のお客さんの顔がありますな!」
神北曰く、「ゲェッ! 子路先輩の言っていたことは、本当だったんだ。」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート310」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
子曰く、「子貢(しこう)よ、お前の好みなぞ聞いてない。 どんな女性か、客観的な見解を言ってくれ!」
子貢曰く、「先生、どうしたんですか? 神北(かんぺき)の奥方に関心があるんですか?」
子曰く、「子貢、実のところ、お前は神北の奥方はどんな女性だろうと関心があったから会いに行ったんだろうが?」
子貢曰く、「ま~、はい、・・・そうです。」
子曰く、「それでどうなんだ?」
子貢曰く、「奥方は、見た目は、下ぶくれのおたふく顔で小太りの女性です。」
子曰く、「そうか、私好みだね! 当然のこと、写真は撮ってきたんだろうね!」
子貢曰く、「え~、はい。 先生は、ぽっちゃり系が好きなんですか?」
子曰く、「どちらかと言えばだ。」
子貢曰く、「私は、目鼻立ちがはっきりしたスレンダーな女性が好みです。」
子曰く、「子貢よ、お前の好みなんぞは聞いておらん! そんなことより、早く写真を見せなさい!」
子貢曰く、「はい、先生、デジタルカメラですから、ここから写真をおくって下さい。」
子曰く、「なんじゃこりゃ! ツーショットじゃないか。 しかも、お互いにピースなんかしちゃって・・・」
子貢曰く、「はい、記念に写真を撮りたいとお願いしましたら、心よく応じて頂けたものですから・・・」
子心の中で呟いて曰く、「子貢よ! 私は今、お前に嫉妬している。」
子貢曰く、「奥方と一度(ひとたび)対座して話をしてみると、かなりの弁才家で頭の回転の速い、才女でありました。」
子曰く、「いいね~、私の好みにピッタリだ! 奥方、なかなか可愛いじゃないか。 この笑顔がまたいいね~。 気に入った。」
子貢曰く、「先生、御言葉を返すようですが、先生の好みなど聞いておりません。」
子曰く、「おうおう、そうであったな・・・ 話を続けたまえ。」
子貢曰く、「衛の霊公が重い病にかかっており、今にも命が危ういとのことです。 父の祝鮀(しゅくだ)は、霊公が亡くなれば、衛は家督争いで国が乱れることを恐れて、その対処法を孔子先生に内密で相談したいとのことです。」
子曰く、「そうであったか。」
子貢曰く、「そんなこんなで、神北と祝歓迎は間違いなく同一人物です。」
子曰く、「子貢よ、御苦労であった。 早急に神北を呼んで話をしてみよう。 子貢も同席してくれたまえ!」
子貢曰く、「はい、わかりました。」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート309」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
子貢(しこう)曰く、「神北(かんぺき)は、衛の内務大臣祝鮀(しゅくだ)の娘婿で同じ祝(しゅく)で、名は歓迎(かんげい)です。」
子曰く、「そうか! 衛の祝の娘婿であったのか。」
子貢曰く、「はい。」
子曰く、「子貢よ! 何故そんな大事なことをすぐ報告しないんだ。 私の携帯電話の番号は知っているだろうよ!」
子貢曰く、「はい、そうですが、先生がお忙しいと思いまして・・・」
子曰く、「メールでもいいじゃないか。 まあ、それはよい。 ・・・続けてくれたまえ。」
子貢曰く、「はい、祝歓迎の自宅を突き止めて、神北と同一人物かどうか、祝の御内儀に直接会って確かめた方が早いと思い、書状をしたため、手土産を持ってお供をしたてて乗り込んだんです。」
子曰く、「ほうほう、子貢よ、なかなかやるじゃないか! それから、それから・・・」
子貢曰く、「はい、最初は私の事を警戒されておりましたので、孔子の門弟の一人であることを包み隠さず誠実に話をしました。」
子曰く、「ほうほう、それで・・・ 神北の奥方と会って何を話したんだ。」
子貢曰く、「奥方の言われる事には、神北は義父から『弟子となって孔子塾に潜入せよ!』と命を受けたとのことです。 目的は、『孔子を祝鮀の政治顧問となるようつなぎをつけよ!』 また『弟子の中でこれはという逸材を見出し、仕官させるべく渡りをつけよ』等々でありました。」
子曰く、「そうか、私の推理通りだな! それで奥方はどんな女性だ?」
子貢曰く、「どんな女性と言われましても、私の好みではありません。」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート308」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
子貢(しこう)曰く、「先生! それが決め手なんですか?」
子曰く、「そうだ! 私亡き後の孔子一門を引っ張っていける一番の資質を回(かい)のそれに見出したんだよ。」
子貢曰く、「先生、それを知っていて何故、私ども愛弟子に話してくれなかったんですか?私は先生から話を聞いていれば、回さんの跡目襲名を心から祝えたのですが・・・」
子曰く、「それは、私の勝手な一存だ。 でもいいんだよ。 私のことを理解してくれなくてもいいのだ。 天が知っておられれば・・・」
子貢曰く、「どうしてですか。 大勢の弟子が先生の人となりを知っていますよ。 それに先生は有名人じゃないですか。」
子曰く、「子貢よ! 名が知られていることと、私のことを心から理解してくれていることとは別だ。 天を恨まず、人を咎めず、コツコツ精進して学問を究めてきた私の努力を理解して下さるのは天だけだろう。」
子曰く、我を知ること莫(な)きかな。 子貢曰く、何為(なんす)れぞ其れ子を知ること莫(な)からん。 子曰く、天を怨みず、人を尤(とが)めず、下学(かがく)して上達す。 我れを知る者は其れ天か。
子貢曰く、「先生、回さん、子路(しろ)先輩を理解するよう努めます。 今は、回さんに嫉妬したことを恥じております。 先生、お許し下さい!」
子曰く、「許すも許さぬもない! 子貢よ、これからも力になってくれ。 よろしく頼む。」
子貢曰く、「こちらこそよろしく御指導下さい!」
子曰く、「それで、用向きの報告のことだが・・・ 神北(かんぺき)の素性がわかったかね?」
子貢曰く、「はい、わかりました。」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート307」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
子曰く、「子貢(しこう)、お前は、私が回(かい)だけ可愛がって、身贔屓(びいき)していると思っているのかい?」
子貢曰く、「はい、子路(しろ)先輩も、先生が『回よ、回よ』と言って回ばかり可愛がる! そんな回さんに嫉妬していたんです。 少なからず、私も嫉妬していました。」
子曰く、「ほう、子貢も回に嫉妬していたのかね! それは私も気付かなかった。 共に高めあう誠に良きライバルで、二人を見ていて頼もしく感じているんだ。 私亡き後の塾をしょって立つ人物は、回と子貢の二人に間違いないと思っている。」
子貢曰く、「先生のお気持ちも知らずに勝手なことを申し上げてすみません。 私は、率直に言って、無口で愚鈍な回さんばかり可愛がる先生の気持ちがわかりません。 総合講義中もずっと考えていました。 何故、後継者に回さんが選ばれたのか? やはり、先生は、回さんがただただ可愛いだけなんだと・・・ 正直なところ、先生にがっかりしたんです。」
子曰く、「それは、それは、がっかりさせて申し訳なかった。 では、何故回に決めたのか。 その理由を話すとしよう。 それは、子貢の今言った、無口で愚鈍なところだよ! それが、回に決めた理由だ。」
子貢曰く、「え~、それは本当ですか?」
子曰く、「そうだ。 以前に回と一日中一緒に居て、喋るのはこっちばかりで、彼は、無口で全く反論してこないし、こいつバカじゃないかと思いたくなることがあったんだよ。」
子貢曰く、「へぇ~。」
子曰く、「ところが、一旦引きさがってからの彼の行動を見ていると、私がハッと気付かされるようなことが何度もあったんだ。 回は、バカどころじゃないさ。 人間の賢愚や優劣の尺度は弁舌の才なんかではないんだよ。 あきれるほどの愚直な一途さなんだよ。」
子曰く、吾れ回と言うこと終日、違(たが)わざること愚(ぐ)なるが如し。 退きて其の私(し)を省(み)れば、亦た以って発するに足れり。 回や愚ならず。
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート306」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
子貢(しこう)曰く、「はい、先生の洞察力とご配慮、恐れ入りました。」
子曰く、「子貢よ、それは意味の取り違えだ。 私は愛弟子に対しては、真心で接しているつもりだ。 かけ引きなどしようとは思っていない。 回(かい)や子貢に対しても同じだ。」
子貢曰く、「失礼なことを申し上げました。」
子曰く、「いやいや、気にすることは無い。」
子貢曰く、「昨日、回さんと飲んでいたんですが、今日の跡目相続の話は知りませんでした。回さんも驚いた様子でしたが、何故、回さんや愛弟子に内緒にしておかれたんですか?」
子曰く、「内緒にして隠すつもりはまったくなかったんだ。 まず、子路(しろ)に話をして、了解すれば、愛弟子を集めて、私の跡目を回に引き継いでもらおうと思っていたんだ。 しかし、話をしようにも子路が講義にも出てこない。 私のところにも顔を出さないので、やむにやまれずの、きょうの突然の発表となった次第だ。」
子貢曰く、「そうでしたか。 それで、回さんにお決めになったのは何故ですか?」
子曰く、「生きていれば、息子の鯉(り)が継ぐべきところだろうが、私は、はなっから身内を後継者にしようとは考えていなかったんだよ。 身内をのぞいた弟子の中からこれはという人物に引き継いでもらおうと決めていたんだよ。」
子貢曰く、「それで、何故回さんに?」
子曰く、「回は、私と苦楽を共にしてきた先進の一人だが、回に決めたのはそういう理由ではない。」
子貢曰く、「では、私でもチャンスがあったということですか?」
子曰く、「もちろんだ。 それは愛弟子全員に言えることだよ。」
子貢曰く、「そうですか。 で・・・回さんに決めた訳とは? 率直に話して頂けませんでしょうか。」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート305」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
30分ほどして先生が、書院の間に入ってこられた。
子曰く、「子貢(しこう)、待たせたね!」
子貢曰く、「いいえ、先生もお疲れのところ、わざわざ私の為にねこ屋の栗ようかんを買いに行かれたと家人の方よりうかがいました。 お気遣い申し訳ありません。」
子曰く、「いやいや、今朝がたはバタバタしてしまって、うっかり家人に言いつけるのを忘れたまでだ。 特別気遣いなどはしておらんよ!」
子貢曰く、「今日の総合講義の中で、子路(しろ)先輩が私に気遣いをされていると言っておられ、先生も『そうだ。』と答えられました。 私は、先生に気を遣わせてしまう何かがあるのでしょうか?」
子曰く、「私は、子貢に気遣いをしている訳ではない! もちろん、親しき仲にも礼儀というものはある。 しかし、愛弟子に対しては私流の『恕の心』を表したまでだ。」
子貢曰く、「先生流の『恕の心』ですか。」
子曰く、「そうだよ! 私流の思いやりだ。 私がそうしたくて、しているだけだよ。 それは気遣いじゃない!」
子貢曰く、「では、何故先生は、子路先輩に『気を遣っちゃった』と言われたんですか?」
子曰く、「それは子路の気質をよく知った上でのことだよ。」
子貢曰く、「先輩の気質を知った上で・・・」
子曰く、「子路は、ああ見えて、後輩思いの優しいところがある。 子貢もわかっているだろうが、自分一番じゃなければすまないお山の大将だ。 そんな性格から、彼には、心を割って素直に話が出来る友人が一人もいないんだよ。 私は立場上では、師と弟子の関係であるが、子路とは、心を割って話せる一番の友人でありたい。 私より、九つ下で、実の弟ぐらいの年だ。 身内にもできないほど、命がけで私を守ろうとしてくれる奴だ。 私はその心に、私流の『恕の心』で子路に報いたいのだ! 彼に報いるとは真の友人として言いたいことを言える遠慮のない間柄でいることなんだよ。 何をしでかすかわからない奴だが、守らなきゃならない大切なものがある時、彼は分別を弁(わきま)えながらも必死で守ろうとする。 その時の子路は、士たりえているんだよ。 私はそんな子路が大好きなんだ。 子貢よ、わかってもらえるだろうか?」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート304」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
しばらくして、下男が戻って来て曰く、「子貢(しこう)さん、先生は只今着替えてられておいります。 先生から『待たせてすまんが、着替えが済み次第すぐ行く。』とのことです。 もうしばらくお待ちください。」
子貢曰く、「はい、お待ちしております。 使い立てをして申し訳ありませんが、待たせている私の下男に2時間ほどかかるので、食事に行って来るように伝えて下さいませんか。」
家人下男曰く、「はい、わかりました。 お伝えしますが、お付きの方のお食事はこちらでご用意させて頂きますので、ご心配なさらないで下さい!」
そこに家人の下女がお茶を持って入って来た。
家人下女曰く、「お茶をお持ちしました。」
家人下男曰く、「さあさあ、お茶が来ました。 もうしばらくくつろいでお待ち下さい。」
子貢曰く、「あっこれ! 私の大好物です!」
家人下男曰く、「はい、子貢さんが来られうから、講義の後、寄り道されて、ねこ屋の栗ようかんを買って来られたそうです。 それで遅くなってしまったと言っておられました。」
子貢曰く、「え~、私の為にわざわざ買いに行かれたんですか?」
家人下男曰く、「はい、先生らしいですよ!」
子貢曰く、「先生は、私に気を遣っておられるのですね。」
家人下男曰く、「いえいえ、気を遣っておられるというより、先生はそういう方なんですよ。」
子貢曰く、「はい、そうですよね!」
家人下男曰く、「それでは、私はこれで失礼します。 ごゆっくりどうぞ。」
子貢呟いて曰く、「先生は私をそんなに気遣っておられたのか・・・」
先生のさり気ない気遣いに熱いものがこみ上げてくる子貢であった。
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート303」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
子貢(しこう)曰く、「大変とは、何かあったんですか?」
家人下男曰く、「子路(しろ)さんのお部屋にカギがかかっていて、ドアを叩いても起きないんですよ! それで、先生自ら寮に来て、私がバールでドアをこじ開けて入ったんですよ。」
子貢曰く、「どうして、そんな無茶なことをしたんですか?」
家人下男曰く、「先生の御命令なんです。 中に入ると、押し入れの中で子路さんが高いびきで寝ていたんです。 ずいぶんとお酒を召し上がったようで、部屋の外まで酒臭くてたまりませんでした。」
子貢心の中で呟いて曰く、「さもあらん。 論民でずいぶん飲んだからな!」
子貢曰く、「それで、先生、どうされたんですか?」
家人下男曰く、「呼んでも起きないものですから、業を煮やした先生は、私にバケツに水を汲んで来るように言われまして、そのバケツをとって、子路さんの口に流し込んだんですよ! それで殺されると子路さんが飛び起きたんです。 先生はすかさず、耳元でバケツを叩いて追い打ちをかけんたんですよ。」
子貢曰く、「ひどいことをしますね! 先生がしたこととは、到底思えません! それって本当のことですか?」
家人下男曰く、「はい、御止したんですが、『かまわん!』と言われて・・・」
子貢曰く、「そうですか。 そうまでして子路先輩に話したかったことは?」
家人下男曰く、「はい、跡目相続を回さんにするための承諾です。」
子貢曰く、「そうですか。 先生は、回さん贔屓(びいき)ですからね!」
家人下男曰く、「いえいえ、先生の肩をおもみしている時に、『回と子貢は良きライバルだ! 私亡き後は、この二人が孔子塾を引っ張っていってくれる。 私は良き弟子を持った。』と嬉しそうに話してくれましたよ。」
子貢曰く、「え~、先生はそんなこと言ってたんですか!」
家人下男曰く、「はい!」
正門の外で馬の嘶(いなな)く声が響いた。
家人下男曰く、「先生の御帰りです! 子貢さんが来られていることを伝えてまいります。 では、失礼します。」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風
諸君元気ですかい、天意天風であります。
本日の一日一話。
天風人語のテーマは「論語(ろんご)と算盤(そろばん)と天風哲学(てんぷうてつがく)と電卓(でんたく)〜論語創作ものがたり パート302」だ。
諸君、昨日の引き続きであります。
総合講義で子路(しろ)に槍玉(やりだま)に挙げられた子貢(しこう)であったが、実は孔子先生の言葉に傷つき、心の中の孔子先生に反面していた。
子貢心の中で反面して呟いて曰く、「『いつもは回(かい)にライバル心むき出しの負けず嫌いの子貢にしては、バカにしおらしい返事だったからね。 私も気を遣っちゃってね! “子貢よ、そうだろうな。 お前ばかりか、私だって回には及ばないもんなぁ”と慰めてやったそうだ。 そうですよね、先生!』・・・『そうだ! そのように子貢に話をしたよ。』・・・先生は俺に気を遣われていたんだ。 子路先輩も子路先輩だ。 何も大勢の弟子の前で恥をかかせなくったっていいじゃないか! 俺は先生に嫌われているんだろうか?」
得心がいかない憤りと、先生のためならという気概が崩れ落ちそうになっていた。
しかし、神北(かんぺき)の素性についての報告の義務を果たすべく孔子の自宅へ向う子貢であった。
孔子先生は、従者を伴っての帰宅の途中であった。
子貢の大好物のねこ屋の栗ようかんを従者に買いにいかせたため、帰宅がおくれたのであった。
一足早く着いた子貢は、家人に書院の間に通された。
子貢曰く、「先生は、まだお戻りになられていないのですか?」
家人下男曰く、「はい、まだお帰りになられていません。 先生も朝から寮にお出かけになったので、疲れてどこぞで休んでおられるのでしょう。 子貢さん、お茶をお持ちしますから、しばらくここでお待ち下さい!」
子貢曰く、「え~、先生、何か寮に用があたんですか?」
家人下男曰く、「はい、子路さんが、この頃自宅にも顔を見せないもので、私が呼びにやらされたんですよ。 それからが大変だったんですよ!」
この続きは明日また・・・。
今日一日、真我とともにあらんことを
天意天風